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ウイスキー&バー/この店の、この一杯

この店の、この一杯 第28回 言葉はボストン・シェーカーの音(2ページ目)

横浜『カサブランカ』の山本悌地は寡黙なバーテンダーだ。彼のボストン・シェーカーの振りを、私は世界一美しいと思っているのだが、その響きが伝えたい気持ちのような気がしてならない。静かな夜に音は染みていく。

協力:サントリー
達磨 信

執筆者:達磨 信

ウイスキー&バーガイド

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男の痩せ我慢が好きだという山本氏はボギー・ファンで、カサブランカの花がいつも飾ってある。
カウンター11席の椅子はミッドセンチュリーデザインのイームズのシェルチェア。青く柔らかい光のランプはフィリップ・スタルク。壁にはカッサンドルのポスターがある。
すべて山本氏の趣味である。

ウイスキーは偏ることなく、バランスのいい品揃えだ。
ボトラーズ・ブランドはワン・ショット1,000~2,000円ぐらいの幅の、値頃感があり、納得のできる香味のものばかりで、リーズナブルに徹している。
ブレンデッド・ウイスキーで山本氏がよくすすめているのがチーフテインズ・チョイス8年。これがワン・ショット700円。
山本氏は「リーズナブルな価格で、モルト配合比率が高い。ピート香が爽やかで飲みやすい。何よりも目立たずひっそりとしているのが可愛い」と言う。彼らしいコメントである。

ただいたって静かな男だ。ボストン・シェーカーの響きが山本氏の言葉である。
横浜ベイスターズの勝利ではしゃぎたいのを我慢して、ウイスキーをクィッと飲む。山本氏を前にして静かに飲む。でも嬉しくて、ついニカッと笑ってしまう。山本氏も「よかったですね」と言うように微笑み返してくる。
そんな夜をまたつくらなければ。(写真/佐藤慎吾・『日本のグッドBAR』新潮OH!文庫より)

The Bar CASABLANCA
神奈川県横浜市中区相生町5-79 第8スガビルB1
Tel.045-681-5723 18:00~5:00(日祝~24:00)
無休(年末年始休あり)

チャージ¥600、ウイスキー¥700~、カクテル¥800~
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※メニューや料金などのデータは、取材時または記事公開時点での内容です。
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