2.5世帯同居の親世帯は、晩婚化、非婚化の流れと離婚の増加で、60代の父母と、最近LITS(Living Together Singleの略)と呼ばれ始めた単身の子が同居する世帯が中心です。この「親と単身の子」の世帯は、2010年の国勢調査では「夫婦のみ」よりも多くなりました。二世帯住宅の親世帯では今まで標準的と考えていた両親2人、あるいはそのどちらか1人に加え、親世帯が3人以上の場合も当たり前の時代が来たのだと考えられます。
 
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図1:親世帯の多様化による2世帯同居の形



同居シングルは、「パラサイトシングル」という言葉で表現されることがありますが、実態は親に経済的に依存している人たちばかりではなく、親世帯と生活を重ねつつも自立できる収入を持つ場合も多くあります。
完全に独立して暮らしているわけではないけれど、こどもの頃のような親との関係ではなく、自由に生活もしたい。家族と一緒に住みながら、家族の一員としての役割を果たし、困ったときは助け合って生活したい。そういう人たちを「0.5世帯」と考えて、二世帯同居に加わると考えたのが2.5世帯同居です。

 

珍しくなくなったアラフォーの単身者

では、どうして2.5世帯同居は注目されるようになったのでしょうか。最も大きい要因は、40歳で独身であることが珍しくなくなったからでしょう。

40年前の1970年には、30代後半の未婚率は男5%、女6%に過ぎませんでした。ところが2010年では男36%、女23%に達しています。男性では3人に1人以上、女性でも4人に1人は独身ということになります。これは未婚者、すなわち結婚したことがない人の比率であり、離婚した人が単身者となってこれに加わる分はカウントされていません。データを調べて離婚率を結婚率(共に人口千人当たりの件数をいう)で割り算してみると36%、すなわち3組結婚するごとに1組以上が離婚している、というのが現代の社会です。
近年婚姻率が減少傾向にある一方で、離婚率は増加傾向にあり、婚姻件数に対する離婚件数の割合は年々、上昇しています。離婚して「実家に戻る」ことも珍しくなくなっているのでしょう。
 
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図2:35-39歳未婚率

 
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図3:離婚率/婚姻率の比

 

単身の子と住む親世帯が増えている

晩婚化非婚化のトレンドは、二世帯住宅の親世帯の類型に大きな変化をもたらしました。親世帯の中心的世代である60代の世帯主の世帯類型の推移を見てみると、二世帯住宅が多かった90年代は「夫婦のみ」の世帯数が大きく伸びていますが、その後は伸びが鈍り、2010年には「親と単身の子」の世帯数に抜かれてトップの座を明け渡しました。60代では夫婦のみや、単独世帯よりも「親と単身の子」が多い、という社会になっています。
今までの二世帯住宅は、親世帯が「夫婦2人」または「ひとり親」を想定していましたが、親世帯が二世代以上、3人以上のケースを考える時代に来た、ということだと思います。また、さらに祖母が居るケースなど、親世帯だけで三世代・二世代の構成となっているケースも増加に転じています。
 
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図4:60代世帯主の世帯類型の推移



では、このような住まい方をしているのは、どのような家族なのでしょうか。今までの二世帯同居との違いは何でしょうか。次ページで分析してみたいと思います。