至極の蕎麦掻き


・留椀
蕎麦掻きの白味噌椀。
蕎麦掻きの白味噌椀
このお店のスペシャリテ(定番)の一つである「蕎麦掻きの白味噌椀」。箸がスッと通る柔らかさで、口に入れると舌にネットリとまとわりつく、滑らかな食感と、甘味控え目ながら濃厚な白味噌風味が圧倒的なまでの相性を魅せつけます。

蕎麦掻きの白味噌椀。
松葉の器も見事。蓋の裏には二羽の鶴。
正直、「蕎麦掻き」で、ここまで感激できたのは久々でしたが、白味噌と蕎麦掻きがここまで渾然一体感を出せることにも驚きです。

高級食材なんて使わなくても、卓越した調理技術と、厳選された素材さえあれば、これだけ完成度の高い逸品が作り出せるのだということを、改めて教えてくれる、料理人魂を感じさせる珠玉の仕上がりでしたね。


・土鍋御飯と香の物
蟹御飯。
蟹御飯
土鍋で登場した御飯は「蟹御飯」! たんもりと盛られた蟹の身は、土鍋の蓋を取った途端に漂い出すほどの香りと色艶があり、見た目だけでも悩殺級! ふっくら&芯の立った御飯部分には、出汁がしっかりと効いていて、これが驚くほどの完成度。

蟹御飯。
器も骨董を多用されていて、お店の雰囲気と同じく「ほんまもん」です。
この時期、「蟹御飯」を食べる機会が増えますが、ここ数年で食べてきた蟹御飯の中で考えても、指折りの美味しさでした。


・甘味
甘皮(蕎麦)の黄粉餅。 小豆と百合根。
甘皮(蕎麦)の黄粉餅 小豆と百合根
水菓子は、2種類が供され、一つ目は「甘皮(蕎麦)の黄粉餅」。留椀で出てきた「蕎麦掻き」に続いて、こちらも蕎麦を使った一品で、こちらには蕎麦の「甘皮」が使われています。

もう一つは、「百合根」に乗せられた「小豆」。大粒の小豆と百合根が合わさることで、淡い甘さが心地良く舌に響きます。野菜に特化したお店ということで、〆の水菓子にも野菜が使われているんですね。


癒しの野菜料理達

ご主人。
ご主人の光安裕一さん。
特筆すべきは一皿一皿が、料理・器・盛り付けから成る完成度の高い「作品」に仕上がっていること。 光安さんお一人で何もかもされているので、料理への手間の掛け方は驚嘆に値するのですが、お一人でやっておられるからこそ、隅々にまで目が届き、こだわりを具現できるのかもしれません。

こんなにも昔の京都らしい雰囲気に包まれて、身体にやさしい懐石料理を食べられる時間は、忙しい仕事人間にとっては何よりの癒しになるでしょう。


注) 「御料理 光安」は2013年に移転されました。当記事は移転前の過去記事となります。御注意くださいませ。

<DATA>
・店名: 御料理 光安

※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※メニューや料金などのデータは、取材時または記事公開時点での内容です。