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マラソン完走のコツ……レース中の苦しい局面を乗り切るには?

マラソン終盤の疲労が溜まってきたタイミングでは、ちょっとした坂や風などがランナーにとって思わぬ障壁となることが少なくありません。そこで、これまで何十ものレースを走った経験から、骨盤を立てるフォームを継続するなど、マラソンを完走するコツをご紹介します。

三河 賢文

執筆者:三河 賢文

ジョギング・マラソンガイド

マラソン完走のコツとは?

 マラソン完走のコツとは? レース中はいろいろな障壁が立ちふさがる!

 マラソン完走のコツとは? レース中はいろいろな障壁が立ちふさがる!

マラソン大会によって、コースや環境は多様です。フルマラソン以上の距離になれば、周回コースを除きすべてフラットということは少ないでしょう。また、海沿いならば向かい風を受けることもあります。

特にレース終盤の疲労が溜まってきたタイミングでは、こうした小さな事柄がランナーにとって思わぬ障壁となることが少なくありません。そこで、これまで何十ものレースを走った経験から、苦しい局面を走りぬくコツをご紹介します。  

<目次>
 

向かい風はチャンスと捉える

疲労時に限らず、向かい風に苦しめられるレースは多いでしょう。ペースを維持しようとすれば、どうしても余計な筋力・体力を消費しがちです。しかし向かい風は“楽に走る”チャンスとも捉えられます。

確かに向かい風では、ペースが落ちるでしょう。しかし何時間も走るマラソン大会で、終始ずっと向かい風なんていうことはほとんどありません。そこで、向かい風に倒れこむようにして身体を預けてしまいましょう。しっかりと骨盤を起こしフォームが維持できていれば、自然な前傾姿勢がキープできます。

風の強さに応じて倒れこむ角度を調整すると、脚をヒールアップするだけで面白いように進んでいきます。風には逆らわず、利用する。体力・筋力を、いざという局面まで温存してしまいましょう。
 

登り坂を自分に認識させない

登り坂は、つい筋力に頼って走りがちです。レース終盤になると、諦めて歩き出すランナーも多いでしょう。例えば大勢のランナーが出場する「東京マラソン」でも、35km頃に訪れる佃大橋が疲れたランナーを苦しめます。

そこでおすすめなのが、「坂を見ない」という方法です。疲労が溜まってきたら視線を少し下に落とします。すると坂に入っても、緩やかなものならば坂と感じずに走ることができるでしょう。

もし、坂が視界に入ってしまっても大丈夫です。早い段階から視線を落としてしまえば“いつから坂が始まっているのか”を認識せず、気付くと坂を登っていることでしょう。
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坂だと気付かないうちに登り切ってしまおう

 

下り坂は流れに任せる

登り坂に比べて楽に思える下り坂は、意外と知られていない疲労や怪我の原因です。下りでは着地で“上から落ちてくる”形になり、地面から大きな衝撃を受け止めています。また、スピードの出し過ぎを抑止しようとするためか、踵から着地してブレーキを掛けてしまうランナーも多いようです。しかし、これが大きな筋力消費、そして膝などへの負担増に繋がってしまいます。

そこで下り坂では前傾を維持しながら、出来るだけ地面と並行に移動することをおすすめします。恐らく、ペースは平地に比べて上がるでしょう。しかし並行することで上下運動が減り、脚への負担は膨らみません。平地より少しストライドを伸ばすように意識すると、同じピッチで無理なく走れます。
 

上半身を使って進む

登り坂や向かい風はもちろん、脚に疲労を感じているときこそ大切なのが上半身です。体幹で身体を支えて、しっかり腕を振りましょう。このとき、上体は左右に揺らさず前を向けることが重要です。特に腕を“引く”ことを意識すると、引いた腕から胸、腰、そして脚へと動きが伝わり、脚が前へと出ていきます。脚だけに頼らなければ、坂や風にも負けない走りができます。

ランニングは、つい脚で走るものと思われがちです。しかし速く走るため、あるいは楽に走るためには、上半身を含めた全身運動が不可欠です。レース序盤から上手く上半身を使えれば、後半の疲労具合も違ってくるでしょう。
 

深く呼吸して酸素を巡らせる

疲れてくると、呼吸が乱れてきます。しかしそんな時こそ、深く呼吸することが大切です。そのためには、まず「息を吐き切る」ようにしましょう。空っぽの状態にならなければ、たくさんの新鮮な酸素が取り込めません。
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酸素は快適なランニングに欠かせません

酸素は血液によって身体中へと運ばれますが、この酸素がエネルギー循環には欠かせません。また、酸欠になると思考力も低下してしまい、フォーム維持や給水判断、ペース配分などに支障をきたす可能性があります。

特に登り坂、そして速いペースで走っている際には、酸素が不足しがちです。苦しさを感じたら、まず呼吸の状態を確かめてみてください。
 

疲れる前に休む

完走が目標なのであれば、思い切って休んでみるのも1つの方法です。しかし休むのは、疲れて走れなくなってからではありません。疲れを感じる前から休憩を取ってリスタートすることで、最後まで“動き続ける”ことを目指します。

「もう走れない」となった状態は、まさに疲労のピークです。そんな状態では、回復するまでかなり時間が掛かるでしょう。再び走り出しても、思いのほか疲労が抜けておらずまた止まってしまう……という悪循環にもなりかねません。それならば、いっそ給水毎に休んでしまう。
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休むのならば疲れを感じる前に

休むといっても、給水所前からペースダウンし、落ち着いて水を受け取ったらゴミ箱まで歩きながら水を飲むといった程度です。ボランティアの方々に「ありがとう」なんて声を掛けるのも、気分転換になって良いでしょう。記録狙いのレースでは難しいですが、最後まで走りきりたいランナーにおすすめです。

せっかくのマラソン大会ですから、思い切り楽しんでゴールしたいもの。確かに、辛さもゴール後には達成感へと変わります。しかし、少しのことでその辛さが和らぐかもしれないのであれば、試してみる価値はあるのではないでしょうか。

ここでご紹介したものは、誰でもすぐに実践できる内容です。もちろん私の経験則によるものですので、必ずしも結果に繋がるとは言い切れません。しかし、もし気になるものがあれば、ぜひ試してみてください。

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