脱チキン。来年の東京マラソン完走を目指し、スタート

東京マラソン完走記念メダル
悪天にも屈せず、完走率が高かった東京マラソン。距離におびえず、まずはトライしてほしい。完走記念メダルがあなたを待っている
東京マラソンの翌日、オールアバウトの小生を担当するプロデューサーN氏(男性30歳)からメール。「食事でもしませんか」とのこと。小生が東京マラソンを落選したのに、彼は当選の幸運を掴んだ。レースの自慢話か、それともここらで連載も一区切りに、なんていうおっかない話だろうか。東京マラソンに触れず、食事の誘いとはなにかあるには違いないが……。

ところは、オールアバウト本社近くのこじゃれたレストラン、女性8割の店である。席につくやいなやN氏がつぶやく。

N氏:実は、東京マラソン走らなかったんですよ。

顔に似つかぬか細い声ながら、こちらをのけぞらせる衝撃の第一声。ウソだろー。おい、おい……。

N氏:(「冷たい雨が降っていたし」とは言わなかったが)腰痛で、寒いとよけい悪いと思って。

う~ん……。そんなもん走り出してみなきゃどんなもんだかわからんじゃないか。途中で棄権したっていいから行けるとこまで行けよな。

N氏:それを知った営業の先輩(某体育大学卒業)からメールが来ましてね、件名が「お前はチキン野郎だ」だったんです……。あと、2月19日付けの日経新聞読んでたら、私が敬愛してやまないスポーツ記者、吉田誠一さんが3時間半を切ってゴールしたと体験記事が書いてあるじゃないですか……。つくづく情けないっす。

いつになくしょげかえっているN氏。「チキン野郎」といえば、映画『バック・トゥー・ザ・フューチャー』(古)でマイケル・J・フォックスが演じるマーティ・マクフライが一番嫌っている言葉じゃないか。それにしても、体重88キロ、身長183センチを超え、近藤勇の末裔かと思える偉丈夫が、いじめに遭っていると思わなかった。しかし、小生は児童相談員じゃないしどうしろってーの。

N氏:そこで、なんとか、汚名を晴らすため来年の東京マラソンを絶対完走しようと、今から練習をスタートしたいんですけど、コーチしてくれませんか?

ほ~。なかなか感心じゃん。それなら相談員が務まりそうだ。

ガイド:どのくらいのタイムが目標?

N氏:4時間30分くらいで。

まだ若いし、サッカーをやっていたというし、1年もあるんだから楽勝のタイムだろう。

ガイド:それなら可能でしょう。最初の3ヶ月は、週に5日、1回5~10km走って体重を落とすことから……。

N氏:いやいや、谷中さん。平日は仕事で走れないんですよ。

え~。ということは週に2日しか走んないの……。

ガイド:じゃあ、最初は土曜日に10km、日曜日に20kmほど……。

N氏:そんな10kmなんて無理ですよ。まして20kmなんてとんでもない。

おいおい、おまえの決心っていったい何なんだ。

ガイド:だってこのくらい走らないと月間150kmに達しないし……。150kmが目安なんだけど。

N氏:いやー、無理っす、いきなりは。5kmぐらいでなんとかなりませんか。

げ~。値切ってきたぞ。やっぱりおまえはチキンか。ニワトリが怒るぞ。

ダイエットには、プラス1日5,000歩を

ウォーキング
一般的に現代の日本人成人は、1日あたりほぼ5,000歩分の運動量が不足している。5,000歩は歩いても走ってもよい
ガイド:……。減量するには走らなくてもいいけど、1日1万歩を歩く分以上の運動量が必要なんだよね。一般に生活の中で歩く歩数は、あまり歩かない人で1日3,000歩くらい、歩く人で7,000歩くらい。Nさんの場合は、自宅と駅の間が1.5kmぐらいありそうだけど、職場ではほとんど歩かないようだから1日5,000歩というところかな。すると、5,000歩足りない。距離にして5km弱の歩きが足りないわけ。食事には注意しているようだけどそれでも、週に10km程度の運動量を増やしたくらいでは、体重は漸増するでしょう。

なんといっても担当プロデューサーだから、言葉はあくまで穏やかに説明する。

N氏:まあ、4時間30分以上かかっても歩かず完走できれば……。

おっ、少し妥協してきたな。完走ならだれでもできる。どんなに辛かろうと歩きさえしなければいいんだから。歩くか走り通すかは本人の意思の問題だ。それなら完走できなくても小生の責任じゃないよ。しかし、88kg、BMI26.2(肥満度の指標:体重:kgを身長:mの二乗で割った数値。22前後が標準値)というメタボリ・ボディを少しはスリムにしなきゃ、5km走っても関節炎にしてしまうおそれがある。フォームとストレッチングだけはきちんとやってもらわなければ。

ガイド:じゃあ、一度フォームを見ましょう。

N氏:毎度!(喜色満面の笑い) ところで、これをサイトの記事にして1年間連載しようと思うんですよ。どうですか?

うっへ~。転んでもただでは起きないというか、走らなくても元を取るというか、図々しいやっちゃの~。

ガイド:まあ、いいでしょう。でも、可愛くない男の成長記を見ても読者は面白くないでしょう。可愛い生徒さんはいないですか。

ガイド:う~ん、まあそれはおいおいサイトやメルマガで募ることに。

面倒なことになったな、これ。素直な生徒さんが集まるといいなあ~、と思いつつフォークを手にする小生であった。そして、数日後……、昼下がりの代々木公園へ舞台は移る。