医療費控除に必要な書類が2018年申告分から変更!どう変わる?

医療費控除の申告については毎年毎年、確定申告時に質問項目の多いひとつです。たとえば「医療費控除の対象って通院や入院のほかに風邪薬も対象になるって聞いた」とか、「年間合計10万円いかなくても医療費控除が受けられるって聞いた」とか、「電車やバスを利用したときって領収書残らないんだけどどうしたらいい?」というようなものです。

2017年(平成29年)分確定申告、つまり2018年(平成30年3月期)の確定申告から医療費控除に関する添付書類が大幅に改正になりました。一言でとりまとめると、医療費控除を受ける際に従来からの領収書ではなく、明細書が必要となったということになります。以下、ポイントをとりまとめましたのでおさえておきましょう。

医療費控除を受ける際に領収書ではなく、「医療費控除の明細書」が必要に

国税庁から発表されているパンフレットによると、
  • 医療を受けた人別に
  • 病院・薬局ごとに医療費を集計し
  • 合計額を転記する
という3点がポイントになってきます。
H29年以降の医療費控除明細書の記載例(出典:国税庁資料より)

H29年以降の医療費控除明細書の記載例(出典:国税庁資料より)

上記、記載例からは
  • 国税太郎さんが■■病院で支払った診療費を合計
  • 国税太郎さんが▲▲薬局で支払った医薬品を合計
  • 国税花子さんが○○診療所で支払った診療費・医薬品を合計
していることが読み取れるでしょう。また、2018年の申告から、医療費のレシートの提出は必要がなく、5年間自宅で保管すればOKということになりました。

「医療費控除の明細書」のフォーマットが大幅変更に

医療費控除の明細書のフォーマットが大幅変更になりました。従来の医療費の明細書と比較すると、治療内容・医薬品などを記入していた箇所がなくなり、
  • □診療・治療
  • □介護保険サービス
  • □医薬品購入
  • □その他の医療費
という4区分を設け、チェックマークを付すということに変更になったことです。
H29年以降の医療費控除の添付書類(出典:国税庁資料より)

H29年以降の医療費控除の添付書類(出典:国税庁資料より)

一方で医療を受けた人の続柄や病院・薬局などの所在地を記載することはなくなりました。

健康保険組合等が発行する「医療費のお知らせ」が、明細書代わりに

おおむね、医療費控除の明細書(従来の書式は医療費の明細)に転記する前の集計作業がやや煩雑になったということは言えるのかもしれません。

ただし、それらを解消する税制改正も同時になされています。それは健康保険組合等が発行してくる「医療費のお知らせ」が、明細書代わりに利用できることです。

この「医療費のお知らせ」は平成28年分以前の医療費控除の添付書類としては認められておらず、領収書代わりにはなりませんでした。ところが平成29年分の確定申告から健康保険組合から送られてきた「医療費通知書」(医療費のお知らせ)は、医療保険者が医療費の額を通知する書類に該当することになったことがタックスアンサーに明記されたほか、「医療費通知書」を添付すると、医療費控除の明細書への記入が省略できるのです。

反対からみれば、「医療費通知書」(医療費のお知らせ)を紛失してしまったものだけ、医療費控除の明細書へ記入すれば済むことになります。

従来からの医療費控除の手続きに慣れてしまっているが

そうは言っても、従来からある医療費控除の手続きに慣れてしまっているのだけれどという人も多いのではないでしょうか。あるいは「医療費通知書」(医療費のお知らせ)を破棄してしまっている人もいるかもしれません。

したがって、このような改正が周知されるまでの一定期間、「従来からある医療費控除の手続きでもかまわない」という経過措置期間があります。この経過措置期間は平成29年分から平成31年分(平成30年3月期確定申告から平成32年3月期確定申告)までです。

この期間に徐々に領収書から明細書添付への確定申告手続きに慣れていきましょう。

セルフメディケーション税制の明細書も発表に

また、同様に平成29年分確定申告(平成30年3月期申告)から開始されるセルフメディケーション税制の明細書も発表されています。これは、上記の通常の医療費控除との選択制、つまり、どちらかを選択して適用することとされていますので、通常の医療費控除ではなく、セルフメディケーション税制を活用して確定申告する場合には、コチラの明細書を添付することとなります。

セルフメディケーション税制の明細書(出典:国税庁資料より)

セルフメディケーション税制の明細書(出典:国税庁資料より)


平成29年分確定申告(平成30年3月期申告)からの医療費控除の確定申告実務は大きく様変わりします。資料の集計段階から注意しておきたいものです。

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