(4)共用二世帯の場合のメーター分割
共用二世帯の場合も多くの場合メーター類は分けることができます。電気メーターは、世帯の専用部分が明確でその部分で独立して生活できる場合は別メーターにすることが可能ですので、玄関が共用でもメーターを分けることは多くの場合可能です。この場合共用部分はどちらかの世帯とセットにすることになります。ガスメーターは電気より使用箇所が少ないため明確に分けることが容易で一般にメーターを分けることはできます。水道はより地域性が強く、道路の配管径や水圧の条件にも左右されるのでケースバイケースでメーターを2個つけられないこともありますが、玄関共用だから分けられない、ということはありません。
なお、メーターを分けると、配管配線が2系統になるため工事費は一般に上昇しますが、電気料金は基本料金が契約容量に比例し、使用量に比例する部分は多く使うほど単価が高くなるシステムになっているため、メーターを分けた方が安くなることがあります。またガスや水道の場合メーターを分けていても1契約に合算して支払うことができるケースもあるようです。このあたりは供給会社によって異なる可能性がありますが聞いてみる価値はあると思います。
以上のように、共用二世帯は、ゾーニング次第で世帯間のプライバシーが大きく左右されます。どこまでを共用し、どこから先を専用部分にするのか、を定めて設計していくことで後々の住みやすさが決まり、広さに制約があることも多く設計ノウハウが最も必要な構成です。十分な検討を加えて設計を進めていくことをお勧めします。
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