乾燥、物干しの変化
洗濯機が進化してスイッチ一つで洗濯から脱水までノータッチで居られるようになったことで、次の目標は洗濯物の乾燥の自動化になりました。電気、またはガスを利用した衣類乾燥機は80年代に登場し、洗濯機の上に据え付ける架台とともに広く普及しましたが、物干しにとって代わることはありませんでした(図1)。また最新のドラム式洗濯機は洗濯~乾燥までの全自動を実現しましたが、乾燥容量が洗濯に比べ少ないことや、機械乾燥ではしわになりやすい衣類が多いことから、家族の洗濯ものをまとめて全自動で処理できるようにはならず、逆に洗濯物の仕分けを増やす結果になったことも否めません。【図1】乾燥機を使う頻度 (「収納に関する調査」2005年ヘーベリアンネットアンケート) |
浴室に乾燥暖房機を付けることで物干し場所として使おう、というアイデアも1990年以降床暖房の普及とともに採用が進み、設備されている家も増えてきました。梅雨時期の物干しとしてはよく活躍しているようですが、乾燥のガス代がかかることの抵抗感もあり、メインの物干しスペースとして使っている家庭は多くありません。入浴が終わらないと干せないため、夜洗濯では使用時間がかぶってしまうことが多く、朝洗濯で夕方までに乾かすのがコツのようです。
結果として、夜洗濯に対応した物干しスペースの重要性が増してきました。夜の物干し場所を調査した結果(図2)をご紹介しますと、屋外、LDが共に乾燥機付の浴室を上回っています。夜間に外に干すのは驚かれる方が居るかもしれませんが、アンケートで集めた理由の一部を下記にご紹介します。室内の湿気やにおいを嫌うこととともに、朝日や風に当たるので結局は室内より早く乾く、という意見も多いようです。これらの条件をうまく満たすことが室内干しスペースの要件になります。
次ページでは室内干しスペースについて考えます。