営業のノウハウ/営業の商談・ヒアリング

説得を成功に導く3つのテクニック(2ページ目)

交渉の場面では、できるだけ有利に進められる情報を事前に準備しておきたいですよね。そしてそれは実際の場面で、どう活用すればよいのでしょうか。今回は現場で盛り込むべき3つのテクニックを伝授します。

西野 浩輝

執筆者:西野 浩輝

営業ノウハウガイド

データを引用する

相手に具体的にイメージをさせるためには、データを引用すると、より効果が増します。「このシステムを導入すれば、コスト削減につながりますよ」と言うよりは、「このシステムを導入すれば、年間500万円のコスト削減が可能になります」と言った方が、だんぜん説得力がありますよね。


さらに年間500万円のコスト削減を実現すると、どんなメリットがあるのかについても、やはりデータを使って説明します。「システム開発費に750万円かかりますが、年間500万円近くのコストが削減できますから、結果的には投入したシステム開発費をたった1年半で回収することが可能です」というように。

普段から物事を常にデータに置きかえて考えるクセをつけておけば、お客さんの前でもすらすらとデータが出てくるようになります。

対比して表現する

「外資系企業と比べて日本企業は……」とか、「昔の新入社員と比べて、今どきの新入社員は……」といった言い方を、私たちはよくしますよね。私たちが物事を比べたがるのは、ある物事を説明するときに、別の物事を持ち出して対比すると、その物事の特徴がより明らかになるからです。

この「対比して表現する」という手法は、お客さんとの交渉のときにも使えます。たとえばIT企業の営業マンが、クライアント企業の担当者を相手にシステムの導入についての交渉を進めていたとします。営業マンとしては、なんとかフル機能のシステムをお客さんに購入させたい。そんなときのトーク例を示しましょう。

「フル機能をつけた方が便利ですし、値段も長期的に見れば安くなります。逆に機能を限定した状態でシステムを構築しますと、短期的には費用は抑えられます。しかし使用の際にいろいろと不便な点も出てきますし、その後機能追加をしていくことになりますから、結局はより高くついてしまうことになりますよ」

営業マンはここで、「フル機能でシステムを構築した場合」と「機能を限定した状態でシステム構築した場合」を対比しています。また「長期的に見た場合」と「短期的に見た場合」を対比しています。

「Aの場合はこうなります。Bの場合はこうなります。Aの方がトクですよ。さあどっちを選びますか」とお客さんに決断を迫っているわけです。そう言われれば、お客さんとしてはAを選ばざるを得ませんよね。

今回紹介した3つの交渉テクニックと、以前紹介したMET理論を組み合わせて使いこなせるようになれば、あなたの交渉力が格段と磨かれます。交渉に強い営業マンになること、間違いなしです。

さあ、今日から始めてみてください!

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