京都グルメ/京都のイタリアン

オルト

京都イタリアンの名店「オルト」。谷村シェフの描き出す見た目にも味わい的にも美しい料理を、夏のコースから御紹介します。

執筆者:麻生 玲央

※2016年3月に「リストランテ オルト」から「オルト」にリニューアルされました。当記事はリニューアル前の過去記事となっております。尚、リニューアル後のランチコース(2016年3月のランチコース)は以下の別ページにて御紹介しております。ご参考までにどうぞ。移転後の紹介ページはこちら

菜園という名のリストランテ「オルト」

外観。

「オルト」の外観。

京都洛中の街中には大路と大路を繋ぐ「図子(ずし)」と呼ばれる細い路地があちこちに点在しています。旅慣れた京都通の方なら、よく知られた名所でなく、こんな図子を探訪して本当に京都らしい佇まいを満喫していらっしゃることでしょうね。

そんな図子のひとつ、洛中のほぼど真ん中に位置する「了頓図子(りょうとんずし)」は、安土桃山時代の茶人・廣野了頓の屋敷があったことから名付けられた図子。了頓邸には豊臣秀吉や徳川家康、古田織部なども訪れて茶を喫したという記録が残る由緒正しい図子なのです。
廣野了頓邸跡

廣野了頓邸跡

この図子にはちょっと前まで了頓邸を改修した立派な料亭があったのですが、その屋敷や庭も取り壊されてしまい寂しく思っていたところ、その後は町家を改修したレストランや和食店が続々と開店して、今ではちょっとした「グルメ図子」の様相を呈しています。
野菜料理。

見た目も味わいも美しい野菜料理

その中でも人気の一店が、今回ご紹介する「オルト(ORTO)」。ORTOとはイタリア語で「菜園」を意味し、その名の通り、地元の京野菜をたっぷり楽しめるリストランテなのです。

シェフは地元京都府久御山町出身の谷村 真司さん。京都を代表するリストランテでイタリアンの基礎を、宝ヶ池の名店で京野菜フレンチを学んだ後、祇園のイタリアンのシェフを経て渡伊、シエナのカンポ広場近くのリストランテやフランスとの国境近くのリグーリア州の海辺のリストランテで修行を重ね、帰国後2008年8月に「リストランテ・オルト」(現在は「オルト」)を開店されたのです。

「オルト」一階カウンター席

上画像はリニューアル後の「オルト」の一階カウンター席です

玄関扉は無垢の栗の木。中に入ると1階には8人掛けの木目が美しい「タモ」のくの字型カウンター。左手から2階に上がる階段も清々しい白木で踏むのがもったいないほど。2階は半分を吹き抜けにして、テーブル席は計10席。元の町家の梁が健在の吹き抜け空間には、自然派志向の谷村シェフらしく、大きな流木を使ったユニークなシャンデリアがゆったりと翼を広げた鳥のように浮かんでいます。

次ページでは、夏のコースを御紹介します。

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