あなたはピッチ走法型?ストライド走法型?

ピッチ走法とストライド走法については、これといった定義があるわけではありません。スピードはストライド×ピッチですから。同じスピードならストライドが狭ければピッチが速くなければならないし、ストライドが広ければピッチは遅くていいわけです。そこに歩幅何センチ以上がストライド走法だとか、1分間のピッチ数が何回以上ならピッチ走法だというような基準があるわけではありません。

ちなみに私の場合でいうと、フルマラソンを2時間54分前後で走っていたときのピッチは、前半が188分/ピッチ、後半は186.5分/ピッチぐらいでした。前半1時間26分、後半1時間28分ほどなので、前半16,168歩、後半16,412歩程度、前半の平均歩幅は130.5cm、後半は128.5cmほどとなります。身長(178cm)からするとストライドは決して広くなく、外見はどちらかというとピッチ走法に見えているでしょう。ストライド走法ではなく、ややピッチ走法寄りの走り方を意識していました。

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脚が長ければストライド走法が理にかなっているが、ちょっとオーバーストライド?


ピッチは体型(脚長)による

さて、それではどちらがよいのか、という話ですが、基本的には脚の長さに依拠します。以前の記事(サブスリー達成に重要な腕振りフォーム)で触れましたが、脚が長ければ速くは振りにくく、足が短ければ速く振りやすいという振り子の原理に基づくものです。

良いフォームを身につけるためには、私は良いフォームをしたランナーの後について、そのフォームを真似るのが良いとすすめています。しかし、ピッチに限っては脚の長さが異なると合わせるのが困難になってきます。なるべく同じくらいの身長のランナーに付くのがよいのです。

とはいうものの、スピードは歩幅×ピッチなので、なるべく歩幅は広い方がよいし、ピッチも速いほうがいいことは自明の理です。ピッチを速くすることに関してまとめれば、
  • 腕は折りたたんだ方がピッチを速められる
  • 足は蹴り上げて折りたたみ、前方に振った方がピッチを速められる
の2点です。逆にピッチが遅くなるフォームというのはこの反対で、
  • 腕はより伸ばして振る
  • 脚を蹴り上げず、振り子のように伸ばしたまま前後に振る
となります。市民マラソンランナーが長丁場を走る上では、理想のフォームを持続させることは困難ですが、記録を出したければ少しでもピッチが速くなるフォームに接近させる必要があります。

スピードトレーニングは難しい

次にストライドですが、ピッチが速まれば必然的にストライドは広がります。それは、速度が上がると両足が離地している(宙に浮いている)距離が長くなるので、当然に歩幅は広がるわけです。ストライドを広げるとは、ピッチが同じでも広いストライドで走ろうということです。

スピードトレーニングを積むとストライドは広がります。しかし、マラソン練習の中にスピードトレーニングを組み込むのは、案外難しいと私は思います。マラソン対策の中心になる練習は、持久力を向上させることで、しかも「故障なく」という条件が付きます。持久力のある体質に変化させることなのですが、スピードトレーニングは、故障発生率が高いですし体質を異なる方向へ導きます。

スナップを効かせてストライドを広げる

ストライドを広げる上で必要な力は全身的な体力ではなく、脚を前方に振り出す力と、後方に引き戻す力、それに膝、足首から脚指先にかけてのスナップ力です。足の速い動物の走り方を思い出してください。足の使い方が、速球投手の腕の振り~手のスナップの動きに似ていると思いませんか。

私はケニア人選手の走りを見ていると、足をスナップのように使っているように見えます。彼らは体型的に膝下(脛や足)が長いのでよけいにそのように見えます。こうして考えると、ストライドを広げるためのトレーニングとしては。次の3つが考えられます。
  • 大腿部を速く前に振り出す力
  • 膝から足にかけて、スナップを効かせるフォームと力
  • 大腿部を速く振り戻す力

トレーニングとしては、ジャンプやチューブを使った方法があります。速く動かすという件に関しては、体に速い動きを刷り込むというトレーニングも必要です。それに適しているのは、下り坂トレーニングです。無闇に跳ね下るような走りではなく、跳ねずにピッチを速めて下り坂を走ってみてください。下り坂だと意識しなくてもストライドは広がります。それに加えてピッチを速めることを意識して下るのです。

ショックが少ないピッチ走法に利点が多い

結論として、ピッチ走法とストライド走法のどちらがよいのか?私は、一般的には初心者ランナーから2時間30分を切るレベルのランナーまで、すべてピッチ走を基本にしたほうがよいと思います。その理由は、着地時に足に与えるショックがピッチ走法のほうが格段に少ないからです。ショックが少なければ後半の落ち込みが少なくなり、故障発生の危険性が少なくなるので十分に練習を積めます。ピッチ走法で2時間30分を切っているランナーはたくさんいます。

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ゆっくりペースなら、腕の位置が下がっていてもバランスが取れているが、これではサブスリーというわけにはいかない


それでは、ストライド走の練習は不要かというと、それはそれでやっておくべきだと思います。普段からストライドを広げる意識で練習していれば、自ずとストライドは広がってきます。レース終盤で足が前に出ないというような状況になっても、ストライド走の練習を積んでいれば、落ち込みは少ないでしょう。

レース終盤に走りを切り替えてストレッチング

ピッチ走法とストライド走法は、走り方が違いますから使う筋肉も異なるところがあります。同じ筋肉ばかり使っていると疲労が速まります。全身にバランスよく疲労が生じるのが理想。ピッチ走法をしていて疲労してきたら、それまであまり使っていなかったストライド走法で負担をかける筋肉に活躍してもらうとか、異なる筋肉の動きによって同じ動きで緊縮した筋肉をストレッチする効果もあります。これは私自身実践してきた走法です。

トレーニングとしては、ストライド走のランナーなら時々はピッチ走で走ってみる、ピッチ走のランナーなら時々はストライド走で走ってみる。ロング走を行うときに、最後の6kmぐらいで2kmずつ切り替えるといった練習をしてください。

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