二世帯住宅で育った孫による祖父母同居満足度は9割
今回も、前回に引き続き、「二世帯住宅研究所」が行った『30年暮らした家族による二世帯住宅の評価と住まい継承の実態』の調査をもとに解説していきます。『経験者の91%が「満足」と答える二世帯住宅 その理由』で、30年間二世帯住宅に住み続けた子世帯の満足度は91%と、非常に高くなっていることをお話しました。さらに、当時二世帯住宅で祖父母と同居していた“大人になった孫”(同居している単身の孫で平均年齢31歳、同居している既婚の孫で平均年齢39歳の方々)の皆さんにもアンケートをお願いして、二世帯同居に対する満足度を調査したところ、90%という高い割合で、二世帯住宅は孫の代まで非常に高い満足度があることが明らかになりました。この、二世帯住宅で育ち、“大人になった孫”の皆さんから二世帯同居の評価を得られたことは、今回の調査の大きな特徴です。
では、この“大人になった孫”は、祖父母とどのように交流して、どのような点で二世帯住宅での暮らしに満足を感じているのでしょうか。

二世帯住宅は情操教育に効果あり?
二世帯住宅において、祖父母と同居して交流することでよかった点を“大人になった孫”に具体的に聞いてみたところ、上のグラフのようになりました。
子世帯・孫ともに「年配者と自然に話ができるようになる」「高齢者に優しい子になる」といった点を高く評価しています。その他にも、「挨拶ができ礼儀正しく育つ」ことも挙げられ、子世帯・孫ともに祖父母との同居を評価している理由となっているようです。
前述したように、孫による祖父母との同居満足度は9割と高い数値です。これらの調査結果を総合して分析すると、祖父母との二世帯同居は、主に孫の情操教育の面が評価されていることが分かります。子世帯からみても、祖父母(親世帯)と同居して育った孫自身からみても、祖父母と二世帯同居することは非常に高く評価されているといえるでしょう。
次ページでは、親世帯のサポートを積極的に行う孫について、具体的な同居生活のエピソードを交えてお話ししましょう。