リーダーシップと「心・技・体」について
リーダーシップと「心・技・体」
<目次>
「心・技・体」でリーダーシップを考える
テニスのスーパーショットは、日頃のたゆまないトレーニングでいい筋肉を維持管理している体(体力)、場数や経験により培われる心(瞬時の状況判断力)、練習により培われる技(技術力)が三位一体となって生まれます。日本のプロサッカーの第一人者で今も現役選手としてサッカー界をリードしている三浦知良選手も、「ゴールとは心技体の結晶である」というテーマで日経新聞のコラムを書いておりました。
ビジネス界も帰属社会から契約社会へシフトしつつある日本において、それぞれの業種や職務におけるプロがますます求められています。今回は成果を出すプロとして生きるための指針を「心・技・体」という切り口で考えていきます。
まずは自分をリードすることから始めましょう。
体でリードするということ
体調がベストコンディションでなければ成果は出ないもの
いくら逸材の方でも体を壊してしまえば戦略外通告を受けてしまいます。そういう意味では、プロとして基本的な自己管理能力という意味合いで捉えましょう。
体力や健康維持管理における自分自身のルーチンを決め、あとは規則的に生活すること。エグゼクティブになる方はフィジカルもメンタルも強いものです。
以下、参考までに明日からできるお薦めの行動習慣を記述しておきましょう。
- 朝一番で、体重計に乗り、体重と体脂肪をカレンダーに毎日記録する
- 適度な飲酒を心がける。深酒はせず、一次会で帰宅する
- 生活の中に有酸素運動-歩くことを取り込むようにする(例えば、歩数計を持ち、毎日1日1万歩を目標に生活する)
- 就寝前や起床後のストレッチや腹筋運動や腕立て伏せを日課とする
技(スキル)でリードするということ
今のことを主体的に取り組んでいるかかどうかで、将来の成長具合が変わってくる
それは仕事への取り組み姿勢です。ただ漫然と言われたことをこなすのではなく、主体的に取り組んでいるかどうかの違いでしょう。その前提として、自分の中長期的なキャリア目標を持っているかどうかです。その目標に向けて、今の職務をいついつまでにマスターするというアクションプランが自ずと策定できるのです。実務能力や専門能力が向上し、いつでも成果が出せる状態になれば、依存から自立のステージとなります。このステージが世間一般では管理職ということになります。
キャリアを構築し転職を含め次のステップを考えた場合、最初の会社でこのレベルまで辿り着くことがキャリア戦略上必要条件といえるでしょう。ガイドの私はヘッドハンティングの仕事をしておりましたが、職務経歴書を見るポイントの1つでもあるのです。
どんな組織でも構造的には変わりません。すぐに諦めるのではなく、まずは石の上にも3年を肝に銘じて、いち早く管理職になることを第一目標として腰を据えて取り組みましょう。
心(マインド)でリードするということ
体や技は自分をリードする部分が大きいのですが、心については人をリードする部分に直結します。人を統率することがリーダーシップですが、まずは前提として「あの人はできる人だ」とその分野における技能の卓越性が求められます。その技術に憧れの念を持つのです。クリエーターの世界では、人々を魅了する作品を創作する人の下に弟子入りします。憧れの師匠から技を盗んでいくわけです。そして、一定の経験を積んで自立のステージに上がると独り立ちしていきます。ただし、技のみでリードする場合、小さな所帯は統率できますが大きな所帯は統率が難しいでしょう。
ここで必要なのがマインドです。心でリードするということは「あの人はできた人だ」という人柄や人間性、人間的な魅力を意味します。同じことを発しても、あの人の言葉は自然と受け入れられる、あの人の言葉は何か胡散臭いと評価が分かれるもの。その人を信頼できるかどうかは、基本的な行動の積み重ねでしょう。次頁に、「信頼を獲得するための7つの習慣」を記しましょう。
信頼を獲得するための7つの習慣
エグゼクティブを目指すなら、人間力を磨くことが必要です
■信頼を獲得するための7つの習慣
- 必ず、約束や時間を守る
- 嘘をつかない、正直である
- 他責(例:他者や環境が悪い)ではなく、自責主義である
- いつでも行動規範、軸がぶれない
- つまらないことで怒らない、いつも温厚である
- 無私の精神を持ち、常に組織やチームのことを優先的に考える
- 魅力的なビジョンを描き、それを適宜メンバーにコミュニケーションしている
技(スキル)と心(マインド)を持ち合わせた人材を目指そう
以上のように、心・技・体という切り口でリーダーシップを捉えました。樹木に擬えれば、体が根の部分、心が幹の部分、技が枝葉の部分となります。今のような経営環境下、短期的な成果が問われる傾向があるのでどうしても技偏重になりつつあります。構造的に頭でっかちとなり、いささかバランスが悪いものです。一般職の場合は技を獲得することに注力していけばよいのですが、管理職の場合はスキル1、マインド3程度が理想的でしょう。経営職になれば、スキル1、マインド10くらいのイメージです。それくらい大きな組織を統率するには専門力以上に人間力が求められるのです。では、どういう方法で人間力を磨いていくかを考えてみましょう。
大きな組織を統率した歴史上の人物の伝記や財界のトップのキャリアを描いた本も参考になるでしょう。先の記事「象徴的なリーダーからリーダーシップを考える」でも掲げましたリーダーは次の方々です。
小泉純一郎、星野仙一、カルロスゴーン、松下幸之助、本田宗一郎、田中角栄、野村克也、織田信長、坂本竜馬、イチローなど(敬称略)
文献以上によい教材は、やはり身近な魅力あるリーダーと接すること。朱に交われば赤くなるもので、そのような方と交わることで人間形成上大きな影響を受けます。その人と会うと、何か元気が出る、気を貰えるような方を探して下さい。周りにいなければ、自分にとってのモチーフになるような魅力的な方を見い出し、当たって砕けろの精神で様々な手段を使ってアプローチされるのもよろしいかと思います。
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