原因は、序盤の速すぎと重すぎる体重
足の血行が悪くなったり、同じ動作の繰り返しで筋肉が硬直し足の運びが困難に。屈伸やもも上げ走り、スキップなど、通常走るのとは異なる動きも対策の一つ |
やはり月間100km以下の走行距離、しかも走り始めて2ヶ月程度ではまだ走るための体ができておらず、このような結果は必定でしょう。N氏の場合、最初の5kmが速すぎたという失敗もありました。最初から5km28~30分のペースで走っていれば、ここまで落ち込まなかったと思います。
食べ物とか、直前に全然練習できなかったとか、体調もあまり良くなかった(本当かどうかは知らないがノドが痛かったとのこと。呼吸系の不調はてきめんに影響する)という数々の原因が挙げられますが、最大の原因はやはり体重。体重があると、それだけ脚にこたえます。走り始めに比べ体重が2kg減ったとしてもまだ86kg。本人が言うように70kgくらいまで落ちると(いつになるんだ……)、走っていても感覚が全然違ってきます。また、体重を落とさないことには、膝への故障のおそれがあるので、練習距離を伸ばすこともできません。
当初の目標として、理想では3ヶ月で9kgの減量、現実性のある数字として6kgの減量をあげました。ガイドの想定は、最初の3ヶ月で体重を落とし、次の3ヶ月で走り込んで長距離走に慣れる、その後の3ヶ月でスピードも兼ね備える、という目論みでしたが、計画は変更を余儀なくされつつあります。でもレース後のN氏の意気や軒昂たるものがあります。
あらゆる機会を活用してトレーニングの積み上げを
N氏:今回とこれまでで一番違っていたのは、走った後これまでは「もう走りたくない!」と思ったんですよ。でも今回は「よし、次回はうまく走ってやろう」って思いましたよ、これ、本当に。次にまた走りたいと思えたことが何よりの収穫でした。しかし、フルマラソンで4時間半を切るのって相当厳しいな。ハーフを2時間で走っても4時間ですもんね。やんなきゃダメだなこりゃ。次に備えて手軽にできるいいトレーニング法はないですか?
ガイド:(おっ、やる気十分じゃん。いいぞ、いいぞ! 本人のやる気がなくなればこのプロジェクトは終わりです)走る距離を伸ばす工夫ね。通勤ランとか、昼休みランとか。
N氏:それって、やっぱりマラソンに熱心な友人のお父さんも言ってましたよ。
ガイド:やはり、何もしないで走力を上げる奇手はないんだよね。でもこんな筋トレがあります。Nさんの仕事場はビルの10階ですね。このビルの階段を使えるなら、階段上りをどうぞ。出社時に1回、昼食時に1回、あと3回ぐらいで1日計5回ぐらい。下りも運動になるので、下りもエレベーターを使わないこと。駅でももちろん階段にします。フルマラソンのように長い時間走っていると、立っていることさえ辛くなってくるんです。その対策としては、下半身を鍛えること。筋トレとしては、スクワット(膝屈伸)、カーフレイズ(かかと上げ)、時々はシットアップ(腹筋)をやりましょう。
N氏:やったほうがいいですか。じゃあ、今日からやります(おお、この決断の早さ。闘志十分。次回が楽しみだぞ。でも調子狂うな……)。
<東京マラソンへの道シリーズ>
東京マラソンへの道1 肥満を解消すべし
東京マラソンへの道2「着実なる減量」
東京マラソンへの道3 無謀なハーフ挑戦
東京マラソンへの道4 ダイエットの成果
東京マラソンへの道5 慢心で落ちない体重
東京マラソンへの道6 通勤ランに四苦八苦
東京マラソンへの道7 走りに慣れ始める体
東京マラソンへの道8 10kmレースで緊張感
東京マラソンへの道9 アミノ酸の力を実感
東京マラソンへの道10 ハーフ、余裕の理由
東京マラソンへの道 終章「遥かゴール」
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