ビジネスは「文書主義の原則」で成り立つ

私たちは毎日、いろいろな人とコミュニケーションを取りながら仕事を進めています。

社内の人だけでなく、お客様や取引先と約束をする、日時を決める、金額を伝える、など……。そのとき口頭でやりとりし、記憶だけに頼ると危険です。キチンと文字に残してお互いに確認しあわないと、あとから「言った」「言わない」の誤解が生じることがあるからです。

そこでビジネスでは「文書主義の原則」があります。

つまり、「大切な情報は口頭だけでなく、文書にして記録や証拠として残す」というルールが存在するのです。


私文書とビジネス文書は違う

文書一つで印象が変わります。

文書一つで印象が変わります。

たとえ書き手が同じ人であっても、私文書(プライベートで書くもの)とビジネス文書では、責任の重さがまるで違います。

私文書の主語は「I(私)」ですから、責任を負うのも個人。

でもビジネス文書となると、主語はWe(私たち)に置き換わり、当社、当部のメッセージとして発信されます。さらに保存や公開されたり、証拠に残る可能性もあるため、迷ったときは自己判断せずに上司の指示をあおぎましょう。

また、メールであれば、いくら親しい相手だとしても公私混同せずに、誰が読んでもおかしくない内容にしなければなりません。
 

「費用対効果の視点」を忘れずに

あなたが精魂こめて作成した文書。それなのに、読み手からこんな風に言われたことはありませんか?

「読んでも理解できないよ」「要するに何が言いたいの?」「私にどうしてほしいの?」……

もし、あなたの文書が分かりにくいなら、読み手はあなたに質問や確認をしなければなりません。そうやって、書き手と読み手の往復回数が増えるのはいかがでしょう。一通の文書で理解できたら、お互いの仕事がサクサク進むのに……。

そう、仕事をするときに忘れてならないのは、「費用対効果の視点」です。文書であれば、ズバリ「効率的に書き、業績向上に結びつけること」を意識しましょう。

読み手の満足ありき

ビジネス文書では、情報を相手に正しく伝え、こちらの意図する行動を起こしてもらうのが目的です。ですから、「読み手を満足させる視点」を忘れてはなりません。

まずは「目的を明確にすること」から始めましょう。

目的とは「何のために書き、読み手にどのような行動を期待するのか」ですが、「自分目線」と「相手目線」という言葉を使って説明します。

多くの人は、自分が書きたいことや知りたいことを書きます。でも自分目線で一方的に書いてしまうと、書き手の一人作業や自己満足に陥りやすいのです。
ぜひ読み手の顔を頭に浮かべて「相手目線」にシフトしてから書きましょう。

具体的には、読み手が「知りたいこと」「興味があること」「得になること」を盛り込んでください。専門用語や難しい語彙を並べる必要はありません。むしろ誰にでも伝わる文書が求められているのです。

相手や目的によって書き方は変わる!

文書には、いろいろな種類があります。たとえば、「送付状」「報告書」「企画書」など実務に即したものから、「お礼状」「挨拶状」など不定期に書くものもあるでしょう。

また、社内文書社外文書にも違いがあります。

社内文書なら、読み手はビジネス上の”身内”ですから、単刀直入に用件を伝えれば充分。効率性を重視し、とことんムダを省くのが一般的です。

しかし、社外へ出す文書には、「心」を添える配慮も必要となってきます。敬語を使い、丁寧な挨拶文を忘れずに書きましょう。

これは、女性のお化粧を例にすると分かりやすいかもしれません。家族とウチの中で過ごすならスッピンでOK。でも会社へ行ったり、誰かさんと出かけるときには身だしなみを整え、お化粧をする。文書だって相手や目的によって書き方や体裁を変えるのです。


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