尊敬できるリーダータイプとは?

リーダータイプの人はどんな人?

やる気だけではリーダーシップを発揮できません

みなさんにとって「尊敬できる上司」とはどのような人物でしょうか? リーダーとして、どのような人についていきたいと考えますか? 私は、大きく2つに分けられると思います。

1つめはその人自身の能力が高いことです。ある一定レベル以上の能力がない限り、リーダーというポジションは務まりません。口先だけでものを言うような人には誰もついてきません。

そして、もう1つが「人柄がいい」「人として信頼できる」など、性格的に魅力的な人です。例えば、尊敬できる上司の特徴ランキング(参照:goo ランキング)の1位から10位までを見ると、「責任転嫁しない」「決断力がある」などの他に「信頼感がある」「偉ぶらない」「人間的な魅力がある」など、人間性が重要だと考えられる意見が目立ちます。このように、上司として、リーダーとしてついていきたいと思わせるには、能力面・性格面ともに重要であることが分かります。
 

優秀なリーダーは技と心でリードする

端的に言えば、能力が高い人のことを「できる人」、性格・人柄がよい人のことを「できた人」と呼ぶことができます。優秀なリーダーとはこの両方を兼ね備えた「できる・できた人」のことを指します。読者のみなさんにも、ぜひこの両方を持つリーダーを志していただきたいと思います。

言い換えれば、技でリードするタイプ、心でリードするタイプということです。卓越した技能で引っ張っていくタイプは職人タイプと言えるでしょう。

ある一定の規模であれば務まるのですが、組織が大きくなればなるほど心でリードすることが求められます。課長レベルまでは技のみで通用するかも知れませんが、部長以上になると+αである人間的な魅力が必要条件となるでしょう。 
 

まずは自分と他人の性格特性を把握しよう

リーダーシップの能力は「人との関わりの中で醸成していくスキル」だと考えられます。つまり、対人関係における最低限の人間科学を理解することは、リーダーにとって必要不可欠なことです。

人間科学を理解するために、今回は、心理学で非常に有名な考え方であるエゴグラムを用いて、人のタイプをそれぞれ5つに分類して説明していきます。ここでは、まず自分がどのような性格特性を有しているのか認識します。そして、リーダーとして人を導いていく立場であることを念頭に置いて、他人をリードする場合の1つの参考として、この性格特性データを見ていただきたいと思います。
 

性格特性は「活かす」もの

人はそれぞれ持ち味が違うもの。性格特性を把握して、強みを活かそう!

人はそれぞれ持ち味が違うもの。性格特性を把握して、強みを活かそう!

性格特性は、能力ではなく特性です。特性とは能力と違い、レベルが問われるのではなくてタイプを意味します。能力は伸ばすものであり、特性は活かすものです。遺伝の影響を受ける気質は生来的であり、なかなか変えようと努力しても変わらない、“三つ子の魂、百まで”と言われるものです。

まずは、以下の性格特性テストを用いて、ご自身の性格特性についてチェックし、それぞれの要素を数値化して下さい。そして、得点が高い要素を中心に見ていきましょう。1番目に高い部分、2番目に高い部分というように。自分の性格を理解すること、その特性をどのように活かしていくかを重点的に見ていきましょう。
 

あなたはリーダータイプ?エゴグラムで性格特性を把握

ビジネスのプロフェッショナルとして、まず己を知ることが重要です。以下の質問に「はい」であれば○、「いいえ」であれば×、「どちらともいえない」であれば△を付けて下さい。

■UNIT 1
  • 時間の約束には特に厳しい
  • 小さな不正でもウヤムヤにできない
  • 理想の実現のため着実な努力をしている
  • 他人の言葉をさえぎっても自分の考えを述べる傾向がある
  • 後輩など目下の者を厳しく教育する
  • 他人に対して責任感を強く要求する
  • 他人のミスを厳しく追及、批判することが多い
  • 権利の主張は義務を果たした後だと考える
  • 「こうでなければならない」「こうすべきだ」という表現をよく使う
  • 規則、道徳、論理などは自分の考えより重視する
■UNIT 2
  • 他人に対する思いやりは強い
  • 相手の話に影響を受け共感しやすい
  • 何事にも臨機応変に対応できる
  • 他人の長所を見つけるのは得意
  • 掃除、洗濯、整理整頓がすき
  • 子供や他人の世話をするのが好き
  • 義理や人情といった感情を重視する
  • ボランティアに参加するのが好き
  • 都合の悪い頼まれ事でもなかなか「いや」と言えない
  • 目下の者の失敗には寛大である
■UNIT 3
  • 感情的な会話は少ない
  • 将来の事を冷静に予測し合理的と思う方法で行動している
  • 調子の悪い時は大事をとって決して無理をしない
  • 賛否両論をよく聞き自分の意見の参考にしている
  • 物事の判断はスピーディーである            
  • 行動に際し自分の損得が優先する        
  • 物事は分析的によく考えてからハッキリ決める
  • 仕事は能率的に素早く片づけている
  • 何事も「意見ではなく事実」に基づいて判断している
  • 情緒的というより論理的である
■UNIT 4
  • 欲しいものはすぐに手に入れないと気がすまない
  • 感動しやすく涙もろい
  • 娯楽・飲食などは満足するまで求める傾向がある
  • 深く考えるというより直感で判断することが多い
  • 燃えやすく冷めやすい
  • オーバーな表現や流行語をよく使う
  • 思ったことはすぐ口に出してしまう
  • 怒りっぽい
  • 自分はワガママだと思う
  • 図に乗るとハメをはずし度を越すこともある
■UNIT 5
  • 争ってまで自分の考えを通すのは嫌い
  • 思っていることをなかなか口に出せない事がある
  • 他人の言葉や行動が気になる
  • 少数派になるより多数派でいることの方が好き
  • 遠慮がちで消極的なほうである
  • 八方美人的なところが多い
  • つらい時は動くよりじっとガマンしてしまう
  • 他人の期待に応えるため過剰な努力をすることがある
  • 劣等感を強く感じることがある
  • 人前では、感情をおさえてしまうことが多い
全問回答後、○は2点、△は1点、×は0点として、各UNIT合計値を算出して下さい。UNITの1がCP型、2がNP型、3がA型、4がFC型、5がAC型の値となります。
 

エゴグラムと5つのタイプ

エゴグラムは人間を知る上で有効な手法の一つ。是非とも試みよう!

エゴグラムは人間を知る上で有効な手法の一つ。是非とも試みよう!

エゴグラムとは何かというと、「エゴ」は「自我」、「グラム」というのは「数値的に表わす」という意味です。すなわち、エゴグラムとは自我状態を数値で表したものです。

このエゴグラムは5つの構成要素から成り立っています。順番に、「CP(Critical Parent):厳しい父親の心」「NP(Nurturing Parent):優しい母親の心」「A(Adult):冷静な大人の心」「FC(Free Child):奔放な子供の心」「AC(Adapted Child):従順な子供の心」となり、人間は誰しもがこの5つの心を持っていると考えられます。

得点の高い要素を中心に見ると、自身のリーダーシップタイプが理解できるかと思います。性格特性とリーダータイプは関連があります。例えば、CPが強い人は指示命令を好みますし、FCが強い人は率先垂範を指向します。
 

CP型は決断・専制君主型のリーダーシップ

指導的なタイプで、正義感、使命感、責任感などが非常に強いという特徴があります。判断軸が正、否とあるように、否定されることがストレスの原因となり、それが過度にかかると、指導的であったのが独善的になり、支配的、否定的、排他的などの状態に陥る危険性があります。そして、CP型の人は、「しなければならない」とか「ねばならない」とか「すべきだ」という表現をよく使う特徴があります。

この因子を強く持っている人は、使命感を持ち人をぐっとリードする潜在力というのを持っていると考えられています。

日本人平均値は10点です。13点以上は強い、16点以上はかなり強いと自己認知して下さい。
 

NP型は集団・民主主義型のリーダーシップ

養育的なタイプで、寛容的、肯定的、共感的などの特徴があります。無視や軽視されることがストレスとなり、ひとたび高いストレス状態に陥ると、養育的なところが介入的になる、つまりお節介焼きになってしまいます。

日本人の平均値をとると実はここの因子が一番強く出ており、国際比較をしても日本人はNP型が非常に強いです。これは日本人の特性であり、日本人は幼少期から母親と過ごす時間が長く、母親からの影響を自然と強く受けていることが理由として挙げられます。

このタイプは、集団から孤立した状態に弱いです。よって、NP型の強い日本人は集団を好みます。結果として、チームワークや和の精神というものをとても大切にするわけです。

日本人平均値は13点です。16点以上は強い、18点以上はかなり強いと認識して下さい。
 

A型は判断・納得型のリーダーシップ

論理的なタイプで、分析的、現実的、合理的という特性があります。客観的事実を分析して、そこから意思決定や判断をしていくことに長けており、そこがセールスポイントとなります。

ちなみに、判断と決断は違います。判断力はデータや事実からの意思決定であり、A型が該当します。他方、決断力は主観的な思いによる意思決定であり、CP型が該当します。象徴的なリーダーとして挙げている小泉純一郎元首相は、信念の人と称されるように、主観的なところからバシッと意思決定する決断力を持っている方ですので、CP型が強いという捉え方もできます。

A型の人は、不合理な状態がストレスとなり、魂が入らなく機械的になってしまいます。判断軸は損得勘定にあり、自分にとってメリットがあるかないか、都合が良いか悪いかなど、どちらかというと個人主義の面を持っています。アメリカ人や中国人は基本的には個人主義ですから、A型の要素を強く持つ方が多いのです。

日本人平均値は12点です。15点以上は強い、17点以上はかなり強いと認識して下さい。
 

FC型は攻め・率先垂範型のリーダーシップ

活動的なタイプです。創造的、積極的、自主的など、攻め型な特徴を有しています。日本人の平均値をとると、このFC型はあまり強くありません。

管理されてしまうことがストレスとなり、活動的であったのが衝動的になってしまいます。ストレスの高い状態に陥ると、反抗的、享楽的、破壊的となり、かなりの危険人物だと分かります。メンバーの中にFC型の人物がいた場合は、押さえないといけない人物になるのです。というのも、よい状態のときは最大の推進役である一方、アンチにまわられると大変厄介な存在になるからです。このタイプの人物を押さえ、いかに推進役として導いていけるかどうかがリーダーとしての手腕と言えるでしょう。

日本人平均値は9点です。13点以上は強い、16点以上はかなり強いと認識して下さい。
 

AC型は守り・協調型のリーダーシップ 

協調的なタイプです。順応的、几帳面、持久的であり、非常に細かいところに目が行き届く、緻密で我慢強い、などの特性を持っています。日本人は「改革なくして改善あり」のようなところがあり、この改革というのはFC型優位で、改善というのはAC型優位です。ですから、日本人は一般的にAC型、すなわち守り型だといえます。このタイプはFC型とは逆に自由がストレスになってしまい、追随的、消極的になってしまいます。

日本人平均値は11点です。14点以上は強い、17点以上はかなり強いと認識して下さい。
 

性格特性とリーダーシップの関係

組織の目的、存在意義を式に表すと1+1>2。1人+1人が2人より大きくなること。つまり相乗効果、シナジー効果です。

どのような組み合わせがシナジー効果を発揮できるのかというと、同質ではなくて、異質な組み合わせや補完関係での組み合わせです。異質(補完関係)で組み合わせるとシナジー効果が生まれるのです。

例えば、FC型の人とAC型の人を一緒にさせてみる、CP型とNP型を組み合わせてみるなど様々な交わりを持たせたり組織に多様性を持たせることで、面白いアイデアが生まれてきたり新たな突破口が見つかるなどの可能性も拡がることでしょう。読者のみなさんがいま現在、またはこれから所属する組織の中でリーダーとしての役割を担っていく以上、このあたりは特に肝に銘じていただくといいでしょう。

長所に目を向ける」ということも大事です。例えばCP型が強い人は一見独善的なタイプだったとしても、裏を返せば指導的な特性を有しているわけです。スポーツでも、短所を直すよりも長所を伸ばす指導法はよく行われていると思います。ビジネスの世界でも、短所には多少は目をつぶり、それよりも長所を活かしてあげることを考える。この方が建設的であり、組織全体としての力も大きなものになると考えられます。

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