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仕事術:「取引条件」の交渉テクニック

仕事を受注する際の取決めは、フリーにとって大事な交渉の場面です。特に、新規の取引先や高額、長期の仕事の場合は、注意が必要です。トラブルを未然に防ぐためのポイントや交渉テクニックについてお伝えします。

執筆者:塚田 祐子

仕事を受注する際の取引条件の取決めは、フリーにとって大事な交渉の場面です。特に、新規の取引先や高額の仕事、長期に渡る仕事を受注する際には注意が必要です。トラブルを未然に防ぎ、キチンと仕事の代金を回収するために、確認事項や交渉のポイントをしっかり押さえておきましょう。

取引条件の確認項目と注意点

それでは、取引条件の各項目毎に、その内容と注意点を確認していきたいと思います。

[仕事内容]
仕事は、その成果によって評価されます。発注先が求める成果とは何かを、しっかりと把握することが重要です。発注内容の説明を受けた時、仕事の背景やクリアすべき課題や問題点を十分に取材しましょう。依頼内容が抽象的な場合は、「~こういうことでいいですか?」と必ず聞き返して、疑問点を曖昧にしておかないことです。

[納期と納品方法]
いつまでに、誰へ、どのようなカタチで納品するかを確認します。納期に余裕が無く、徹夜作業を前提にした仕事を、安請け合いするのはトラブルの元です。(なんとかこの納期でやってもらえないかと)無理を承知で言ってくる場合も多いので、受注可能なスケジュールを、こちらからお願いするのも1つの方法です。

[報酬額]
受注時にお金の話をすることが苦手な方、結構多いと思います。言い出せないでいると、納品後にとんでもなく安い金額を提示されたり、値切られたりと、益々言い値になってしまいます。ビジネスですから、キチンと単価や報酬額を確認しておきましょう。同時に、納品後の直しや途中変更があった場合は、追加料金となるかどうかの確認も必要です。

■交渉ポイント:長期間の仕事を受注した時
業務が数カ月に渡るような長期間の場合、納品後に入金だとその間は全く無収入となり大変です。そこで、仕掛かった時点でいくら、途中でいくら、完了したらいくらという具合に、分割して支払ってもらう方法もあります。当然の交渉ですから、臆せず取引先と相談しましょう。

[経費の取扱い]※必要に応じて確認。
業務遂行にかかわる以下のような諸経費や実費について、仕事の報酬額に含まれるのか、別途請求できるのか確認しましょう。
・交通費
・通信費、宅急便料
・資料代
・業務に必要な機材、パソコンソフト代等

[支払条件]
支払条件の確認ポイントは以下の通りです。
・支払サイト。「◯日締めの◯日支払い」というものです。
・支払方法は、現金か手形か?
・支払方法は、銀行振込か受取りに行くのか?
支払サイトは、1ヶ月であれば◎、1.5~2ヶ月であればまずまずです。経費は前払いしていますから、納品したらなるべく短い期間で代金を回収するのが原則です。

■交渉ポイント:手形より現金!
支払は手形と言われたら「現金でのお取引をお願いしています。」と伝えましょう。支払サイトが長く、さらに手形となると、納品から入金までに数カ月以上のタイムラグが生じます。また、資金繰りが悪化した企業の最悪のケースとして、手形の決済日までに倒産する、というようなことも無いとは言えません。

取引条件を確認したら、文書化しておくことが大切です。続きは次ページへ>>
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