京都グルメ/京都の和食

上賀茂 秋山

今や予約の取れない店となってきた「上賀茂 秋山」。地元の野菜を使った「おもてなし」溢れる料理の数々と、古民家を改装した店内の雰囲気は、心の原風景に触れる「郷愁」すら感じさせてくれます。

執筆者:麻生 玲央

《CONTENTS》
●上賀茂 秋山の魅力について(1P目)
●夜コース前半の料理紹介(2P目)
●夜コース後半の料理紹介(3目)
●おもてなしの数々(4目)

北山にまた一つ名店が誕生。

上賀茂 秋山
この「柿の木」の看板が目印。
京都盆地の北端に近い北山通り界隈は農地や住宅地以外にもコンサートホールや植物園など、文化色も広がる多種多様な顔を持つ地域。そこからさらに北に向かってゆっくり歩くこと15分、裏がすぐ山という京の北の果ての古風な民家で2006年2月に開店され、1年で最早予約の取れにくいお店になってしまったのが、ここ「上賀茂 秋山」です。ご主人は「花吉兆」で修行されて独立された秋山直浩さん。まだお若く、笑顔の素敵な方です。

前の通りから階段を昇り、門をくぐるとまず見事な楓(カエデ)の木が目に飛び込んできます。この時点でもう、秋の紅葉の頃に再訪するのが今から楽しみ! という気分になるほどの風情。

上賀茂 秋山
まずはここに客が集まる。
玄関を入ると、まず右手にある「待ち合い場」に通されます。ここはこの民家の元台所だったそうですが、真中に梨の木で作られた大きな長方形の火鉢がドーンとしつらえられ、中には土瓶や釜が掛けられており、田舎家の詫びた雰囲気を十分に味わえます。

一期一会の客同士がこの火鉢を囲んで桜茶をいただきながら、談笑を交わしながら待つのもまた風流。全員が集まってから一斉に開始されるコース料理への期待がじわりと膨らんできます。

桜茶。
この日は桜茶が供される。桜香が何とも心地良い。
「さあ、どうぞ」の掛け声で、和紙が壁一面に貼られたアプローチを抜けて右に曲がると、今宵の客10人のためだけの、見事な栗の木のカウンターが現れます。

また、カウンター越しにある調理場の壁は黒一色の塗り壁。その中央が額縁のように切り取られていて、奥の座敷とライトアップされた裏山が幻想的な借景となって浮かび上がります。なんでもライトが点くのは料理に使う新芽を裏に摘みに行かれる時か、常連の猫が通る時だけというのがご愛嬌。

次ページでは、上質素材を活かしたコース料理を御紹介します
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