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交渉術の極意4~ブラフ提案法(3ページ目)

今回は、「譲歩して欲しい、値引きさせたい」、というような相手の心理を逆手にとったテクニックです。ビジネス交渉から、日常生活における頼みごとまで、いろんなシーンで使えます。

西野 浩輝

執筆者:西野 浩輝

営業ノウハウガイド

ブラフ提案法で主導権を握れ



みなさんは、「ドアインザフェイス法」という言葉をご存じでしょうか。

これはまず相手に厳しい条件を提示して、相手が断ってきたら、次にそれよりも一段階ハードルの低い条件を提示する。すると相手がその条件を受け入れてくれる可能性が高くなるというものです。

たとえばマンションの自治会の役員選出で、「今期はAさんに書記になってほしいな」と考えたとします。でもいきなりAさんに「書記になってくれませんか」と切り出すと、断られる可能性大です。


そこでドアインザフェイス法を活用。

まずはAさんに「自治会長になってくれませんか」とお願いします。

Aさんは予想どおり「そんなのは無理ですよ」と答えます。

次に、「それなら書記になってくれませんか」と持ちかけます。

するとAさんは「自治会長は断ったけど、書記ぐらいだったらいいかな」とOKする可能性が高くなるというわけです。

なぜなら自治会長を「基準値」としたら、書記はその基準よりは負荷が少なくて済む仕事ですからね。「それぐらいだったら」となってしまうのです。


実はブラフ提案法も、ドアインザフェイス法と同じ効果を発揮します。

たとえば営業マンが130万円の金額提示をしたときに、お客さんが難色を示したとしても、130万円が「交渉の基準値」となります。

そのため125万円、120万円と金額を下げていったときに、お客さんは比較的高い金額のレベルのところで「その金額だったら」と折れやすいというわけです。

また値下げ交渉の過程で、「では金額を120万円にしますから、この条件は飲んでくださいませんか」というように、金額以外の条件を提示する条件交渉にも入りやすくなります。

つまりブラフ提案によってハッタリをかますことは、商談の主導権を握るためにも有利なのです。


商談のとき、「確実に契約を結びたい」という心理が強く働くと、営業マンはどうしても低い金額設定の提案をおこないがちになります。

でもこれでは利益は望めません。

ですからみなさんも、勇気を持ってブラフ提案をおこなってみてください。

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