五感で感じる夏の涼、風鈴だけじゃない! 日本の夏の知恵
風鈴の音を聞いただけでも、涼しく感じます
でもこれ、実際に経験していなければ心から共感することはできませんね。親の世代すらあやしいのに、子の世代はどう感じているのでしょう。時とともに文化も変わっていきますが、伝えなければ消えてしまうばかりです。
季節の風物詩であり、エコな面でも注目されている今、五感の涼を取り入れてみてはいかがでしょう。数ある中から、代表的なものをご紹介します。
視覚:目で感じる涼
■金魚鉢水辺の情景を室内で楽しみます
■釣りしのぶ
瑞々しい山苔としのぶ草のハンギンググリーン。風鈴付きも人気です。
「空中のオアシス「釣りしのぶ」で夏を楽しむ」
■すだれ・よしず
すだれは吊るす、よしずは立てかけるもの。直射日光を遮り、風を通すだけではなく、見た目にも涼やかです。
「涼風と風情を呼ぶ部屋~すだれ・よしず」
■蚊帳
風が通り、涼しげな蚊帳の中で安心して寝る心地良さは格別です。
「蚊帳の外には敵だらけ… 夏のお悩み解消法」
■花火
夜空に咲くはかない花。他の国でも盛んですが、日本では川開き、慰霊、お盆の送り火として親しまれてきたため、夏の風物詩となっています。
「花火の掛け声、なぜ「鍵屋」より「玉屋」?」
聴覚:耳で感じる涼
■川のせせらぎ・滝・波の音寄せては返す波の音が、海へと誘います
■風鈴
音で風の訪れを知らせます。軒下がNGな場合、室内の風の通り道につるすと良いでしょう。
「ワンタッチで音が消せる!? 消音機能付き風鈴」
■水琴窟(すいきんくつ)
つくばいの排水が地中に響き、琴のような音が鳴ります。
「水琴窟の音を聴こう!しっとり、水の協奏曲」
■虫の声
晩夏から鳴きだす鈴虫やこおろぎが、秋の足音を感じさせてくれます。
触覚:肌で感じる涼
■行水「わー、冷たい!」この経験を大切にしたいですね
「盥(たらい)の今昔、夏におすすめの使い方」
■井戸水
地下深くを流れる井戸水は、外気の影響をほとんど受けず常に14度~16度を保っているので、夏は冷たく、冬は温かく感じます。冷たい地下水で野菜を冷やしてもいいですね。
■打ち水
撒いた水が蒸発するときに熱が奪われて気温が下がり(気化熱)、対流も起こります。見た目も涼しげで風流です。
■いぐさ
天然いぐさは湿気を調節するので爽やか。夏の座布団、敷物、スリッパ、シーツ、枕などに用いると快適に過ごせます。
■浴衣・甚平
お祭りや風呂あがりに。着姿も涼しげで、夕涼みにぴったり。
「楽ちん着付け7step!」
■うちわ・扇子
お部屋でも、外出先でも手軽に涼風を。涼しげなインテリアにもなります。
「品格アップ!扇子のたしなみ」
嗅覚:鼻で感じる涼
■森の香り森林のアロマでクールダウン
■潮風・磯の香り
海辺の情景や思い出を呼び覚まします。
■蚊取り線香
定番は除虫菊の香り。ぶたの蚊遣りから揺らぐ煙、たゆたう香りが心地いいですね。
■夕立のにおい
雨で濡れた土のにおい、道路のにおい。むわっとした中にも、暑さの和らぎを感じます。
味覚:食べて感じる涼
■かき氷頭がキーンとすることを「アイスクリーム頭痛」といいます
「氷(かき氷、氷菓子、氷料理)で暑気払い」
■ラムネ
明治初期にイギリスより伝来。レモネードが訛ってラムネになりました。ビー玉で栓をしたガラス瓶も清涼感たっぷりです。
■ところてん
天草から作られる心太(ところてん)は、正倉院の書物にでてくるほど歴史の古い食べ物です。関東は酢じょうゆ、関西は黒みつをかけていただきます。
■スイカ
体の熱を下げ、利尿作用で余分な水分を出してくれます。かぶりついて、種を吹き出す経験も懐かしいでしょう。
■そうめん
夏バテを防ぐ上でも効果的。できれば流しそうめんで食べたいですね。
■そのほかにも涼を呼ぶ味がたくさんあります。
「暑気払いとは飲み会?時期はいつ・意味・挨拶・食べ物、納涼会との違い」
五感の涼は、夏を乗り切る日本の知恵。文化と風情を愉しみながらエコにも貢献できますので、折りにふれ取り入れてみてくださいね。
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