カスクの履歴を知る

白州ラベル

 

2回目はカスクと書かれたボトル。「THE CASK of HAKUSHU 1993」(2008年2月発売)のラベルを解読。

●[カスク/CASK]
カスクとはウイスキーを熟成させる木樽。この製品はもちろんシングルモルトであるが、シングルカスクと呼ばれるもので、白州で蒸溜、貯蔵したモルトウイスキーの中の、ひと樽(1丁)だけを製品化したもの。製造段階で実験的な試みがなされ、とくに個性にあふれた熟成をしたひと樽と思えばよい。ひと樽だから世に出る本数は極めて少ない(このカスクは約1,800本/¥9,000)。
他にカスクストレングス(CASK STRENGTH)と書かれたラベルを目にすることもあるかもしれない。
これは製品化する際に加水してアルコール度数を落とすことなく、樽出しそのままの度数で瓶詰めした製品。だからアルコール度数は高い。
ラフロイグ25年 カスクストレングス

ラフロイグ25年 カスクストレングス ¥60,000

蒸溜したてのニューメイクがたとえば約65%だったとする。それを樽詰めして熟成させると、樽の中で呼吸しつづけるウイスキーは経年にしたがってアルコール度数が下がる。貯蔵環境によってその下がり方は一様ではないがやがて60%を切っていく。そのため瓶詰め(製品化)のタイミングによってアルコール度数はさまざまに異なる。大体約60~50%くらいのものが世に出されている。
ちなみに昨年発売された「ラフロイグ25年 カスクストレングス」は50%。

●[ヘビリーピーテッド/HEAVILY PEATED]
製麦段階の麦芽乾燥時に、ピート(泥炭)を焚くこともある。それにより特有のスモーキーさのあるピーテッド麦芽となる。ピートの焚き方によって麦芽の燻香に強弱がつく。ヘビリーとあるこの製品は、強いピート香のある麦芽を使って製造したスモーキーなウイスキーですよ、と伝えている。
ちなみにピートを焚かないで麦芽を乾燥させたものはノン・ピーテッド・モルトと呼ばれる。
 
白州ラベル

 

さて「ザ・カスク・オブ・白州1993」のラベル下部には他にもいろいろな情報が記載されている。蒸溜年は1993年で、瓶詰めされたのが2008年。単純に引き算すると15年の年月だが、この製品の樽熟成年数は14年。
次に熟成に使った樽の材はホワイトオークで、樽種はホッグスヘッド。これは一度バーボンの熟成に使われた樽を解体して胴径を大きくしたもの。そのため樽両端の鏡板(円盤部分)だけはホワイトオークの新材が使われている。容量約230リットル。
ウイスキーに詳しい人ならば、ホワイトオーク、ホッグスヘッドで、バニラやナッツのような甘さを感じられるのではと推察するであろう。
その他には白州蒸溜所の貯蔵庫で熟成させたもの。また貯蔵庫は17号棟であり棚段など貯蔵されていた庫内の位置まで記されている。

ラベルから読み取れる情報はまたの機会を設けようと思う。でも、こんな情報は知らなくったっていい。酒ってのは「ああ、旨いなー」って飲むものだから。
 

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