シングルモルト新世界の誕生
シングルモルトウイスキー山崎(新山崎)
今回は2回にわたってじっくりと紹介してみたい。
新山崎、新白州のどちらも700ml、¥3,500(350ml・¥1,750/アルコール度数43%/価格は税別)。とてもリーズナブルな価格だ。
皆さんご承知のとおり既存製品にそれぞれ10年、12年、18年、25年があり、この新製品はノンヴィンテージで最低熟成年数の表示がない。
以前,このサイトの何かの記事でヴィンテージが製品開発の足かせになることもある。熟成年数にとらわれないほうが新しいウイスキーの香味開発につながることもあるだろう、と書いたが、そういう意味ではわたしは新山崎、新白州を歓迎している。こういう製品が受け入れられていけば、ウイスキーの香味の世界はより広がる。
読者の中にはすでにイベントやセミナーを通じてテイスティングされた方もいらっしゃるだろう。おそらく、なんと口当りのいい、飲みやすい味わいなんだ、と思われたはずだ。
2製品ともストレートでクィッといける。人気の飲み方ハイボールにすればサラーッと口中を駆け抜けていく。
香味の厚みやまったりと深い熟成感での陶酔を好む、昔からのウイスキーファンには軽快過ぎると感じられるかもしれない。でも、わたしは新世代シングルモルトの誕生を予感するし、12年、18年の深みとはまた異なる、軽やかさのなかにある複雑微妙な香味の世界が生まれて嬉しい。やはり味わいの両極が存在することでウイスキーの愉しみ方も広がっていく。
食前、食中代表シングルモルトとなれる
シングルモルトウイスキー白州(新白州)
新山崎。香りは山崎モルトらしい華やかさ、しなやかさがある。味わい甘くなめらか。キーとなっているのは山崎ならではのミズナラ樽熟成モルト、フィニッシュにワイン樽で熟成したモルトのふたつ。なかなかに贅沢なスペックである。
新白州。香りはシトラス・ミントのみずみずしいフレッシュな感覚にあふれている。味わいは軽快で爽やかでキレがいい。ほのかなスモーキーフレーバーのライトリーピーテッド麦芽を使用したモルト原酒をキーにしていて、フィニッシュにかすかにそれが感じられる。
わたしは食前、食中にハイボールで試してみることをすすめる。どちらもどんな料理とも合うのではなかろうか。また自宅で軽く酔いたい。オン・ザ・ロック、水割りでも、というときに最適だ。決して構えて飲むものではない。
とにかく5月29日発売されたら、すぐにでも買い求めて試していただきたい。
では、次回は新山崎、新白州のテイスティングノート。近々にアップする。
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