子世帯の夕食を準備するのは誰か
子世帯の夕食は子世帯で準備するのが当たり前に思えますが、二世帯同居では様々な形で親世帯が関わります。「子世帯の夕食を誰が準備するか」を尋ねると(図1)、息子夫婦同居で子世帯が専業主婦の場合は「子世帯妻が毎日作る」が8割と圧倒的多数派ですが、共働きになると母集約型、母協力型の比率が増え、娘夫婦同居で共働きの場合は「毎日は母が作る」と「大体母が作る」の母集約型の合計が5割を超え、「夕食準備は母に任せる」共働きスタイルが半分近くという結果となりました。共働きの場合、子世帯妻の帰る時間が遅いので、それから夕食を作っていたらかなり遅くなってしまいます。そのような時、孫が親世帯と先に食事できるのが同居のいいところです。孫が誰と夕食をとっているか、を尋ねると(図2)、共働きの場合特徴的に「親世帯と孫」の、すなわち子世帯夫婦抜きの組み合わせが多くなっています。
どういう家族が「家事融合」するのか
「夕食準備を母に任せる」融合スタイルが生まれる背景には、帰宅時間などの理由からやむを得ない面もあるのでしょうが、元々同居生活を一緒にしたいという融合志向を持っていることが大きいと思います。独立と融合のバランスをどうしたいのか、という同居生活のあり方を尋ねた質問では(図3)、同居家族の構成や状況によって、独立志向が多いか、融合志向が多いかが分かれてくる様子が描き出されました。
最も独立志向が強いのは、「息子夫婦同居」、で親世帯が「両親」揃っており、子世帯妻が「専業主婦」の場合です。これがそれぞれ「娘夫婦同居」「片親」「共働き」といった条件に代わって行くにつれ、融合志向が強まってきます。この3つの条件はいずれも最近増加傾向にあるもので、これからは融合志向の強い二世帯同居が増えていくのではないかと思います。
次ページでは、融合志向の中にある「別々のこと」に注目します。