80歳90歳を超えても美しい京都の芸妓さん……美容の秘訣は?
先斗町の舞妓さん、芸妓さんの艶やかな着物姿。写真を撮るときのポーズもバッチリ決まっています!
その秘訣は、若い頃から「美しさを保ち続けよう」とする日々のちょっとした努力にあります。
今回は、そんな舞妓さんや芸妓さんのアンチエイジング法についてご紹介します。
舞妓さんの美容の秘訣:不規則な「夜型生活」に注意する
夜型の生活で食事が不規則にならないように「夜食太り」にも注意しています。
舞妓さんはさまざまなお稽古があり、言わば修行の身。基本的にお休みは月に1 日程度で、踊りや茶道、華道などを習得するために日々がんばっています。
舞妓さんや芸妓さんの1日の生活パターンをご紹介しましょう。
- 9時起床
- 11時~14時 踊りなどの稽古・軽い昼食
- 14時~17時 自由時間(お座敷の時間によってはもっと短いことも)
- 17時~18時 化粧・着付け・身じたく・軽い夕食
- 19時~ お座敷などで仕事・夜食をいただくことも
- 深夜~ 帰宅・化粧落としなど
- 午前3時 就寝
ざっとこんな感じで、まさに夜型で、気がつくと朝寝坊になってしまうそう。でもそうなるとさすがに肌の調子が悪くなり、気分もスッキリしないそうで、美容と健康のためには、「朝ちょっと無理をしても早めに起きる」ことが大切だそうです。
朝の光で目覚めることで乱れた体内時計も正常になります
私たちの体は、朝の光を眼がキャッチするとセロトニンが分泌され活動的になり、暗い夜になるとメラトニンが分泌されて眠くなるように体内時計がセットされています。メラトニンやセロトニンは美肌を作るホルモンとも言われますから、太陽に逆らわずに、朝の光で目覚めるように心がけたいものです。
舞妓さんや芸妓さんは、仕事上、なかなか朝陽とともに起きることは難しいのですが、美容上、そしてアンチエイジングのために、なるべく朝早めに起きて、夜型の生活にならないように心がけているのです。
舞妓さんの美容の秘訣:舞妓さんおすすめの食事
舞を披露したりお座敷の場を楽しい雰囲気にするために一生懸命です!
夜のお座敷では、舞を披露したり、座を盛り上げるために、お客様とお話をしたりお酌をしたりと、柔軟な対応が求められます。
お座敷では、食べ物は口にしませんが、成人を過ぎると、お酒をいただくこともあります。場合によっては、お座敷の後に、お客様と一緒に夜食を食べに出かけたりもします。そうなると、一番気になるのが、食事のカロリーです。
お酒や夜遅くの食事は体重オーバーと老化のもとになるので、注意しているそう。前日飲み過ぎ、食べ過ぎたら、翌日の昼のごはんなどで早めに調整するそうです。
やはりどの舞妓さん、芸妓さんに聞いても、「夜食は太る!」と言います。特に炭水化物がクセモノで、京都はおいしいごはん屋さんが深夜まで営業している事が多いので、その誘惑に負けないことが大切だとのこと。
でも、お客様の手前、無下に断るわけにもいかないので、メニューを選ぶときは「野菜が多めのもの」や「カロリーが低そうなもの」を選ぶそうです。京都には京野菜を使ったおばんざいがいっぱいあるからメニュー選びも楽ですね。
ついつい夜食を食べてしまいがちですが、夜10時以降に、たくさん食べてしまわないこと。どうしてもおなかがすいた場合は、玄米粥やおそば、野菜たっぷりの全粒粉のパスタなどを少しだけ頂きましょう。低脂肪乳のホットミルクにハチミツなどを入れたドリンクもおすすめです。
プライベートで食事をするときも野菜や豆腐など体にやさしいものを中心にいただくそう。
もちろんプライベートで食事をするときも、胃や肝臓にやさしいものを食べるように心がけているそうです。京都の花街近くのごはん屋さんには、体にやさしいメニューが自慢のお店がいっぱいあるのは、舞妓さんや芸妓さんのお陰かも知れませんね。
舞妓さんの美容の秘訣:着物で体重を「パトロール」
着物は自分の体重管理にとても役立つそうです。帯がきついと感じたら、すぐにプチダイエット開始!
舞妓さんや芸妓さんは基本的に和服で生活しています。着付けもプロの着付師さんにキレイに着つけてもらいます。帯は息苦しくはありませんが、適度にお腹まわりを締めるので、食べ過ぎが続いたりすると、帯を締めるだけで「ちょっと太ったかなあ?」と感じるそうです。
体重を上手にコントロールするには、着物は最適だそうで、ちょっときつくなったら、早めにダイエットをしてベストな体重に戻すそうです。
年配の芸妓さんに聞くと、「50年間、体重が変わっていない」という方もたくさんいます。さすがプロ! 体重管理はアンチエイジングにとても大切ですね。
私たちも、ウエストを隠した服装ばかりでなく、時には緊張感をもてるボディラインを強調した服装などにも挑戦して、自分のボディラインのエイジングに目を背けないようにしましょう。
舞妓さんの美容の秘訣:白塗りの後のスキンケア
白塗りは肌に負担が大きいため、仕事が終わったら念入りに落とすそうです。
舞妓さんはほぼ毎日、顔、首などを白塗りします。みなさん手早く30分程度でお化粧をするそうですが、白塗りはやはり肌に負担をかけ、最初のうちはかぶれてしまうことも多いようです。
でも毎日、鏡に向かってていねいに白塗りすることで、自分の肌のコンディションをしっかりとチェックすることができ、悪いところがあれば食事や睡眠などで改善するそう。お座敷が終わり、帰宅するとまず最初にするのが着替えとメイク落としです。
皆さんもぜひ、毎日の肌チェックを怠りなく行い、ウィークポイントを見逃さないようにしましょう。
京都の澄んだ水は舞妓さんたちの美肌にも効いているのでしょうね。
白塗りの化粧は油をたくさん使っているので、きちんと落とさないと、ニキビや肌荒れ、クスミの原因になるので、どの舞妓さん、芸妓さんに聞いても、オリーブオイルや椿油などのオイル系のクレンジングで、ていねいに白塗りを落とすことには、手を抜かないそう。
さらに京都のお水は、肌に優しいので、朝起きたら、冷たい水で肌を潤すことも重要。自分たちの生活をさせてくれる京都の水で、肌を目覚めさせ、感謝の気持ちを込めるのも、素敵な習慣ですね。
白塗りを落としても、白い肌に血色の良い赤い唇が映えるように、毎日、自分の肌をチェックして労ることも彼女たちの大切な身だしなみなのです。
舞妓さんの美容の秘訣:お座敷での会話で脳を刺激!
聞き上手、話し上手で、頭の回転が速い舞妓さん、芸妓さん。脳のアンチエイジングには巧みな会話術が一番効きそう!
舞妓さんや芸妓さんは、どんなお客様が来ても心から楽しんでもらうために、聞き上手・話し上手でないといけないのです。そのため彼女たちは、ニュースをみたり、新聞を読んで、世の中の動きをキャッチし、芸術やエンターテインメントにも知識が豊富。10代の舞妓さんたちも、とても会話が上手です。つまり「頭の回転が速い」のです。
どんな人とも会話が成立するように、知識の幅を広げ、知らないことに耳を背けずに、興味や関心を持って話を聴くことが、彼女たちを内面的に成長させ、女性としても美しさをさらに高めているのでしょう。
芸妓さんたちの話題の豊富さや会話の巧みさは、まさにアンチエイジングです!
年配の芸妓さんと話をしていると、とても謙虚で、話を聞き出すのがお上手で、すごく勉強になります。「人を心地良くさせる会話の方法」をたくさん身につけていらっしゃる芸妓さんたちの脳は、きっとビッシリと詰まって若々しいと思います!
舞妓さんの美容の秘訣:京都の年中行事で気持ちを引き締める
着物、かんざし、帯なども季節によって衣替えが。季節の行事も多く、それによって気持ちがリフレッシュするそうです。
京都の花街には、季節に合わせていろいろな行事があります。着物や帯、かんざしなどの髪飾りなどの種類も、夏物、春秋物、冬物などがあって、季節ごとに異なります。単
調な日々の生活の中で、季節のリズムを感じて生活することは、新しいスタートを切ることにもなり、すごく素敵なリフレッシュ法です。舞妓さんや芸妓さんたちも、季節が変わってかんざしが新しくなったりするのを、とても嬉しそうに心待ちにしています。
こういうちょっとしたウキウキ感を忘れないことが、心の若さを保つことではないでしょうか? 私たちも、もっともっと季節を感じるファッションや生活を楽しんでみたいものです。
舞妓さんの美容の秘訣:感謝の気持ちを言葉に表す
「おおきに」という感謝の気持ちを忘れずにいるそうです。
舞妓さんや芸妓さんは独特の言葉で私たちを和ませてくれます。「おおきに」という言葉は、彼女たちが頻繁に使う美しい言葉です。感謝の気持ち、相手を思う気持ちを表す「おおきに」という言葉は、舞妓さんや芸妓さんが大切にしている言葉。
自分たちが、京都の花街という伝統ある場所で生活し、伝統を受け継ぐ修行ができることに感謝して、一日を大切に生きることが、時間を無駄にしない、人生を大切に生きようという前向きなエネルギーになっているような気がします。
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