夏の京都といえば、祇園祭と鱧(はも)料理!

もうすぐ「祇園祭」が始まる京都。祇園祭は別名「鱧祭(はもまつり)」と呼ばれているのを御存知でしょうか? 夏に産卵期を迎える鱧は産卵前の7月頃と晩秋の頃と2回の旬があると言われており、6月下旬頃から祇園祭の時期はまさに一度目の旬を迎える時期にあたります。

元々、京都の夏場は「鱧」をよく食べますが、それははるか昔、まだ今ほどに流通が発達していたなかった盆地の京都まで真夏の気温が高い中、近郊の海から新鮮な魚を運ぶのは難しく、生きた状態のまま魚を運ぶには生命力の強い「鱧」が流通に適したからだという説があります(他にも諸説ありますが)。

また、鱧は小骨が多いため、昔から関西には小骨を切る「骨切り」という特殊な調理技術が伝統として受け継がれており、一寸につき26筋もの骨切りを施すのが基本と言われています。どんな高級店で鱧料理を食べたとしても、この骨切りが下手な店だと口の中で噛む度に骨がガリガリして美味しくいただけません。つまり、本当に美味しい「鱧」料理を食べたい場合は、鱧の産地や旬、個体差も大事ですが、この「骨切り」の上手い料理人の店に行くのも方法論の一つだと思います。

「鱧」に関して語ると長くなるので今回は難しい話はさておき、現代においても夏の京都には鱧料理は欠かせないということで、夏の京都で「鱧料理」が楽しめる私がオススメする4店を御紹介します。


和ごころ泉(京都市下京区)

夏の鱧料理

「和ごころ泉」の鱧料理

「今の日本で鱧料理を食べるべき店を一軒だけ選ぶとしたらどこ?」と聞かれたら、迷わず答えるのが京都にある「和ごころ泉」。「鱧」と言うと、細かく「骨切り」したものが一般的ですが、「和ごころ泉」の泉さんは「骨切り」はもちろん、何と「骨抜き」した「骨抜き鱧」を調理できる日本でも数少ない1人なのです。「骨切り」もほとんど骨を感じさせない超一流の技術力の持ち主ですが、「骨抜き」の技術も流石の一言。

ただ、「骨抜き鱧」は物凄く手間と時間のかかる調理法ですので、食べたいという人は、かなり前から予約時にリクエストをして「骨抜き鱧」を作っていただけるかどうかを御確認ください。

<DATA>
・店名: 和ごころ 泉
・所在地:京都市下京区烏丸仏光寺東入ル一筋目南入ル 匂天神町634-3
・アクセス:京都市営地下鉄「四条駅」徒歩約2分
・地図:Yahoo!地図
・TEL:075-351-3917
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祇園にしかわ(京都市東山区)

鱧松料理。

「祇園にしかわ」からの一皿。

京都の日本料理店では夏が終わり、秋になると「鱧松」料理というものが出てきます。旬が最終シーズンになる脂の乗った鱧のことを「名残の鱧」と呼び、これから旬を迎える「松茸」と一皿の中に組み合わせることで旬の終わりの「鱧」と旬が始まる「松茸」が出会う、いわゆる季節食材の「出会いもん」となるわけです。この「鱧松(はもまつ)」料理、「土瓶蒸し」などで食べるのが一般的。

この「鱧松」料理、私も今まで数え切れないほど食べてきましたが、中でも私が食べてきた鱧松料理史上もっとも感動したのが、「祇園にしかわ」で登場した「鱧松」料理でした。

肉厚の鱧と香り高い松茸、出汁の旨さが渾然一体化し、季節感を料理で体現した見事な完成度には驚きでしたね。

<DATA>
・店名: 祇園にしかわ
・所在地:京都市東山区下河原通八坂鳥居前下る 下河原町473
・アクセス:京阪電鉄「祇園四条駅」徒歩約10分
・地図:Yahoo!地図 https://yahoo.jp/aq36Oc
・TEL:075-525-1776
・営業時間:12:00~15:00(退店)、17:30~21:00(LO)
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竹ざき(京都市中京区)

鱧の椀物。

「竹ざき」からの一皿

夏の京都では基本的にほとんどの日本料理店で「鱧」は登場する食材ということもあり、関西人(特に京都人)的には特に心がときめくようなレア感は感じないのですが、たまに思わずハッとするような鱧料理に出会うことがあります。中でも今でも心に残り続けているのが「竹ざき」で食した「鱧料理」。

「鱧」の肉厚さと骨切りの精密さ。そして椀物として最適な熱入れを施した鱧の身は柔らかさと弾力が同位しており、上品な旨味のある出汁が鱧の持ち味をさらに引き立てる、実に見事な完成度。また、この椀物の鱧も良かったのですが、最後の飯物で出た「鱧御飯」も素晴らしい仕上がりでした。

尚、ご夫婦で営まれているカウンターのみのお店ですので、訪問の際には要予約かつ「鱧料理」が出るかどうかを御確認ください。

<DATA>
・店名: 竹ざき
・所在地:京都市中京区押小路通高倉東入る竹屋町150番地
・アクセス:京都市営地下鉄「烏丸御池駅」徒歩約4分
・地図:Yahoo!地図
・TEL:075-744-1661
・営業時間:18:00~20:30(LO)
・定休日:不定休
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オルト(京都市中京区)

鱧のカダイフ料理

「オルト」からの一皿

「鱧」と言うと日本料理のイメージを持たれる人が多いと思いますが、最近ではフレンチから中華まで様々なジャンルのレストランで「鱧」を使った料理を出すが増えました。特に「西洋料理」で食した中で、ここ数年もっとも感動したのが、イノヴェーティヴ(フュージョン)レストランの「オルト」で登場した「鱧のカダイフ包み」! パリッパリ食感のカダイフとふんわり食感の鱧が口内で心地良いコントラストを生み、フェンネルの香りが寄り添う一皿。日本料理店で食べる鱧料理以外で、ここまで美味しいと思えた鱧料理はなかなかないですね。

ただ、この料理は2016年の夏コースで登場した料理なので今年の夏もまた登場するかはまだ分かりませんが、谷村シェフならきっと前回以上の「鱧」料理を考案されているに違いありません。今年の夏に「オルト」でどんな鱧料理と出会えるのか? 楽しみです。

尚、今回は「鱧」料理を紹介していますが、夏の「オルト」は「鮎料理」も素晴らしいです。予約の際には「鮎料理が入っているコースかどうか」を御確認の上、是非「鮎料理」にもチャレンジしてみてください。

<DATA>
・店名: ORTO(オルト)
・所在地:京都市中京区衣棚通三条下ル三条町337-2
・アクセス:京都市営地下鉄「烏丸御池駅」約4分
・地図:Yahoo!地図
・TEL:075-212-1166
・営業時間:12:00~13:30(LO)、18:00~20:30(LO)
・定休日: 月曜日、他にも不定休あり。
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リニューアル前)オルト
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鱧が旬の季節、京都のグルメを堪能してください!

以上、今夏におすすめしたい鱧が楽しめるオススメ4軒でしたが、京都には「京料理」「京懐石」「京会席」「割烹・料亭」等々と呼ばれる日本料理店(和食)から、「和」を取り入れた「京野菜イタリアン」に「京風フレンチ」、イノヴェーティヴなフュージョン西洋料理店まで、和食に限らず「鱧」や「鮎」を楽しめるレストランが数多くあります。夏に京都へお越しの際はジャンルにこだわらず、様々なお店で美味しい鱧・鮎料理にチャレンジしてみてくださいませ。

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