扇子の使い方を身につけて、風雅美人に

扇子の使い方をきちんと身につけて、風雅美人になりましょう

扇子の使い方をきちんと身につけて、風雅美人になりましょう

以降の写真では、今では貴重な江戸扇子の伝統工芸士・松井ひろし氏の作品をご紹介します。東京造形大学とのコラボ作品で、学生による斬新なデザインと松井氏の熟練の技が融合し、今までにない魅力的な扇子が誕生。まずこちらは、艶やかなバラが印象的な「江戸川名物扇子 はな ピンク」
扇子の季節がやってきましたね。冠婚葬祭やお稽古事で使う特別な扇子もありますが、涼をとるための扇子は、夏ならではの風情を感じさせます。
でも、ひと昔前は扇子に対してこんなイメージがありませんでしたか?

【優雅な貴婦人】
お年を召した方が、ゆったりと涼をとるイメージ。
⇒上品で素敵なのでいずれ真似したい!

【オバチャン】
オバチャンが、せわしなく暑さをしのぐイメージ。
⇒品がいいとはいえないから真似したくない!

昔は伝統的な絵柄が主流で熟年向きだったので、若い世代にフィットする扇子ではありませんでした。しかし、現在はモダンな扇子が増えており、お洒落アイテムのひとつになって大人気。

そこで気をつけたいのが、扇子の使い方です。デザインがモダンになったお蔭で【優雅な貴婦人】がぐっと若返り【風雅美人】になれるチャンスなのに、使い方が【オバチャン】になっていませんか?
   

扇子の豆知識

扇子には京友禅をもとにした雅やかな「京扇子」と、粋でさっぱりとした「江戸扇子」があります。

■京扇子
通常は竹骨を30本程度、多いものでは100本近く使います。多くの職人が数々の工程を分業でまかなっており、扇子の主流です。

■江戸扇子
竹骨を15本~18本しか使わないため、折り幅が広く、閉じる時にパチッと音がすることも。ほとんど全ての工程を1人で行いますが、職人さんが4~5人しかいない現在、江戸扇子は貴重な伝統文化になってしまいました。

 

気をつけたい「扇子の使い方」3大NG

こちらは小松菜がモチーフで男性にもマッチ。小松菜は江戸川区小松川の地名に由来します。「江戸川名物扇子 小松菜」
こんな扇子の使い方をしていませんか? 身に覚えのある方は「オバチャン」に見えているかも……

バタバタとせわしなく扇ぐ→NG!
一刻も早く涼みたいという気持ちもわかりますが、せわしない動きは優雅さとは程遠く、暑苦しくさえ感じさせるでしょう。それに、扇風機の「強」が至近距離ではつらいように、微風(そよかぜ)のほうが心地良いのです。ゆったりと扇いで、涼風と優雅な雰囲気を漂わせましょう。

とりあえず使えれば柄にこだわらない→NG!
扇子は注目アイテムなので、本人が思っている以上に目立ちます。あなたのセンスが問われますから、野暮ったい扇子は避けること。開いた瞬間、「素敵!」「粋だねぇ」と思わせるような、こだわりの扇子を持ちましょう。

開け閉めはテキトーだ→NG!
真横に引っ張って開いたり、大袈裟に開いたり、雑に閉じたりすると、がさつな人に見えます。ピシッと閉まらずはみ出した扇子が、あなたを物語ってしまうかも。開けるときは、右手の親指で骨をずらすように押して開きます。スムーズな開閉は扇子の作りにも依りますから、良質のものを選びましょう。また、人から借りた扇子はいつも以上に丁寧に扱ってくださいね。

この3つをクリアするだけでも、かなりの風流美人になれますが、さらに優雅な扇子使いと、たしなみを感じさせる扇子の使い方があります。

 

扇子から漂う優雅な香り……香りを纏った扇子

なんとも涼しげなグラデーションの江戸扇子。形そのものまで左右非対称になった斬新なデザインで、閉じた時にも美しいグラデーションが出る逸品。「グラデーション和扇子 ミズイロ」
涼しい風だけでなく、香りを楽しむことが出来るのも扇子の楽しさでしょう。白檀や桧を使ったものは、扇ぐたびにほのかな香りが漂ってきます。こうした香りのある木・香木を使った扇子は少々値が張りますが、香りが何年も続く本格的アイテムです。

日本は湿気が高いので空気中に香りの粒子がとどまりやすく、香りがとても引き立つと言われています。

お香と一緒に収納し、香りを移してもいいでしょう。香水をかける方法もありますが、生地が変色したりしないよう注意。ガーゼなどに香水をかけ、扇子と一緒に収納するほうが無難です。ただし、あまり香りが強すぎるとTPOにそぐわない場合もありますから、和かな香りにとどめましょう。

 

たしなみを感じさせる、扇子の使い方

扇子には涼をとる以外にもさまざまな役割がありますが、暮らしの中で役立つものをご紹介します。

ご挨拶する時に使う
座って挨拶をする際、膝前に扇を置いて礼をすることがあります。これは、扇子に自他の境をつくる結界(けっかい)の役割をもたせたもので、婚礼などで帯に挿しておく「祝儀扇」や、茶の湯で使う「茶扇」などがまさにこれで、涼を呼ぶ扇子に比べると小ぶりです。日常でそこまですることはありませんが、贈答品を持参したり、正式なご挨拶をするときに用いると、たしなみを感じさせます。

お金を渡す時に使う
御祝儀、御礼、月謝などを渡す時に、広げた扇子の上に乗せて渡すことがあります。もともとお金はお盆に乗せたり、袱紗(ふくさ)に包んだりしてお渡しするもので、扇子はお盆と同じ意味があります。覚えておくといざという時に役立つでしょう。


 
愛らしい金魚が絶妙に配され、実に和モダン。涼しげですね。「江戸川名物扇子 金魚」
ーー扇子が最もよく似合う、浴衣美人になりましょうーー ーー日常生活も風流ーー
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