フランス人シェフの、カウンターへのこだわり

清潔感があり、明るい店内は女性を美しく見せます。
清潔感があり、明るい店内は女性を美しく見せます。
京都の中心地、河原町駅から、祇園方面へ。風情たっぷりの花見小路を抜けて、明かりがなくなった頃、「KEZAKO(ケザコ)」の光が見えてきます。フランス・プロヴァンス地方出身のシェフ、ステファン・パンテル氏は、かつて滋賀・京都で人気を博した「フィリップ・オブロン」のスー(N0.2)シェフを務め、オブロン氏の離日後は自身が「クーラン・デルブ」の店名で、シェフとして腕をふるいました。しかし「カウンターでフレンチを」という想いを捨てきれず、2005年にいったん閉店。そして2006年12月、清潔感あふれる明るいカウンター席をメインとした、この「ケザコ」をオープンさせたのです。

「『ケザコ』って何?」と、こちらが“ケザコ”と思ってしまいます。
「『ケザコ』って何?」と、こちらが“ケザコ”と思ってしまいます。
「ケザコ」という店名は「Qu'est-ce que c'est?(ケスクセ)」―これは何? という意味のフランス語を、プロヴァンス訛りにした音に由来しているそうです。「正統のフレンチにとらわれることなく、一皿一皿に新しい“何か”を託したい。お店はビストロでもない、レストランでもない、新しいものを作りたい。じゃあ何?」という、シェフのチャレンジ精神を表す店名といえます。料理はシェフにおまかせコースとなり、ランチは2,940円、3,990円、5,250円。ディナーは5,250円、8,400円、12,600円となります。今回は、ディナーの5,250円をご紹介。

京・仏素材のコンビネーション・フレンチ

・オマール海老のポシェと大原の温製紫ネギ、バニラ風味ドレッシングのアイス
オマール海老のポシェは温度差のコンビネーションを楽しむ一品
オマール海老のポシェは温度差のコンビネーションを楽しむ一品
美しいアーチ型の皿の中心に納まっているのは、ポシェ(沸騰前のブイヨン等で煮る)したオマール海老。こちらは常温。下には温かいネギ、上にはバニラで風味付けした酸味のあるクリーム状のドレッシングをアイスにしたもの。これらを一緒に口に含むと、ネギの暖かさでアイスが溶けてドレッシングになるという趣向。ネギは京都・大原のもの。しっかりとした苦味と甘みが、一体となって旨みに化けます。上にはピンクペッパーをつけた焼き菓子が添えられ、クリスピーな食感とピリッとした食味を添えます。

ちなみに、オマールとバニラの組み合わせは、2005年に自ら「ルカ・キャルトン」の三ツ星を返上した、アラン・サンドランス氏が考え出したもの。日本人には、一瞬「エッ?」と思うかもしれませんが、現在では定番の組み合わせなのです。しかし、それをアイスにしてしまうところが面白い。

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