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ビジネス文書での宛名の書き方!様や御中など敬称の使い分けも

ビジネス上で、目上の人やお客様に郵送物を出す際に、宛名や敬称の書き方で悩むことありませんか? ビジネス文書などでの宛名の書き方にはルールがあります。ビジネス文書を出す場合の封筒や文書の宛名に必要な敬称のルールと尊称・卑称について解説します。

鈴木 真理子

執筆者:鈴木 真理子

ビジネス文書ガイド

ビジネスで使う宛名! 敬称は相手に敬意を表するもの

ビジネス文書での宛名の書き方!様や御中など敬称の使い分けも

正しい宛名で印象度アップ!

敬称とは、相手に敬意を表すために用いるものが敬称です。 私たちは誰かと話すとき、相手のことを呼び捨てにせず「○○さん」と呼び、お客様であれば「○○様」、上司なら「○○課長」と役職をつけるのが一般的です。これが敬称です。

封筒に宛名を書くとき、また文書の先頭に受信者名を書くときは敬称を使います。ビジネス文書では、この敬称を間違えないことが大切。なぜなら文書の第一印象は、宛名書きが正しいかどうかで決まることもあるからです。
 
<目次>
 

ビジネスで使う3つの宛名を覚えて敬称を間違えずに書こう

ビジネスにおける敬称は、3つだけおさえれば安心です。

それは、「御中」「」「各位」です。それぞれを詳しく見ていきましょう。

1.御中(おんちゅう) 
対象:会社や部署など団体・組織
例:株式会社○○御中、○○株式会社営業部御中

2.様
対象:個人
例:鈴木一郎、経理ご担当者

3.各位(かくい)
対象:複数の個人や複数の団体・組織
例:関係者各位、営業第2部各位
 

ビジネスの宛名で敬称にまつわる質問

敬称について、よく受ける質問がありますので紹介します。同じ疑問をもっている人もいるかもしれませんので、いまいちど確認しましょう。

■質問内容
Q.○○商会の斉藤さんに送るとき、敬称はどうなるの?
Q.佐々木部長って、呼び捨てみたいで失礼だと思うんですが……。
Q.各位ってどんな意味なの?
 

ビジネスの宛名の敬称の使い方1:「御中・様の重複」は間違い

Q.○○商会の斉藤さんに送るとき、敬称はどうなるの?

A.○○商会 斉藤となります。
付ける敬称は1つだけ。よって「○○商会御中 斉藤」と重複するのは誤りです。会社名と氏名を比べると大事なのはどちらでしょうか? そう、顔がわかる人名です。ですから氏名だけに敬称をつければ十分です。
 

ビジネスの宛名の敬称の使い方2:◯◯部長様も重複となる

Q.佐々木部長って、呼び捨てみたいで失礼だと思うんですが……。

A.○○部長は立派な敬称です。
理由は「名前+役職」は敬称だからです。「佐々木部長様」にすると二重敬称となって誤りなのでご注意を。でも社内の上司ならともかく、社外の人に送るときは名前に敬称をつけるのがもっとも丁寧なので「○○社 営業部長 佐々木」としてはいかがでしょうか。
 

ビジネスの宛名の敬称の使い方3:「各位」の意味は「みなさま」

Q.各位ってどんな意味なの?

A..「みなさま」の意味です。たとえば、「参加者各位」なら、この宛名だけで参加者全員に発信することができます。なお、「各位様」は二重敬称ですから使わないでくださいね。
 

相手の呼び方は? 尊称(そんしょう)と卑称(ひしょう)

続いて相手に対する尊敬表現の尊称と自分に対する謙譲表現の卑称です。

・尊称
相手の会社は高めて「貴社」「御社」「○○様の会社」などとします。ただし、お店なら貴店、銀行なら貴行がマッチしますので、業態に合ったものを選びましょう。

・卑称
自分の会社であれば「弊社」「当社」「わたくしども(の会社)」となります。使い方ですが、相手より自社を低めたいときには「弊社」が向いています。ただ、ホームページやパンフレットなど不特定多数が読者のときは、過剰にへりくだることなく「当社」とし、フラットな表現を用いるのがベストです。
 

民間企業の勤務者は「小職」は不適

あなたは自分のことを何と書きますか?
よくあるのは「小職(しょうしょく)」「弊職(へいしょく)」「小生(しょうせい)」 など。ただ、これらは一見するとカッコいいのですが、使い方を間違えないようにしたいものです。順に見ていきましょう。

1.小職
役職についている人ではなく、役人(公務員)がへりくだる表現です。そのため、民間企業の役職者であれば適しません。

2.弊職
「弊社」と「小職」をあわせた造語と言われ、一般的でないとする見方もあります。ただ大辞林などの辞書には「その職務についている自分をへりくだる表現」として記載されているので、使っても問題ないでしょう。

3.小生 
男性が使う言葉で、女性は使いません。

おすすめしたいのは、「私」「こちら」当方」などです。性別や役職、官民を問いませんし、シンプルな表現のほうが読みやすいものです。 

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