前略・拝啓・敬具・早々……書き出しは文章の第一印象を決める
前略の結びは?ビジネスシーン別の使い方
社内文書には必要なく、社外文書ではマストなもの。
それは頭語(とうご=書き出し)と結語(けつご=結び)です。
「拝啓」「敬具」「前略」「早々」など聞いたことはあってもきちんと使い分けられているでしょうか? これらがキチンと書かれているかどうかで、文書の第一印象が変わります。また文書の完成度や会社の品格まで取引先・お客様に伝わってしまうことから、しっかりルールをおさえましょう。
社内文書は頭語と結語は組み合わせで使う
頭語と結語の組み合わせ
表を見ると、おなじみのものから、初めて知る言葉もあるかもしれませんね。もし、あなたが覚えようと思うなら、一番上の「拝啓」「敬具」だけで十分です。どちらも「つつしんで申しあげる」の意味となります。
皆さんは友達の家に遊びに行くとき、玄関に入るとき「お邪魔します」、帰るときは「お邪魔しました」と挨拶することでしょう。社外文書も同じように考えてみてください。「頭語」で入ってから用件を済ませ、「結語」で結ぶイメージです。
「前略」「草々」は要注意
先ほどの表のなかで補足があります。まずは、「前略」「草々」です。前略とは「挨拶を省きます」の意味なので、その後に時候の挨拶などは書かず、いきなり用件を書きます。「前略 先般ご依頼のありました○○の件につき……」という具合です。
ただし、相手が目上の人だったり、正式な文書、礼状や詫び状であれば、「前略」「草々」を使わないのが賢明です。なんだか手を抜いている印象を与えてしまうからです。挨拶文といっても、前文と末文を合わせて2~4行で済むのですか ら、面倒臭がらずにキチンと挨拶するのがマナー。最初の印象が悪いと、読み手をカチンとさせ、せっかくの文書が台無しになるかもしれませんので気をつけましょう。
悔やみ状に頭語は要らない
ほかにおさえてほしいのは、悔やみ状を書くときのルールです。
悔やみ状に頭語は要りません。実務で悔やみ状を書く機会は少ないかもしれませんが、頭語と結語のルールが変わることだけ頭の片隅に置いておくとよいでしょう。たとえば取引先の役員が亡くなったとき。先方の社員が悲しみにくれているのに「拝啓 桜花の候、貴社ますますご繁栄のこととお喜び申しあげます」などと書けば、相手の心境を無視した失礼な文面となるからです。
よって、正しい書き出しは「貴社取締役山田一郎様のご逝去の報に接し、謹んでお悔やみ申しあげます」となります。このように、いきなり用件に入るようにしてください。
書き出しと結びの基本は、プライベートでも活かせる
社会人ともなれば、ビジネスだけでなく、プライベートでも見舞い状や悔やみ状を書く機会があります。たとえば知人や友人、その家族が病気になったとき。または訃報を知ったときなどです。すぐに足を運べないときはメールで済ませず、文書にして送りましょう。いくら思いやる気持ちがあっても、それを言葉にしなけれ ば、相手には届きません。そのときに備えて、頭語と結語が原則通りでないことだけインプットしておきましょう。このサイトをはじめ、参考になる本を都度調べて、心をこめた文書や手紙を出すようにすれば、大切な人との信頼関係はより深まることでしょう。
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