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ウイスキー&バー/この店の、この一杯

55回銀座『ゼニス』須田善一のマンハッタン(2ページ目)

中村健二氏の『絵里香』で修業を積んだ須田善一氏が『ギンザ・ゼニス』というバーを開いた。人気は、響30年のボトルを加工したミキシンググラスから生まれるマンハッタン。さあ皆さん。いますぐ飲みに行こう。

協力:サントリー
達磨 信

執筆者:達磨 信

ウイスキー&バーガイド

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ベルモットを使い分ける

実は、須田氏のマンハッタンには2タイプある。
ひとつは前ページのものにレッドチェリーを飾ったもの。もうひとつはベルモットをマルティーニかドランのシャンベリーにして、パールオニオンを飾ったものだ。
チンザノはにがよもぎの香味が強いが、パールオニオンを飾った一杯のベルモットは、にがよもぎの強い個性が弱まった、まろやかで華やかな香味のものだ。

須田氏
カウンターは7席。小ぢんまりとして落ち着く。下/左が須田善一氏。右が野原健太氏。信頼感のあるバーテンダーだ。
パールオニオンのほうが私は好みだが、須田氏がチンザノをどう使いこなすか知りたくて、レッドチェリーのほうを選んだ。
よく、にがよもぎの苦みが舌にビリッとくるマンハッタンを飲まされることが多いが、須田氏の一杯は苦みがほどよく、口中でのキレがいい。なるほど、ファンが多いはずだ。

おすすめはジャパニーズ

さて、彼のおすすめのウイスキーは何か。これが私と気持ちは同じ。ジャパニーズのシングルモルト、白州を彼も応援している。
「白州はおいしいですよ。で、おいしさを知っていただきたくて、12年と18年を半分ずつ、ハーフショットで試していただいたりもします。お客様の金額の負担も少ないですし、熟成年数での香味の違いも知っていただけますし」
須田氏はこう言った。いいぞ、いいぞである。私は他のシングルモルトに比べ、白州12年、白州18年の旨さの認知がまだまだ足りないと思っている。彼のようなバーテンダーがもっと増えるといいな。白州10年もいい。これは前から言いつづけているが、ハイボールに最高だ。

須田氏は『絵里香』の中村健二氏に厳しく鍛えられている。しっかりとした修業を積んでいるから、安心できるバーテンダーだ。
彼の右腕にはイケメン・バーテンダー野原健太氏。若いが、嫌味のない、いい接客をする。何よりも須田、野原両氏とも清潔感がある。第一印象で、清潔感を醸していないバーテンダーは、なんとなく信用できない。
女性も気軽に入って欲しいバーのひとつ。また朝3時までやっているから、深夜1時過ぎから飲みたくなった時に、ありがたい店だ。

「銀座『絵里香』中村健二のジャパニーズ」も是非、ご一読いただきたい。


※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※メニューや料金などのデータは、取材時または記事公開時点での内容です。
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