起業・会社設立のノウハウ/フリーランスになる

リスク管理:自分でできる取引先の信用調査(3ページ目)

見知らぬ会社からの仕事の依頼に、“この会社、取引しても大丈夫?”と不安になったことはありませんか? トラブルに合わないために、新規取引の際には相手企業の情報収集をしっかりおこなって判断しましょう。

執筆者:塚田 祐子

安全性は自分の目で確かめよう

仕事の代金をちゃんと支払ってもらえるかどうか、安全性のチェックは重要です。しかし、上場企業でない限り、財務情報を公開していないため、企業の経営状態を知ることはまず不可能です。以下にご紹介する方法は、筆者の体験的チェック法です。

■安全な会社の見分け方
・会社に電話した時のスタッフの対応
メールでやり取りせず、会社へ電話する。電話を取ったスタッフの態度、言葉遣いが悪い場合は要注意。

・会社の雰囲気
仕事の打合せは、相手先の会社へ訪問して行う。百分は一見にしかず、自分の目で会社を確かめる。来客に挨拶をしないスタッフ、会社の雰囲気が暗い、社内にモノが少ないなど、違和感を感じた場合は要注意。

・担当者は信頼できる人?
仕事の発注依頼が、社内で予算を含めて確定しているものなのか、担当者レベルのアイディア(社内へ提案する段階)による打診なのかの見極めが必要。料金や支払い条件などに触れず、“◯◯したら、◯◯なれば”と仮定の上で大きな話ばかりする人、誠意を感じられない人、小さな約束を守らない人は要注意。

仕事をもらう立場という考えが全面に立つと、どうしても相手方へ歩み寄りたくなります。しかし、仕事の依頼や相談を受けて、こちらが検討している段階は、相手方に対して優位な立場をとれる時です。不必要にへりくだらずに、自信を持った態度で取引条件の交渉をするようにしましょう。

最悪のパターンは、不安を持ちながらも口に出さず、口約束だけで仕事を受注してしまうことです。新規取引先にもかかわらず、納品するまで支払条件を聞けないという人も多いようです。

筆者も独立当初、知人の紹介だから大丈夫だろうと書面を交わさずに取引して痛い思いをしたことがあります。それを機に「業務委託書」のフォーマットを作成し、新規取引をする際には必ず取り決めた条件を書面化するようにしています。そして、こういった書面の取り交わしをお願いした時に、相手方がどのような反応を示すか、安全性をチェックする上での大きな判断材料にもなります。

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