医療費控除の手続きは領収書をまとめるのが面倒

通院日は領収書との照合を
確定申告で医療費控除を申請するには、確定申告書と医療費控除の明細書が必要です。また医療費の領収書を確定申告書に添付するか、確定申告書を提出する際に提示しなければいけません。

しかし、医療費控除の対象となる医療費の中には領収書のとれないものもあります。今回はこのような場合、どのように申告すればいいのかをご紹介します。

公的交通機関を使うと交通費の領収書がとれない

医療費控除できるもの、できないもの」で紹介している通り、医療費控除の対象となる医療費には、診療費・治療費や医薬品の購入費のほか、通院や入院のための交通費、電車やバスの移動が困難な場合のタクシー代などがあります。

所得税法基本通達73-3では「医師等による診療等を受けるための通院費若しくは医師等の送迎費、入院若しくは入所の対価として支払う部屋代、食事代等の費用又は医療用器具等の購入、賃借若しくは使用のための費用で、通常必要なもの」という内容になっています。

この内容を受けて、自家用車のガソリン代や駐車料金などは医療費控除に該当する医療費とはなりませんが、公共交通機関を使用した場合の通院費などは医療費控除に該当するのです。

ただし医療費控除を受ける場合、手続きとしては医療費の領収を証する書類の添付(あるいは提示)が必要となるため、公共交通機関を使用した場合の通院費に関して、「領収書がないし、どうしよう……」と思う人も少なくないでしょう。

領収書のとれない医療費は内訳を別途作る

医療費控除の申告方法と明細書の書き方」で紹介している通り、医療費の明細書に記入する際は、領収書1枚ごとに個別に転記する必要はなく、まとめて転記することもできます。

公共交通機関を使用した場合の通院費など、領収書のとれない医療費については表計算ソフトなどを使用して、通院履歴などと照合できるように整理しておくといいでしょう。通院履歴や交通費を記載したフォーマットのサンプルは以下の通りです。
フォーマットに制約はありません

内訳明細のフォーマットに制約はありません

フォーマットはこの通りでなくても構いませんし、必ずしも表計算ソフトを利用する必要もありません。ポイントは通院履歴と交通費とが対応しているように作成するということです。この表計算で集計したものの小計を、医療費を受けた人や病院ごとに医療費の明細書へ転記するのです。

領収書のとれない医療費は明細書のどこへ記入する?

では、とりまとめた領収書のとれない医療費は、明細書のどこに記入するのでしょうか。これについては、そのかかった病院等ごとにとりまとめてホチキス止めなどして小計を記入しておき(記入例の場合は10万4650円)、通院費は「同上にかかる通院費」(記入例の場合は6120円)として、医療費の明細書に別枠で記入しておくと、領収書の照合と通院費の整合性が説明しやすい申告書となるでしょう。

かかった病院別に通院費をとりまとめておきましょう

かかった病院別に通院費をとりまとめておきましょう

なお、この事例のように医療費控除は納税者本人のみならず、生計を一にする配偶者やその他親族に対してのものも対象となります。医療を受けた人、かかった病院ごとに通院費を記入しておくこともポイントです。

ただし、「医療費の領収を証する書類を添付」という手続き自体には変わりありませんので、上で例に出したような内訳明細を、病院からの領収書などと一緒に申告書類に添付もしくは提示することは忘れないでください。

スイカやパスモのチャージ分は医療費控除の対象になる?

なお近年、「パスモやスイカといったプリペイドカードのチャージ時の領収書を添付書類にできないか」といった質問が増えています。これは「将来発生するであろう交通費に対する補てん」といった性格をもち、通院にかかった交通費を証明するものではないことや、交通費以外にも小売店や飲食店で使えてしまうことなどから、通院に使用した証明書類としては疑問が残ります。

いずれにしても、通院記録と通院手段および通院経路が証明できるような書類を用意することがポイントです。

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