2.5世帯同居しているのはどんな人達なのか
ヘーベルハウスのアンケート回答者において2.5世帯同居と通常の二世帯同居を比較してみると、2.5世帯同居は息子夫婦同居の比率が高く、83%に達しています。通常の二世帯同居では約7割ですから、かなり多いと言えるでしょう。また、2.5世帯同居の単身の兄弟姉妹ですが、兄弟が39%であるのに対し、姉妹は63%を占めています。足して102%となるのは、兄弟・姉妹両方が居るケースが2%あったからです。このうち、婚姻経験のある方が11%含まれており、離婚者が戻ってきていることが示唆されます。なお、既婚者で単身赴任等のために単独で生活しているケースも考えられますが、今回は該当する方が居ませんでした。
国勢調査をベースにすると、単独世帯でない、誰かと同居している30代後半の単身者はむしろ男の方が多いので、この調査で女性の方が多いのは、ヘーベルハウスの特徴なのかも知れません。
さらに、建設前に同居していた家族と別居していた家族を調べると、親世帯と単身の子が以前から一緒に住んでいるのが全体の93%を占め、逆に子世帯は別居から同居へと移行するパターンが87%を占めます。つまり典型的なのは、親世帯と単身の姉妹が住んでいる家に、結婚して一度独立した息子夫婦の子世帯が戻ってくるために建て替える、というパターンということになります。
では、なぜこのような組み合わせが多いのでしょうか。
私の考えでは、単身の姉妹が多いのは、女性の方が一人暮らしのハードルが高いからではないかと思います。東京は全国的に見ておそらく最も女性の一人暮らしがしやすい都市だと思いますが、地方都市ではまだまだ賃貸市場が小さく、女性ひとりで暮らすことに向いた住戸が少ないのではないかと思います。社会的にできれば親元から、という空気もあるでしょう。
そして、息子夫婦同居が多いのは、女のきょうだいが親元にいても、結婚して出て行くかもしれないから、いずれは男である自分が同居する、という意識が働いているようです。この「いずれ同居するつもりでした」という声は訪問調査等で子世帯の夫からよく聞きます。
このような意識での家づくりは、以前であれば単身の姉妹は独立することを前提にした小さな部屋を与えられるか、将来子ども部屋にする部屋をとりあえず使わせてもらう、という考え方が支配的でした。しかし晩婚化・非婚化が進んだ今、単身者がそこにずっと住み続ける、という事例も身近にあるので、その可能性も考えなくてはなりません。ならば、ずっと住み続けられるような家を作ろう、というのが2.5世帯住宅の考え方です。
親世帯から半分独立した存在と考え、結婚しなくても0.5世帯なのだ、という発想が、これからは求められていくのではないでしょうか。
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