多彩な香味のジムビーム
ビーム家の現在はジェイムズのひ孫にあたる7代目フレッド・ノウが当主。フレッドはマスターブレンダーとしては8代目となる。これはフレッドの父、6代目のブッカー・ノウの体調不良により、ジェリー・ダルトンが1998~2007年の間だけ一族以外ではじめて7代マスターブレンダーを務めたことによるものだ。
では、ジムビーム・ブランドを紹介しよう。
40年以上もNo.1セラーをつづけている世界で最も愛されているバーボン。極大粒の最高級デントコーンが主原料。プロセスウォーター(仕込水)には清冽なライムストーンウォーター(*)を使用し、代々受け継がれた秘伝の酵母と発酵法によって香味を高め、4年以上の樽熟成を経て生まれる。
バニラやキャラメルの香ばしさや味わい、ほのかな樽のささやきも感じられ、調和のとれた、心地よい飲み口を特長としている。後味のキレもよい。
700ml・40%・¥1,390
スタンダードのジムビームより長い6年以上の熟成を経たプレミアムバーボン。
芳醇で深い熟成感が際立つ逸品として人気が高い。
エレガントでなめらかな印象。穏やかな甘み、香ばしい穀物様や樽香が染みるように広がる。
700ml・40%・¥2,400
ブラックに次ぐ上級品。5年以上の熟成とチャコールフィルターによる濾過といった製法上の特長がある。
豊かなコクとともに、心地よい酸味が感じられる。
700ml・40%・¥2,100
ライ麦が減少しており、ライウイスキーが希少となりつつある。歴史的にいえば、19世紀まではアメリカンウイスキーの主役はバーボンではなく、ライウイスキーであった。ジムビーム家では1945年頃よりライウイスキーを製品化している。
軽快なライトタイプ。ライ麦特有のスパイシーさを抱きながら、芳香はフルーティー。「マンハッタン」をはじめカクテルベースとしてもおすすめ。
700ml・40%・¥1,670
ビーム社には他に小ロット生産のスモールバッチシリーズ(ブッカーズ、ベイカーズ、ベイゼルヘイデン、ノブクリーク)があるが、これらはあらためて紹介することにする。
* ライムストーンウォーター
ケンタッキー地域の地盤は石灰岩(ライムストーン)。地下水は石灰岩によって濾過され、良質な清水となって湧き出る。
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