二世帯住宅はなぜ生まれたのか? その時代とは

「二世帯住宅」という言葉は、今では一般的に見聞きする言葉です。二世帯住宅という住まい方も、世の中に広く定着しているように思います。
旭化成ホームズが二世帯住宅を業界で初めて商品発売したのは1975年。当時は、親子同居といえば、大家族制度のもとでの「べったり同居」が主流でした。しかし、核家族ニーズが高まり、新しい同居スタイルが求められていた時代でもあります。その中で、従来の「べったり同居」ではよく聞かれた「嫁・姑問題」を解決しながら、快適に住まえる新たな住まい方として誕生したのが「一つ屋根の下で暮らしを分ける」というコンセプトの「二世帯住宅」という住まいなのです。

1975年に二世帯住宅を商品発売した背景

同じ屋根の下に暮らしながら、それぞれの世帯で独立した暮らしができるのが二世帯住宅。それまでのべったり同居とは大きくイメージが異なりました


親子の暮らしを分けた「二世帯住宅」という新たな住まい方が誕生して40年の時が経ちました。旭化成ホームズでは、今後の二世帯住宅に活かすため、「二世帯住宅研究所」にて『30年暮らした家族による二世帯住宅の評価と住まい継承の実態』という調査を行い、2015年5月、調査報告書を発表しました。
実際に二世帯住宅に約30年暮らした人たちは、二世帯住宅をどのように感じているのでしょうか。この調査から、二世帯住宅の満足度についてお話したいと思います。

30年間で家族はどのように変化してきたのか?

まず、二世帯住宅で、一つ屋根の下で暮らしを分けた家族が長い年月を経て、どう変化していったのかを見てみましょう。

30年が経過しているので、子世帯は、建設当時の親世帯の平均年齢(父66.6歳、母61.9歳)近くに達し、既婚の孫は建設当時の子世帯の平均年齢(夫37.2歳、妻33.8歳)とほぼ同じになっています。

建設当時では、二世帯住宅に住んでいる親世帯と子世帯(孫含む)家族の平均同居人数は5.5人でしたが、30年後の現在では、親世帯の逝去や孫の独立などによって平均3.5人へ減少しています。

親世帯が逝去した後の二世帯住宅の使われ方の一つとして、孫への継承が考えられますが、実際にどの位の家族が二世帯住宅を孫の世代へと住み継いでいるのか、これまであまり明らかにされていませんでした。今回の調査で、親世帯が逝去した場合に、結婚して世帯を持った孫が自身の親と二世帯同居し、既に「孫世帯継承」されている割合が24%に上っていることが分かりました。なお、晩婚化の影響からか、未婚の孫がいる割合が約5割と高いことや、「孫世帯継承型」の中には、未婚の兄弟姉妹が一緒にに暮らすいわゆる「2.5世帯」が含まれていました。

親世帯+子世帯(孫含む)の家族構成変化パタン

30年経った現在も親世帯と同居継続されている家族が44%いること、そして、親世帯が逝去されている場合でみると、結婚して世帯を持った孫が二世帯同居している「孫世帯継承型」が24%に上ることがわかりました


次ページでは、実際に二世帯住宅に住み続けてこられた家族の方の声や、次世代へと住まいが継承されていく理由を紐解いていきましょう。