メンバーを目標へと導くスキル

メンバーを目標へと導くスキル

 

リーダーシップ5つのスキル!メンバーを目標へと導くために

様々なリーダーシップのアプローチがありますが、結局のところ、リーダーシップとはメンバーを統率していく力に他なりません。つまり、フォロワー(部下やチームメンバー)をグっと導くためには何が必要か、そのために必要なリーダーシップスキルは大きく5つに分かれます。

この考え方は、ガイドのメンター的存在である新将命さんの考えがベースとなっています。様々なリーダーシップ論の中でも、ガイドが知る限り、最も納得性と実効性の高い方法論でしょう。リーディングカンパニー数社でのトップマネジメントとしてリーダー実務経験から醸成された新さんのリーダーシップ論は、圧倒的な説得力があります。その方法論とは次の5つです。
 
次に、それぞれの方法論について解説します。
 

1. 方向性を示せ!

リーダーシップを高めるスキル

リーダーたるもの、明確なビジョンを的確に伝えることが必要だ

まず、1つめが組織のメンバーに対して方向性を示すということです。方向性はビジョン・目標・戦略の3本柱で構成されています。ビジョンとは10年後こういう風にありたい、5年後にはここまでたどり着きたいというものです。組織にとっての理想像や目的地、もっというと組織にとっての「夢」などがビジョンにあたります。

そのビジョンをもう少し落とし込んだもの、そこに数字がプラスされることでその組織の目指すゴール、つまり目標が決まってきます。数字が組み込まれることで、ビジョンという定性的なレベルから、より具体的な定量的なレベルへと変わってきます。

そして、目標が設定されたらそこにたどり着くための戦略、つまりはたどり着くまでの道筋を示すことです。このビジョン・目標・戦略の3点から方向性を示すことができます。リーダーたる者、この3点を組織のメンバーにしっかり示すことが必要であり、これはトップである社長のみならず、部長、課長、係長でも同じことです。

逆に、方向性が見えないと組織内に3H(疲労感・疲弊感・閉塞感)がもたらされてしまいます。方向性が見えていることで、メンバーとしてもそこに目標達成のためのエネルギーを集中させることができ、モチベーションを維持することができます。
 

2. ストレッチした納得目標を作れ!

2つめがストレッチ納得目標です。ストレッチとは、ジャンプをして指先がぎりぎり届くというイメージです。これが一番よい目標設定であるといわれています。日産CEOのカルロス・ゴーン氏もよく言っていますが、「極めて現実的な目標に据えてしまうと、そのイメージした目標が最大限度になってしまう」という恐ろしさがあります。

よって、ジャンプして指先がぎりぎり届くぐらいのイメージで目標を作ることが大切です。ガイドの営業経験談ですが、100%を達成しようとした場合100%を目標に置くと決して100%はいかないものです。150%に設定してはじめて8掛けで120%、7掛けでも105%になります。

「納得」という言葉を説明します。納得は何から作られるかというと、対話やコミュニケーションから作られます。ここ数年、管理職を対象としたコーチングが企業内でも導入されており、外部からコーチングのスペシャリストを招く企業も増えています。コーチングはまさしく部下と上司が対話を通じて納得目標を定め、そこにたどり着くためのサポートを上司がコミュニケーションを通じて行うという手法です。

納得目標の反対を強制目標といいますが、強制目標と納得目標とでどのくらいやる気(モチベーション)の違いがあるかというと、1.0:2.6つまり約3倍、納得目標の方が強制目標よりもモチベーションが高くなるというデータもあります。

すなわち、納得ということを考えた場合、目標を作るときにはメンバーにも参加させ、きっちりとしたコミュニケーションや対話によって合意形成を図り、目標を作るという心がけが必要になってきます。
 

3. 正しい権限委譲を!

3つめが正しい権限委譲です。何でもかんでも自分でやろうとしては意味がありません。自分がやった方が速い、効率的だと思うところがあるかもしれませんが、それでは組織の全体力は高まらないし、メンバーや部下も育ちません。

経営の神様、ピーター・ドラッカー氏も言っていました。「最も人間を成長させる方法は任せること」であると。任される本人からすると、信頼されているから任される、信頼されているから頑張ろうとなり、仕事に対するモチベーションも上がります。任せて失敗した場合と任せないで失敗した場合、振り返ると後者が多いものです。

メンバーには、特に自ら手を挙げてきた者にはどんどんやらせてみる、そこでメンバーの成長を促した方がよいのかと思います。結果として、たとえ失敗してもその失敗から何かを学び取り、組織全体の力を高めていけばよいわけです。

注意することは、「正しい」権限委譲ですので、やみくもにやらせればいいというわけではありません。要所要所でチェックやレビューをしながら軌道修正をしていく、それが「正しい」という意味合いです。このような縦のコミュニケーションがしっかりしている関係こそ、望ましいリーダーとメンバーの姿でしょう。
 

4. 8褒め2叱りを実践せよ!

リーダーは下を向くな。常に上を向いて歩こう

リーダーは下を向くな。常に上を向いて歩こう

次に、4つめの8褒め2叱りです。メンバーのやる気を高めるためにも、まずは否定するよりも肯定することが大切です。しかし、割合としては、だいたい8回褒めて2回叱るイメージです。割合としては少ないですが、「叱る」ことも非常に重要です。今の時代、叱れない上司が増えているといいます。

「叱る」ことは「嫌われる」ことにも繋がりますが、嫌われることはリーダーとしての必要条件だと思います。豊かな時代、嫌われたくないリーダーが多くなったことも組織力が弱くなる一因であるでしょう。

リーダーにとって必要なものは「人気」ではなく「人望」です。人望を獲得するためにも、適切なタイミングで叱ることが大切です。そして、「叱る」ことは「怒る」こととは違います。

叱るとは「物」や「事」に対して行われるもので、決して人格を否定することではありません。「お前の○○が悪い」というのは、やはり聞く耳を持たれないですし、モチベーションも下がりますし、何より信用を失う危険性もあります。よって、「この文書のここがおかしい」など、人格ではなく事象に対して注意するということを心がけてください。

5. 公正な評価と処遇を

最後は、5つめの公正な評価と処遇です。評価は平等ではなく、公正にしなければなりません。よい仕事をした人とそれなりの仕事しかしていない人とでは、当たり前ですが評価は違ってきます。あくまでも誰もが納得するような公正な評価と処遇をしなければなりません。

これら5つはリーダーとしてメンバーを導いていくスキルであり、やる気を高める構成要素です。5つがしっかり揃えば、基本的にはメンバーのやる気が上がって、組織全体をどんどんよい方向に導いていけるようになるでしょう。やる気のある組織とやる気のない組織では当然前者に軍配が上がります。リーダーはその支援者たるべきなのです。

<推薦図書>
伝説の外資トップが説く「リーダーの教科書」
新将命著(ダイヤモンド社 2013年刊)

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