環境、食べ物、遺伝が重要
NIAの研究者は、カロリー制限による健康への効果は、1.環境、2.食べ物、3.遺伝子、の3つに大きく影響を受けるため、一概にすべての人にいい結果をもたらすとは言い切れないと述べています。また飼育環境にもヒトと同じ結果をもたらすかどうか疑問に感じる大きな問題があります。つまり実験用のサルは野生のサルのように集団で生活しておらず、自由にエサを採りに行ったり、生殖活動ができるわけではないため、野生のサルとは異なるストレスにさらされて、ホルモン分泌や代謝経路にも当然影響を及ぼしているはずなのです。
実験用の動物を使った不自然な環境での結果が、我々人間の複雑な社会にそのまま適用できるかと言えば、それはなかなか難しいと思います。
何を食べるかの方が問題
食べる量よりも、食べ物の質や種類が重要ということのようです
「You are what you eat…あなたの食べたものがあなたになる」という言葉どおり、ストレスを感じながらイライラしながら腹8分目、カロリー制限にこだわるよりも、何を食べるかにこだわったほうが、若々しい見た目を保ち、寿命を延ばし、病気を予防するのには効果がありそうです。
なぜなら私たちは食欲とは縁を切ることができないからです。食は人と人とのコミュニケーションにも欠かせません。食べる喜びや食べる自由は、人に生きる幸せを感じさせてくれます。「あなたが口に入れたものが、あなたの体をつくる」そう考えれば、体に悪そうなものや、肌を汚してしまうような食事は口にしなくなるはず。