ビジョナリー・リーダーシップ、つまり、ビジョンをベースとしたリーダーシップがいかに重要であるかを今回は考えていきたい思います。

リーダーが魅力的な存在ではなくなった現実

ビジョンはリーダーとしての最低必要条件である

ビジョンはリーダーとしての最低必要条件である

コンサルティングの仕事の一環でクライアントの若い社員の方へインタビューをすると、このところ「管理職に魅力を感じない」「できれば責任が求められる仕事はしたくない」というような答えをいただきます。

ガイドの私が新卒で入社した頃は1980年代の成長期であったため、ガツガツした肉食系の社員が多かったものです。課長の椅子、部長の椅子、それなりに魅力的で「いつかは自分も……」と考えていたものでした。

ガツガツ感は消え失せ草食化している今日、成長途上にある諸外国の留学生などの若者と接すると気を感じます。言葉のハンディキャップはあるもののマインドがしっかりしているので、日本企業も積極的にグローバル人材の獲得に向け積極的に採用し始めました。

一昔前までは、部下を持つラインの管理職になっている方は魅力的な方が多かったと思います。成果主義や組織のスリム化の影響で、管理職と言えども、現在ではプレイングマネージャー的な存在の方も多く、自分のことで精一杯で、部下育成に時間をかける時間的・精神的余裕もなくなっているのが現実の姿でしょう。

このように、かつての魅力的な存在が疲弊感・疲労感・閉そく感の象徴としての存在に変わってしまいました。このような環境の下では、部下のモチベーションは上がらず、やる気のある組織にはならないものです。結局のところ、組織はリーダーで決まるといっても過言ではないでしょう。例えば、業績が上がらないコンビニエンスストアで店長を変えると3ヶ月程度で劇的に業績は変化するものです。リーダーである店長で決まるということです。

有事では強力なリーダーシップが必要

今、日本は大変な状況に置かれています。特に、大震災後の原発の問題は世界的にも関心を集めています。単純に全てを止めるという選択をとった場合、諸々の考えられるリスクを検討すればおのずと現実的でないと考えられます。有事である状況下、迅速かつ的確な意思決定が必要なところ、調整、調整の繰り返しで、平時での対応となんら変わらないように映ります。

判断が遅れることにより、1日単位でも膨大なコストが発生しています。まさに、強力なリーダーシップが求められる状況です。現状を把握し、アクションプランの選択肢を吟味し、迅速な意思決定をすることです。同時に、リーダーはそれをメンバーに示し、納得をきちんと得ることです。日本のリーダーは納得性のある明確なビジョンを示せていない状況ですが、会社や部署単位で見ても実はビジョンを示せていないリーダーが実に多いものです。

ビジョンを示すことが強い組織を作る

やる気のある組織を作るには適材適所を実現すること、つまり、やりたい仕事・できる仕事と、実際に任せる仕事を一致させること(適材かどうかという視点)、組織内で良好な人間関係を築くこと(適所かどうかという視点)の両面を最適化することが重要です。これが実現できれば、相乗効果を生み、1+1が2以上の力を発揮できます。

また、パーソナリティーの側面では異質なタイプの人を組み合わせることがシナジーを生みだすことに直結します。ただし、シナジーはマイナスに作用することもありますので、プラスに働かせるためには何かが必要です。何でしょう?

リーダーがビジョン、つまり方向性を示すことです。