相手の二つの「主題」をとらえるナンバーワンを目指し、オンリーワンにたどり着いた「超一流」の人々を分析し、「超一流」になるための6つの力を紹介している上司であるあなたに、部下が「今期の売上目標が達成できないんです。」と相談してきたとしましょう。部下が直面している課題は「今期の売上目標を達成する。そのための対策を考える」ことです。多くの上司は売上目標を達成するためのアイデアを伝えたり、こういった状況になってしまった原因を追求したりするでしょう。これが間違っているわけではありませんが、これは「ナンバーワン」の部分にすぎません。「オンリーワン」の部分はどこにあるのでしょう?コーチングの流派の一つであるコーアクティブ・コーチング(TM)では、コーチングで扱う主題には二つあり、コーチングにおいて両方の主題に焦点を当てることが重要であると考えています。一つは、相手が直面している課題や悩みといった「小さな主題」。今のケースでいえば「今期の売上目標を達成する。そのための対策を考える」が、「小さな主題」です。もう一つが「大きな主題」。これは相手の人間としての成長や、人生をどう生きるかにかかわるものです。相手が本来の姿で生き生きとダイナミックに味わい深い人生を生きていくための入口・機会として「小さな主題」をとらえることで、「大きな主題」が見えてきます。今のケースで言えば、相手が今の仕事を通じて大切にしている価値観をとらえ、よりその価値観を尊重して生きることかもしれません。また、相手が知らず知らずに持っていた思い込みや枠に気づき、より自由に考え行動して生きることが「大きな主題」になることもあるでしょう。さらには、相手が直面せずに避けていたことに気づき、あえて直面して受け入れていくことかもしれません。「ナンバーワンのオンリーワン」を生きよう!上司は「小さな主題」だけでなく、そこから部下の「大きな主題」にも焦点を当てていくことで、部下の「オンリーワン」を引き出すことができ、またそれが部下の「ナンバーワン」をサポートすることにもなるのです。逆の場合も考えられます。「こいつはダメだから」と部下の可能性を諦めていた上司であれば、小さくてもいいので何か具体的な目標をお互いに話し合って設定し、その目標達成(「小さな主題」・「ナンバーワン」)を部下が目指すなかで、その成長(「大きな主題」・「オンリーワン」)を促し、見ていきましょう。ナンバーワンを目指すことと、オンリーワンを発見し、生きることは同時にありえるものです。常に両方に焦点を当てることによって、その人が目指すナンバーワンの目標はその人なりの「オンリーワン」になっていきます。また、その人が発見しオンリーワンとして生きる自分自身は、よりユニークで尖がった「ナンバーワン」になっていきます。上司であるあなた自身が「オンリーワンのナンバーワン」・「ナンバーワンのオンリーワン」を生き、部下の「オンリーワンのナンバーワン」・「ナンバーワンのオンリーワン」もサポートしていきましょう!【参考書籍】■『最高の自分になる 6つの力』(西田 徹著 中経出版)■『Co-Active Coaching: New Skills for Coaching People Toward Success in Work And Life』(written by Laura Whitworth, Karen Kimsey-House, Henry Kimsey-House and Phillip Sandahl Davies-Black Publishing) 【関連記事】■コーチングの基本を知ろう! 相手の人生全体を意識していますか?■あなたの目標を磨き上げる6ステップ・前編■あなたの目標を磨き上げる6ステップ・後編■あなたにとっての「お金」・「仕事」とは?■「上司の悩み」解決シリーズ 5 部下の目標意識が低いんです■器の大きさは感情の許容度に比例します あえて、嫌なものと向き合おう!■飲みに行くだけでは解決できない! 部下との距離、どう縮める?■目標を持たないあなたは行き先を決めずに歩いている 目標設定のロケットを噴射せよ!【関連リンク】■コーチングの基礎を学ぶ1:聴く・傾聴 【編集部おすすめの購入サイト】Amazonでコーチング関連の書籍をチェック!楽天市場でコーチング関連の書籍をチェック!前のページへ12※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。