中国/中国基本情報

中国の季節行事や気候、祝日・イベント2019年版

巨大な国土の中国は、地域ごとで気候はまったく異なります。そのため「中国に行こう!」となった時、目的地によって服装などの準備が違ってきます。まず、このページで中国各地の季節感をつかんでください。また、2019年の年間行事や各地のイベントも紹介していますので、目的地や出発日を決める参考にしてください!

鈴木 晶子

執筆者:鈴木 晶子

中国ガイド

中国の季節。いつ旅行にいくのがいい?

大きな中国

大全長8851.8kmという世界一大きな遺跡を有す中国

中国に住んでいると、つくづく「大きな国だ」と感じます。実際、中国の国土面積は約960万平方キロと、アジア最大、世界ではロシア、カナダに次ぐ3番目に大きな国なのです。これだけの大きな国なのですから、地域ごとで気候はまったく異なります。しかも、中国では最多数の人口を誇る漢族を筆頭に、チワン族、満族、回族、ミャオ族、ウイグル族など56種の民族が生活。同じ中国といえども、気候、街並み、言葉、文化習慣……そのすべてが同じではありません。

なので「中国に行こう!」となった時、目的地によって、服装などの準備がぜんぜん違ってきます。中国旅行を思い立ったら、まず、このページで中国の季節感をつかんでください。また、あわせて年間行事や各地の楽しいイベントも紹介していますので、目的地や出発日を決める参考にどうぞ。

<目次>  

中国の国土 巨大なニワトリ

ニワトリ

喉元が北京、腹部が上海という巨大なニワトリ型の中国

中国の地図を眺めていると、ある形に似ていることに気づきます。中国では国土の形を“ニワトリ”と表現しています。右上がニワトリの頭、左が尻尾、ニワトリの喉元部分が北京というわけです。このニワトリはとても巨大で、南北は、北の黒竜江省から南の海南省まで約5500キロ、東西は、東の黒竜江省から西の新疆ウイグル自治区まで約5000キロ。ちなみに日本列島の長さは直線距離で約3000キロ、本州の最大幅が約300キロですから、中国がいかに大きいか分かりますよね。
 

中国の季節 北はコート必須でも南は半袖でOK

中国のハワイ

中国のハワイといわれる海南島は冬でも20度を下回らない

中国は南から北へ熱帯、亜熱帯、暖温帯、温帯、寒温帯という5つの気候帯に分かれています。降水量の差も大きく、東南部から西北部に向けて次第に少なくなっていきます。つまり、北方ではコートを着るぐらい寒いのに、南方では半袖でOK、西は空っ風が吹き荒れ乾燥しているのに、東はジメジメといった大きな地域差が存在するのです。
 

時差 日本との時差はマイナス1時間

日本との時差はマイナス1時間。例えば日本が12時の時に中国は11時ということになります。サマータイム、国内時差はありません。国内時差については次で詳しく説明します。
 

国内時差 東西4時間の差! でも国内時差は存在せず

国内時差

北京は夜でも新疆はまだ太陽が燦々!などということも……

中国は東端が東経135度、西端が東経75度と、経度が60度も違っています。経度が15度東へ進むごとに時間は1時間早くなるということは、中国は東西4時間も差があるということになります。しかし、中国は北京が位置する東経120度を標準時(北京時間)として、アメリカやロシア、カナダのように国内時差を設けていません。これだけ大きな国で国内時差のない国はめずらしいことです。よって、標準時で夜21時といっても、西の新疆やチベットではまだ太陽が出ていたり、逆に朝9時といってもまだ薄暗かったりするのです。そのため、非公式に標準時よりも2時間遅れの新疆時間なるものが存在します。
 

中国のベストシーズン&旅の服装

八達嶺

八達嶺の万里の長城。秋は空が高く景色が美しい

中国旅行のベストシーズンは一般的に秋といわれます。春のように黄砂もなく、空が高く晴れ渡るからです。けれど、地方ごとに見ていくと、それぞれベストシーズンが違ってきます。人気の観光スポットごとのベストシーズンと旅の服装を見ていきましょう。

北京天津
北京

春秋があっという間に終わってしまうのが北京一帯の特徴


ベストシーズンは秋。気候的には春もいいけれど、黄砂の影響で空気がよどみがち。夏は半そで1枚でOKですが日差しが強いので日傘などを準備するのがベター。春秋は薄手の上着が必要。冬はダウンなど厚手のコート、帽子、手袋とマフラーなど防寒具が必須。詳細は「北京旅行(基本情報)」「夏は酷暑で冬は極寒って本当?北京旅行の服装」「天津市」記事を参照。

■内モンゴル
ベストシーズンは夏。冬はマイナス40度を越える極寒で、乾燥しています。夏でも夜は冷え込むので、薄手の上着を用意するのがベスト。春秋冬はダウンなどの厚手のコート、帽子、手袋とマフラーなどの防寒具が必須です。
 

上海・蘇州
上海

日本人の最も多く住む上海は、日本と似通った気候帯


ベストシーズンは上海蟹が食べられる秋。黄砂の影響もほぼないので、春もおすすめ。東京の服装とほぼ同じでOK。ただし、冬は室内の暖房がきいているところが少ないので、防寒服を用意しましょう。詳細は「上海旅行(基本情報)」記事を参照。

広州
ベストシーズンは秋。春は湿度が高く暑いので、マイナスにならない冬のほうがベター。夏はかなり蒸し暑いので通気性のよい服を準備しましょう。スコールがあるので雨具の携帯も。冬は長袖にジャケットなどの薄手の上着でOK。 詳細は「広州市」記事を参照。
 

■ハルピン・瀋陽
ハルピン

ハルピンの冬は極寒。スキー場へ行くのと同じ準備が必要

ベストシーズンは春から秋まで。ただし、冬はスキーや氷祭りなどを楽しめます。夏でも朝晩冷え込むことがあるので上着は必要。冬と春先は昼でも氷点下になるので、ダウンなどの厚手のコート、帽子、手袋とマフラーなどの防寒具が必須です。

大連
一年を通じてベストシーズンです。冬でも厳寒、夏でも酷暑にはならず一年を通じて快適です。夏は半そで1枚でOK。春秋は薄手の上着が必要。冬はダウンなど厚手のコートが必須。

桂林
ベストシーズンは春&初夏。気候的には秋が最高なのですが、雨期の春、初夏は霧がかった「山水画」の絶景を楽しめます。雨も多いので雨具の携帯をお忘れなく。 詳細は「桂林」記事を参照。
 

西安
兵馬俑

温和な気候に恵まれた西安は原始先住民族の理想的な土地だった


ベストシーズンは秋。春は黄砂が吹き荒れます。極端な厳寒や酷暑にはなりませんが夏は日差しが強いので、日傘やサングラス、帽子など日焼け止め対策をお忘れなく。また、朝晩は冷え込むので上着を携帯しましょう。冬は寒い日が続くので、ダウンなどの防寒服が必要です。

雲南
ベストシーズンは秋から春まで。夏は雨季になり、めったに晴れません。春~秋は日本と同じような服装でOK。冬は日本の冬ほど厚着をしなくても大丈夫ですが、山間部に入る場合は防寒対策が必要となります。 詳細は「雲南」記事を参照。
 

四川・重慶
きゅさいこ

九寨溝は夏でも朝夕は冷え込むので、上着の準備が必要


ベストシーズンは春と秋。夏は灼熱で、重慶は武漢、南京と共に「中国三大かまど」と呼ばれています。夏は通気性のよい服に加え、日傘や帽子やサングラスなどを準備しましょう。冬は極寒にはなりませんが、厚手のコートを準備する必要があります。

チベット
ベストシーズンは春から秋まで。一年を通じ気候の変化は大きくありませんが、一日の温度差は大きくなっています。春秋でも朝晩は冷え込むので、防寒対策が必要。夏は紫外線が大変強いので、紫外線対策をお忘れなく。冬はしっかりした寒さ、乾燥、紫外線の対策が必要となります。

■新疆ウイグル
ベストシーズンはフルーツが出回る春から秋までですが、一年を通じ乾燥が激しく、風が強く過ごしにくくなっています。秋でも朝晩は冷え込むので、防寒対策が必要。夏は紫外線が大変強いので、紫外線対策をお忘れなく。冬はしっかりした防寒対策が必須。また大変乾燥しているのでその対策も必要となります。
 

香港マカオ
香港

屋外と室内では温度差が激しい香港の夏。冷房対策を忘れずに


ベストシーズンは秋から春まで。夏は雨季でジメジメと暑く過ごしにくい時期です。夏は湿度が高く高温になるので、通気性のよい服を用意しましょう。また雨季なので雨具の携帯も忘れずに。冬は長袖シャツやトレーナー1枚でもOKですが、10度以下になることもあるのでジャケットの用意をするのがベストです。詳細は「香港の季節(気候・気温)」、「マカオの季節(気候・気温)・祝日・イベント」記事を参照。
 

中国旅行で避けたほうがいい季節

中国旅行で避けるべき時期は、春節(旧正月)前後1週間、労働節(5月1日)から3日間、国慶節(10月1日)から1週間という中国の三大大型連休です。労働節と国慶節は中国人の旅行のトップシーズンとなるため、観光スポットは長蛇の列になり、航空券やホテルが割高になります。春節時期は“民族大移動”ともいえる帰省ラッシュが起こり、国内の移動が困難を極めますし、観光スポットは休みか、開いていたとしてもスタッフがやる気がないなど開店休業状態になってしまうので、おすすめできません。

更に詳しい説明は「中国旅行で気をつけるべき時期」をチェック!
 

中国の季節行事・イベント

56種の民族が生活する中国では様々な伝統行事が開催される

各民族の様々なお祭りが開催される (C)Gejian Architects & Engineers

多くの民族とその文化が混在する中国では、一年を通じ、伝統行事や民族独自のお祭りなど様々な季節行事・イベントが開催されます。ここでは中国のイベントについて、「法定祝日」、「少数民族のお祭り」、「近年のイベント」という3つのカテゴリーごとにご説明していきます! その前に、中国で最大のビッグイベント“春節(旧正月)”についてご紹介しましょう。
 

春節(旧正月)

春節

中国人にとって春節はなによりも大事。町中が"春節色”に染まる

春節

春節期間は廟会をはじめ、各地で様々な伝統行事が催される

春節は中国人にとっての“年越し”。元旦はカレンダー上の年越しに過ぎません。春節は家族みんなで過ごすもので、都会で学校に通っている学生や働いている人も必ず故郷へ帰ります。この時期に家に帰れないということは、中国人にとって「とんでもないこと」で、すし詰め状態の汽車でも悪条件の長距離バスでもとにかく乗って、必死に帰省します。それは普段はチャラチャラしている若者も同じで、年越しを友だちと遊ぶ、なんて若者は極々一部に過ぎません。そのため、春節前の一時期はスリや喧嘩がぐっと増えるので要注意です。表向きには7日間の休みですが、実際は10日~半月近く休む人が少なくありません。

前記した通り、春節は全国一斉にお休みムードとなってしまうので、観光には適さない時期ですが、春節のイベント“廟会”は見ものです。全国の公園や寺院で開催されるお祭りで、雑技など伝統的な出し物が開催されたり、出店が出たりと、日本の夏祭りのような盛大なものです。

>>>春節についての更に詳しい説明は「中国の旧正月(春節)」をどうぞ!

>>>中華圏各都市の春節の過ごし方やイベントなどについては「旧正月(春節)の北京旅行」、「旧正月(春節)の上海旅行」、「旧正月(春節)の香港旅行」、「旧正月(春節)の台湾旅行」をチェック!
 

中国の法定祝日

60周年

建国60周年、国慶節の軍事パレードで使われたパレード車

60周年国慶節

国を挙げての祝日の時は、天安門広場が美しく装飾される

中国の国務院(内閣)によって定められた祝日は下記の通り。以前は春節(旧正月)、労働節、国慶節の3つが同じ休日数だったのですが、2008年より労働節の休みを短くして清明節、端午節、中秋節という新しい祝日を設定しました。長期休暇だと海外へ出てしまいますが、日数が短ければ国内旅行を選択する人がぐっと増えます。内需拡大の効果が狙いだといわれています。
  • 元旦 1月1日 3連休(※)
  • 春節(旧正月) 旧暦大晦日~新年2日 7連休(※): 餃子など年越し料理を食べて、『春節晩会』という中国版紅白を見ながら家族と年を越します。大晦日から15日間爆竹を鳴らして祝う。各地で廟会が催されます。
  • 清明節 4月5日ごろ(年によって変動) 3連休(※): 祖先の墓参りをし、墓を掃除する日です。
  • 労働節(メーデー) 5月1日 3連休(※)
  • 端午節(端午の節句) 旧暦5月5日 3連休(※): 粽を食べます。南方では竜舟競漕(ドラゴンボートレース)が開催されたりします。
  • 中秋節 旧暦8月15日 3連休(※): 月餅を贈り合って、食べます。
  • 国慶節(建国記念日) 10月1日~3日 7連休(※): 建国を祝うイベントが各地で開催。特に北京では軍事パレードなど大規模な祝典が開催されます。
※法定祝日の前後の土、日を出勤日とすることで振替休日を創出して連休を作り出す慣習になっています。

ちなみに2019年の国が発表する休日スケジュールは下記の通り。
  • 元旦……12月30日~1月1日が休日、12月29日(土)は出勤
  • 春節……2月4日(大晦日)~2月10日が休日、2月2日(土)、2月3日(日)は出勤
  • 清明節……4月5日~4月7日、週末とあわせて三連休
  • 労働節……5月1日、振替による連休なし
  • 端午節……6月7日~6月9日、週末とあわせて三連休
  • 中秋節……9月13日~9月15日、週末とあわせて三連休
  • 国慶節……10月1日~10月7日が休日、9月29日(日)、10月12日(土)は出勤
以上は国民的な法定祝日ですが、中国には、一部の人が対象となる下記のような祝日があります。
  • 婦女節(女性) 3月8日 半日
  • 青年節(14歳以上の青年) 5月4日 1日
  • 児童節(14歳未満の児童) 6月1日 1日
  • 中国人民解放軍建軍記念日(現役軍人) 8月1日 半日
その他、教師節(9月10日)や記者節(11月8日)などがありますが、国は休日としていません。また、少数民族の習慣による祝日は少数民族自身が決定することになっています。

特別行政地区の香港、マカオにはそれぞれ独自の祝日があります。詳しくは「香港の季節(気候・気温)・祝日・イベント」、「マカオの季節(気候・気温)・祝日・イベント」に紹介されています。
 

少数民族のお祭り

水掛け祭り

国家級無形文化遺産に登録されている水掛け祭り

ナダム祭り

「ナダム」は、蒙古語で娯楽、またゲームの意味を表す

少数民族には伝統文化を重んじる習慣があり、一年を通じ、民族ごとに様々なお祭りが行われています。中でも有名なのは「火把節(たいまつ祭り)」、「溌水節(水掛け祭り)」、「那達慕(ナダム祭り)」、「唱哈節(歌競いの祭り)」など。どれもイベント的なお祭りなので、観光客でも十分に楽しむことができます。少数民像のお祭りは、旧暦、もしくはヒジュラ暦(イスラム暦)など民族独自の暦に従って行われるため、新暦上での日にちが毎年異なりますので、お出かけ前に開催日を確認するようにしましょう。

■火把節(たいまつ祭り) 旧暦6月25日
雲南省に住むペー族の伝統行事。村にたいまつを立てて燃やし、その火で先祖や田の神を迎えて、豊作を祈願します。

■溌水節(水掛け祭り) タイ暦の新年(西暦4月中旬)
雲南省に住むタイ族の新年を祝う行事。子供から大人までタイ族の人たちは水を水を掛け合います。水を掛け合うことで新しい年の幸せを祈るのです。

■那達慕(ナダム祭り) 毎年夏
内モンゴルで行われるモンゴル族の娯楽イベント。馬術やアーチェリー、モンゴル相撲などの伝統芸能が披露されます。

■唱哈節(歌競いの祭り) 旧暦6月10日
広西南部に住むジン族の伝統行事。老若男女が美しい衣裳に身を包み、歌って踊ります。歌で感情を海の神様へ祈りを捧げ、人々は感情を伝え合います。
 

近年のイベント

yen

毎年3000人規模で行われている「YEN」のカウントダウンパーティ

近年、中国でもクリスマスやバレンタインデーなど西洋から伝わったイベントが行われるようになってきました。特に北京上海といった都市部の若者の間で浸透率が高く、ニューイヤー、ハロウィン、クリスマスイブなどに合わせて、大規模なイベントやパーティが開かれるといった盛り上がりを見せます。イベントオーガナイザーO2culture(凹凸文化)による、国内最大規模のクラブイベント「YEN」のパーティは、毎回数千人を集客! 中国の若者の勢いを肌で感じることができます。

コスプレクオリティが驚くほど高い中国のハロウィンについては「中国のハロウィン事情」を読んでみてください。

中国の季節、行事の主要な部分をざっくりと説明してみました。さらに詳しい情報は今後、エリアごとの記事で紹介していきますので、楽しみにしていてください!
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※海外を訪れる際には最新情報の入手に努め、「外務省 海外安全ホームページ」を確認するなど、安全確保に十分注意を払ってください。

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