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ウイスキー&バー/初心者のためのウイスキー入門記事

ウイスキー用語1/ラベルを解読[入門編]

シングルモルトとは、ノン・チルとは。耳にしたり、ラベルに書かれたりしているけれどよくわからない。そんな声にお答えして、製品ラベルを眺めながら用語解説していく。

協力:サントリー
達磨 信

執筆者:達磨 信

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ラベルに明記された用語を読む

白州ラベル

 

さて入門編。シングルモルトウイスキーの用語あれこれ。ラベルに樽種やノン・チルとか明記してあるけれど、何のこと、といった声にお答えする。すべてについて一度では無理なので、またの機会を設ける。今回はラベルを眺めながら解説する。

まずシングルモルト「白州バーボンバレル」(2010年1月発売)のラベルに書かれた用語から見てみよう。

●[シングルモルトウイスキー/SINGLE MALT WHISKY]
シングルモルトとは、ひとつの蒸溜所でモルト(大麦麦芽)を原料(他に水や酵母)につくられたウイスキー。シングルモルト白州というのは白州蒸溜所だけでつくったモルトウイスキー。
白州ラベル

 

ただ世界で飲まれているウイスキーのほとんどはブレンデッド(BLENDED)ウイスキー。モルトウイスキーととうもろこしや小麦を主原料にしたグレーンウイスキーをブレンドしたものを言う。ブレンデッドは複数の蒸溜所のモルトウイスキー、またタイプの違うグレーンウイスキーなど何十種類ものウイスキーをブレンドして生まれる。
たとえば響17年。これは山崎、白州両蒸溜所でつくられるいろんな個性を持つモルトウイスキー数十種に知多蒸溜所でつくられる数タイプのグレーンウイスキーがブレンドされたもので、使われているウイスキーはすべて17年を超える熟成を経たもの。ラベルに明記された酒齢は使われているウイスキーの最低熟成年数。
 
白州ラベル

 

●[バーボンバレル/BOURBON BARREL]
ラベル内の下の帯のところ。バレルとは容量180L前後の樽のことで、アメリカのバーボンウイスキー(主原料/とうもろこし)熟成用の樽がこのサイズ。樽材はホワイトオーク。
白州蒸溜所で蒸留し、一度バーボンの熟成に使われた樽で熟成させたモルトウイスキー、ということがわかる。
ここにシェリーバット(SHERRY BUTT)やミズナラ(MIZUNARA)とあれば、一度シェリー酒の熟成に使われた樽やミズナラ材でつくった樽でモルトウイスキーを熟成したことを示す。バットとは容量約480Lのやや細長く胴回りに張りのある樽のことを言う。樽のサイズ、形状、樽材の違いによってもモルトウイスキーの香味個性は異なる。

● [ノン・チル フィルタード/NON-CHILL FILTERED]
樽から払い出されたウイスキーは、瓶詰め前、決められたアルコール度数に下げるために加水した後、通常はフィルターにかけられる。発酵に由来する成分、また熟成樽から溶け出す成分などに温度が低くなると綿状の白濁を起こす物質があり、それを取り除くためにウイスキーを一度冷却し、白濁物質を濾過する。
これに対して冷却濾過をおこなわず瓶詰めすることをノン・チルと言う。樽から払い出されたそのままの生(き)の香味を味わえる。

次回は近々にカスクのボトル・ラベルでの用語解説をする。
 

[入門篇]関連記事

ウイスキー用語2/ラベルを解読[入門編]
ウイスキーってなんだ?
蒸溜ってなんだろう?
グレーンウイスキーってなんだろう?
熟成ってなーに。樽の中で何が起きている?
ウイスキーの飲み方
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