単板ガラス、アルミサッシは結露の温床
断熱性能の低い窓には結露がつく
このタイプの窓は、夏は窓から大量の日射が部屋に差し込んできていくら冷房をかけても効かない。冬は窓からどんどん熱が逃げていくからなかなか部屋が暖かくならない。部屋の快適さをキープするのが大変で、光熱費もかかる。しかも、冬になれば窓や窓枠には結露がびっしりつき、ほおっておくと窓のゴムパッキンやレースカーテンにまでカビらしきものが出現するしまつだ。
快適にしたいなら、まず窓から
もしこれから新築で家を建てるなら、断熱効果の高い窓を入れることをお勧めしたいし、近いうちに、そうしないと建築許可が下りない時代がやってくる。既に建っている家は、既存の窓の内側にもう一枚窓をつけたり、ガラスを断熱性の高いものに入れ替える窓の断熱化リフォームをするといい。それだけでもだいぶ省エネ性がアップする。でも窓は、なにしろ数が多い。気になるのはやはりかかる費用ではないだろうか。
気になる内窓の費用は?
浴室の窓に内窓を設置した例
家の中の主な窓は掃き出し窓が3か所、腰窓が4か所、それぞれに内窓をつけていくと合計で52万円ほどになった。それに取り付け工事費がかかるがメーカー品のお値引き(工務店により異なる)も入り、プラスマイナスして最終的な費用は37万5千円程度になっている。
内窓がつかない窓はガラス交換
窓の形状によっては内窓をつけられない窓もある。その場合、窓枠はそのままでガラスのみをより断熱性の高いガラスに交換する方法がある。内窓をつけられなければ次の一手として有効だ。内窓がつけられない窓とは、出窓や上げ下げ窓。これらの窓のガラス交換をすると、腰窓の出窓で一か所の費用が3万円程度。これが我が家には3か所あり、メーカーからのガラス送料やガラス入れ替え工事費用、既存ガラスの撤去費などを含めて工事費は12万円程度になっている。先ほどの内窓取り付け工事37万5千円と、その他の諸経費を加えて、窓の断熱化工事は全体で50万円ほどかかるという見積りだった。
省エネリフォームにはさまざまな補助がある
ここで忘れてはいけないのは自治体の補助金や省エネ住宅ポイント制度を賢く利用すること。2015年3月から省エネ住宅ポイント制度が始まった。これは以前住宅エコポイントという名前だったものが復活したもので、窓の断熱化リフォームをして申請すると、商品券などに交換できるポイントを受け取ることができる【図1参照】。対象となる窓の面積によりポイントが異なる。内窓をつけるほうが窓ガラスの交換よりポイントは高い。対象窓の数が多ければポイント数も増える。1ポイント=1円換算だ。
国の補助と自治体の補助
省エネ住宅ポイント制度は「国」が行っている事業で、この他に各自治体が行う省エネリフォーム補助事業もある。基本的に国の事業と自治体の事業は同時に利用することができるようなので、工事をする前に確認をしておくといいだろう。結局、省エネ住宅ポイントはいくらもらえる?
今回の我が家の試算では、主要な窓10か所の窓をリフォームして工事費の合計は50万円程度。受け取ることのできる省エネ住宅ポイントは14万5千円という試算が出た。ということは、工事費の約30%がポイントで返ってくる計算になる。このポイントは商品券や地域の特産品に交換したり、同じリフォーム会社に別の工事をしてもらう時の工事費に充当することができる。こう考えるとかなりお得なのではないだろうか。窓の断熱化は満足度が高い
すでに内窓の取り付けをした人の話を聞くと、満足度はだいぶ高いようだ。窓を二重にすることで、結露の問題、音の問題が緩和する。カギを壊すのに時間がかかるから防犯性も高くなる。しかし窓が二重になるので開閉する時の手間も二重になる。その辺のメリットデメリットを考えて、内窓をつけるのか、窓ガラスを交換するのか、方針を立てるといいと思う。今回は参考になればと木造一戸建ての窓を断熱化リフォームした場合にかかる費用の目安を出してみた。リフォームしたあとの実際の住み心地も気になるところだけれど、それは一年くらい住んでみてから、また別にリポートしようと思う。
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