10kmとハーフはかなり違う

ハーフマラソンの距離になると、10km(参考記事:「10初心者に人気!10キロマラソン、走り方のコツ)とは異なる点が多々生じてきます。一般的なロードレースの距離で多いのは、5km、10km、ハーフマラソン、フルマラソンです。ほぼ、倍、倍、倍と距離が伸びるのですが、5kmと10kmの違いに比べ、10kmとハーフの違いはとても大きくなります。

ハーフとフルの違いはもちろん大きいのですが、あまりに違うためにハーフを走るときとフルマラソンを走るときでは、準備や心構え、ペース、補給などをそれなりに考えます。しかし、始めてハーフを走るという場合には、フルマラソンに対するようにあれこれと特別に対策をたてるということは少ないようです。

しかし、ハーフマラソンはフルマラソンを走るためのステップとしてもよい経験ができるので、ただ漠然と参加せず、いろいろな面で意識的に臨みましょう。

ハーフマラソン初経験の場合

もちろん、これまでの最長距離レースとしてハーフマラソンに初チャレンジする場合です。もっとも10kmレースと異なる点は、補給が必要になることです。市民ランナーでもフルを走り慣れているような人にとって、ハーフという距離は水分補給程度で(場合によっては水分補給なしでも)走りきってしまう距離です。しかし、それまでレースといえば10kmまでというような人にとって、10kmからの残り約11kmは長い距離になります。

まず所要時間が異なります。10kmの倍以上、約2.25倍程度の時間を要することになります。10kmでは気温が高くなければ給水も不要のことがありますし、まして給食など考えないでしょう。走っていて空腹感に悩まされることはないと思いますが、ハーフの距離に慣れていないレベルのランナーだと、14~15kmぐらいから空腹感に悩まされることがあります。

初心者は給食も必要

これはペースにもよりますし、前日からレース当日に何をどの程度食べたかにもよるのですが、水分補給とかエネルギーの蓄積や補給ということを考慮しなければならない距離だということです。

10kmを問題なく走りきっているランナーが、ハーフのレースに出て後半落ち込む例は、ほとんどがエネルギー切れ、いわゆるシャリバテといってよいでしょう。痛いという感覚ではなくて、力が出せないという感覚です。腕を振ろうとしても振れない、呼吸を深くしようとしても続かないといった症状になります。

対策としては、フルマラソンを走るときほどではないですが、前日の3食と当日朝食は炭水化物を多めに摂ること。さらにおすすめは、飴とかゼリー菓子を少し持って走ることです。食べるタイミングは12kmぐらい。まだ空腹感が出る地点ではないですが、空腹を感じてからでは遅いのです。空腹を感じる手前3kmぐらいで口にします。水分も喉が乾いていなくても10kmからは必ず口にします。

食べながら走る、給水するというような経験も、ハーフが10kmよりもフルマラソンに近い点です。 

ハーフはペース設定して臨む

ペース設定も10kmや5kmとは基本が異なります。5kmのレース経験者が初めて10kmレースを走るときは、感覚的にやや遅い、足に入る力をやや減らすといった「やや」抑えるくらいでちょうど良いペースが作れたと思います。よしんば走り出しが速すぎても、そのまま頑張ってしまうというレース展開が一般的でしょう。しかし、ハーフを走り慣れていない場合は、「やや」という感覚だけでは適当なハーフのペースを作れないことがままあります。

走り始め2~3kmまでの疾走区間はペースづくり区間、最後の2~3kmを頑張り区間、その間を一定のペースで走る巡航区間とすれば、ハーフは巡航区間が長いので、そこをよいペースで走ることがタイムの短縮につながります。そのためには、入りの疾走区間が大事になるということになります。

速すぎる入りはいけません。一度速いペースで走り出すと適当なペースに落とすのが難しいのです。落としすぎてはいけないのですが、そのままいけば後半バテバテになることは目に見えています。早めに巡航速度まで落とすこと。遅く入ってしまった場合は、徐々に修正して巡航速度にもっていくこと。

基本はイーブンペース

疾走区間、巡航速度、頑張り区間と分けはしましたが、いずれの区間の速度も一定であること、すなわちイーブンペースが理想です。走り出しは、バネがあり疾走気分で飛び出しますが、実際には抑えめにしてなるべくイーブンペースに近いペースで、最後は疲れていますが頑張る。

このように、感覚的には異なっていも、実際の速度はほぼ同じであるということです。そのペース速度は、10kmのタイムの2,25~2.3倍を見込んで計算すると良いでしょう。

中間の巡航速度のペースづくりには、他のベテランランナーの力を借りるのも手です。5kmレースだと、他のランナーの力を借りるというよりも引っ張ってもらうという感じですが、ハーフではそのペースでは最後までもたないでしょう。自分のペースにあったランナーに併走して、リズミカルに平坦化したペースを作るという意識です。これは、フルマラソン時も同様です。

ベテランランナーを見分けるポイントは、体がしまって日焼けし、ランニングクラブのユニフォームを着ておりフォームがよいこと。こうしたランナーはほぼイーブンペースで走るものです。 

中間点で自己チェック

中間点では、自分の疲労度を判断します。筋肉疲労がどこに出てきているか、呼吸が荒くないか、空腹感や脱水感はどうか、体が熱っぽくないかといった点です。

問題がなければ余裕があるということ。後半は気持ちを切り換え追い上げるつもりで徐々にペースアップです。問題があれば、解決のつく点は解決するように努めること。例えば、呼吸が荒ければ大きく呼吸するようにします。腕振りに疲れたら腕の位置を下げるとか、足に疲労が来たなら走法を変えてみる(ストライド走法をピッチ走法に切り替えるなど)とか、水分補給や給食などです。

さらに残り3kmぐらいになったら、最後の頑張りです。腕振りをきちっとすること、呼吸をしっかりとすること、体を起こすことなど。最後のもっとも疲れているところなので、自分の弱点もよくわかります。どこからどのような弱点があらわれたのか脳裏に刻みながら走ってください。

こうしたことはフルマラソンのミニ体験といったものです。この検証がよくできるランナーはフルマラソンにもすぐに慣れるでしょう。もっともフルマラソンになるとハーフでは考えもつかないようなアクシデントが起きたりするのですが。

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