グローバルリーダーの為の人材育成

グローバルリーダーの為の人材育成

グローバル社会となり、日本においてもこれまでとは違うリーダーが必要になってきました。大手企業はマーケット縮小傾向にある日本から、アジア諸国や新興国市場へ戦略がシフトした結果、現地できちんとマネジメントできるグローバル人材の養成が急務になっています。

日立製作所、PANASONIC、楽天、ファーストリテイリング、大手総合商社など、このところ外国人を積極的に採用しています。このような状況下におけるグローバル社会でも活躍できるリーダー人材の要件を考えてみたいと思います。

以下の7つの能力や特性がグローバルリーダー要件として挙げられます。
   

グローバルリーダーになるための要件1:仕事力

グローバルリーダーとは

根っこの部分は同じ、フランクに付き合おう!

まず、大前提として、卓越したレベルの仕事力です。これまでの経験と実績に基づく実務能力を意味します。記事「リーダーシップと心・技・体」に書きましたように、卓越した技量でリードすることは組織を統率する上での必要条件です。まずは仕事における実績作りに励んで下さい。国内で評価されない方が国外で評価されることはそもそもありえないことです。

ジャンルは違えど、イチロー選手のような圧倒的な技量を持てば、言葉の壁があっても人をリードできるものです。
 

グローバルリーダーになるための要件2:英語力

諸外国の方々ときちんとコミュニケーションを取る能力が必要です。世界共通言語といえる英語力は必須要件です。日本では大手企業を中心に、英語によるコミュニケーション能力を測定するTOEICが採用されていますが、まずは600点、次に730点、さらに860点とハードルを設定されるといいでしょう。

ガイド個人ブログ内「TOEICスコアとビジネス基礎力の関係は?」で示した通り、TOEICスコアとビジネス基礎力とは相関関係があります。ビジネス基礎力とは仕事力のことです。どの会社においても必要不可欠な普遍的な能力で、構成要素としてはリーダーシップ能力、マネジメント能力、情報収集能力、プレゼンテーション能力などです。

英語力を上達するには何よりも毎日毎日の積み重ねが重要です。このような行動習慣が身についてこそ得点も向上していきます。ビジネス基礎力(仕事力)も然り。そういう意味では、英語力を上げることは間接的に仕事力全体を上げることを意味し、一石二鳥といえるのです。
 

グローバルリーダーになるための要件3:異文化適応能力

ところ変われば、文化は違うもの。まずは違いを受け入れよう。

ところ変われば、文化は違うもの。まずは違いを受け入れよう

英語力以外の広い意味でのコミュニケーション能力と考えて下さい。女性や障害者や外国人採用などで、Diversity(多様性)という言葉が昨今よく耳にしますが、違いを認め、受け入れる能力を意味します。

国や地域によって商習慣やビジネスマナー、契約の考え方など、大きく異なります。この能力は諸々の書物から知識を得ることも然ることながら、ある一定の期間以上の海外赴任や海外留学での生活経験から培うことができます。

今後の大学教育において、グローバルリーダー人材を本腰で育成するということであれば、例えば、最低1年間の留学経験を卒業要件に入れるなど仕組み化すべきでしょう。ガイドの私も学部時代留学をしましたが、自立するための様々な能力を統合的に身に付ける絶好の場だと思います。

以前、日経新聞に文部科学省の調査記事が掲載されました。海外への留学者数をピーク時と比較すれば、約70%と下降傾向にあります。内向き志向が続き、温室育ちではグローバル競争下では勝ち残ることができません。かつて韓国は国策として英語力の強化を打ち出し、TOEFL(海外留学するための国際標準的な英語テスト)の国別平均値を見れば一目瞭然で、30年前は日本とほぼ同じレベルだったのが、今日では大きな差となって現れています。

30年前、ガイドは学部留学しました。「金曜日夜遅く図書館に行くと、韓国人しか残っていないぞ!」というアメリカ人から揶揄されていたように、キャンパス内で猛烈な勢いで勉強していた韓国人留学生の姿が思い浮かびます。
 

グローバルリーダーになるための要件4:論理的思考力

オープンな環境に身を置け。その方が成長できる。

オープンな環境に身を置け。その方が成長できる。

日本特有の言わずもがな、阿吽の呼吸、暗黙の了解はあくまでもローカルルールです。無限実行ではなく有言実行がグローバル基準であることは肝に銘じましょう。そのためには論理的にわかりやすく表現することは必要条件です。

論理とは言葉と数字から成り立つものですので、あいまい性を排除し、きちんと定量的に表現する習慣を身に付けることです。重要なプレゼンテーションほど、曖昧なところは確実に突っ込まれて質問されます。
 

グローバルリーダーになるための要件5:環境適応力

30年以上前までは海外赴任人事や外資系の日本法人トップの人事において、何よりも英語力が問われました。まずは英語ができることでふるい分けをしたものです。俗に言う、英語屋の時代です。

TOEICのスコアが例え800点以上あっても、異文化コミュニケーション能力が不得手な方もいます。逆に、600点程度でも自己流ながら対等にコミュニケーションを取ることができる人もいます。

その後、仕事力が英語力と同等以上に必要である認識に変わりました。勿論、仕事ができなければリーダーシップを行使することはできません。

ガイドの私はグローバルリーダー人材に相応しい条件をこれまでの高業績者にフォーカスを充て、インタビューやアセスメントテスト等を通じて要件を定義しているのですが、次の要件は性格特性における受容性論理性です。能力というよりも適性と考えた方が妥当でしょう。いわゆる、向き・不向きということです。環境適応力ということに繋がります。

異文化の方々を統率していくためには、考え方の違いを受け入れる受容性と、的確に考えを伝える論理性が高いことが求められます。パーソナリティー(性格特性)の面から、それらに加え、相応の心的エネルギー量(目立ち度)も必要です。
 

グローバルリーダーになるための要件6:首尾一貫性

ビジネスは損得勘定がベースにありますが、だだの金儲けではなく、品格や人格が必要でしょう。よく外資系社員の方はこのIntegrityという言葉を使います。

Walk the Talkという言葉がありますが、率先垂範や有言実行ということ。つまり、首尾一貫しているという信頼性です。これはリーダーの社会性という切り口では切っても切れない重要な要件であると思います。
 

グローバルリーダーになるための要件7:透明性

日産自動車の元役員の方とお話をさせていただきました。カルロス・ゴーンCEO体制で大きく変わったことの1つに「透明性」を挙げられていました。組織を上から下までガラス張りにすることで、社員のマインドの温度差を極小化できることと思います。

JALの子会社の方とお打合せした際も、経営再建で稲盛体制になってから即座に現時点での経営数字が把握できる仕組みになったということでした。問題提起として、いかに末端の社員まで理念教育のみならず、そのマインドを仕組みや仕掛けを通じて、浸透させることができるかが重要であるとのことでした。縦のコミュニケーションをいかに円滑にさせるかが、JAL復活の分水嶺といえることでしょう。

大きな目標を達成するために、事業部単位→部単位→課単位→個人単位まで、目標数字を落とし込み、1人ひとりが一翼としてコミットメントする仕組み化が必要です。

リーダーシップ能力は属人的なもので標準化できにくいものです。誰でもやればできるという仕組み化する能力もこれからのリーダーにはますます必要なものになっていくでしょう。

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