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スコッチと樽熟成の裏話2(2ページ目)

樽に関する裏話に興味がある方が意外と多いようで、好評につき2回目に突入する。今回は樽によってスコッチの香味が大きく変わった理由。なんでバーボン樽熟成が主流になったかを解説する。

協力:サントリー
達磨 信

執筆者:達磨 信

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信念のシングルモルト

余談だが、スコットランド通の知人と飲んでいた時、「頑固そうに思えるスコティッシュが、よく簡単に伝統の香味を捨てたな」と私がいうと、その知人は「ケチだから」と極めて理解しやすい回答をしてくれた。
バーボン樽は、当初はあくまで不足するシェリー樽の代わりであり、ケチもあったかもしれない。ただモルト原酒のタイプによってはかなり好結果をもたらしたからこそ、バーボン樽がここまで普及したと、好意的に私は捉えることにしている。

その代表がグレンモーレンジであり、確固たる信念をもってバーボン樽を使用している。くどくど言わなくても、あの香味を知っていれば理解できるのではなかろうか。
森
 これが北海道のミズナラが生育する森。
まったく反対の立場をとるのが、ご存知マッカラン。しかもコモンオークのシェリー樽にこだわる。これはまたの機会に説明するが、一般にシェリー樽と呼ばれる樽の材のほとんどは、アメリカのホワイトオークなのだ。
コモンオークにこだわり、スペインの森を歩き、樽のスペックに厳しい規準をもうけている。実はグレンモーレンジもそうで、アメリカはミズーリの森を歩き、樹を選定し、樽に厳しい規準がある。

未来のために徹底的にやる

日本のサントリーも同様だ。サントリーほど豊富な樽種を揃えているところは、世界でも稀だが、ブレンダーがアメリカへ、スペインへ、北海道へと飛び、それぞれの森を歩き、樹、樽のスペックに目を光らせている。
共通点、といったのはこのことなのだ。
マッカラン、グレンモーレンジ、サントリーのように、ここまで徹底的にやるところは、まだまだ少ない。

マッカランに関して付け加えると、2005年からファインオークというシリーズが登場した。これはよく知られたシェリー樽100%と違い、シェリー樽熟成原酒とバーボン樽原酒をヴァッティングしたものだ。

では今回はここまで。次回の裏話3は近々に発信する予定だ。
前回の『スコッチと樽熟成の裏話1』も是非お読みいただきたい。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※メニューや料金などのデータは、取材時または記事公開時点での内容です。
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