野菜に特化した新星和店

光安。 外観。
   
注) 「御料理 光安」は2013年に移転されました。当記事は移転前の過去記事となります。御注意くださいませ。

東洞院通を北に上がって行くと、夷川通を越えたところで、いかにも昔の町家という風情のほの暗い明かりが右手に見えてきます。きっとあそこに違いない!と近寄って行くと、やはりそこにありました。店名は「御料理 光安」。ここは野菜を多用した京料理の一軒で、ご主人は京都の有名旅館や木屋町の和食店、さらには蕎麦屋でも修行してこられた光安裕一さん。

光安。
 
木戸を開けて中に入ると、昭和初期の町家がそっくりそのまま蘇ったような佇まいです。照明は野暮な蛍光灯を一切排した「ろうそく色」一色の世界。まるで戦前のセピア色の映画の中に入り込んだような気分。

内装。
 
ゆったりと席に腰を下ろして天井を見上げ、奥の坪庭の方にまで目を遣ると、木と土の匂いが醸し出すノスタルジーに、ほんわりと包まれて日常の疲れがじわっと解けていくようです。

6,300円の夜コースより御紹介


・先附
雲子と九条葱。
雲子と九条葱
焼き目が食欲をそそる雲子と、鮮やかな萌葱色の九条葱を合わせた一品。まず、一口食べると、雲子は生卵の黄身のように、とろりとクリーミーな正体を現し、続いて出汁の深い味わいと、九条葱の香りが流れ出してきます。

特に寒い今の時期には、心身を温かくしてくれる先附が何ともありがたいのです。


・椀物
風呂吹き大根。
風呂吹き大根の椀物
椀種は、風呂吹き大根。上に添えられているのは、鶯菜(うぐいすな)です。風呂吹き大根は、柔らかく煮込まれてあり、その糖度も申し分なし。出汁の淡い旨味と、雑味のない透明度の高さは、非凡なる才気すら感じるほど。美味しさの中にもどこか懐かしさがあり、これぞ京都における伝統の味でしょう。

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