1.挿し木(挿し芽)で殖やす
プレクトランサスは、挿し芽で良く殖える |
最も一般的な挿し木(挿し芽)の方法で、さらに挿す枝の成熟度によって「緑枝挿し」、「半熟枝挿し」、「熟枝挿し(休眠枝挿し)」などと分けられます。手順については、【挿し木に挑戦してみよう!】に掲載されていますので、ご参照ください。なお、梅雨時期は外気も湿気があるので、鉢を密閉しなくてもうまく発根できるでしょう。
また、切り取った茎を容器に入れた水に挿しておくだけという、とても簡単な「水挿し」という方法もあります。ハーブのミント、バジル、ヘデラ(アイビー)、観葉植物のポトスなどは、この水挿しでも発根しますので、ぜひ試してみてください。
挿し木(挿し芽)で殖やせる植物は……
花木─アジサイ、コデマリ、ツツジ、バラ、ムクゲ、レンギョウ等々
草花─インパチェンス、キク、コリウス(栄養系)、ゼラニウム、ペチュニア、マーガレット等々
ハーブ─ナスタチウム、バジル、ミント、ラベンダー、ローズマリー等々
観葉植物─ヘデラ(アイビー)、ドラセナ、パキラ、ブライダルベール、ペペロミア、ポトス、等々
これ以外にも、挿し木や挿し芽ができる植物はたくさんあります。ダメ元で、庭にあるいろいろな植物で試してみてはいかがでしょう。
【イ)葉挿しについて】
ペペロミアの全葉挿し |
【ウ)根挿し(根伏せ)について】
根挿し(根伏せ)という手法は、ミントのような地下茎で殖える宿根草や、肥大した根を持つ宿根草などで用いられる手法です。手順は、掘り起こした根を3~5センチ(or2~3節)程度に切り分けて、新しい用土に浅く埋めておき、発芽するまでは日陰~半日陰で管理するという、至ってシンプルなものです。
この方法で殖やせる植物は……
コルディリネ、サンスベリア、ストケシア、タラノキ、ユキワリソウ等々
2.株分けで殖やす
アスチルベなど多くの宿根草や花木で株分けができる |
株分けは単に同じ植物を殖やすという目的だけでなく、株を更新するという役割も持っているのです。
株分けは春か秋に行いますが、春~夏の初めに花が咲く植物は開花後もしくは秋に株分け、夏~秋に花が咲く植物は春に株分けすると失敗が少ないでしょう。
手順は、掘り起こした株の土を軽く落とし、根元を見て自然に分かれるようなところから両手で引き裂くように分けます。根が詰まっていて容易に分けられない場合は、鋏やナイフを使って切り分けます。分割した株は、根を乾かさないように手早く植え替えましょう。
株分けで殖やせる植物は……
草花─アジュガ、アスチルベ、ギボウシ(ホスタ)、シュウメイギク、ベロニカ、ミヤコワスレ、等々
ハーブ─セージ、ミント、モナルダ(ベルガモット)、ラベンダー、ローズマリー等々
観葉植物─アジアンタム、アスパラガス、アレカヤシ、オリヅルラン、スパティフィラム、ディフェンバキア等々
3.取り木─イ)圧条で殖やす
レンギョウは、緑挿しでも圧条でも良く殖える |
高取り法と圧条法がありますが、ビギナーでも簡単に試せるのは圧条法です。手順は、殖やしたい植物の枝(茎)を折らないように地面まで誘引して、その一部を埋めて固定しておきます。しばらくして固定した枝先で新芽が出てきたら、発根したサイン。親株と繋がっていた枝(茎)を切り離して、新しい株を得ます。
【爽快ハーブ、タイムを楽しもう!】でご紹介したのも、この圧条法です。樹木の場合は、発根までに1~2年かかるものもあります。
圧条で殖やせる植物は……
ウメモドキ、カエデ類、シャクナゲ、ツツジ、ニシキギ、ブルーベリー、ユキヤナギ、レンギョウ等々
なお高取り木の手順については、【六月の庭仕事】観葉植物の項をご参照ください。
今回は、植物を殖やすための様々な手法をご紹介しました。はじめのうちは「失敗して元々」くらいの気持ちで、いろいろと試してみましょう。
次回ビギナーズレッスンは、【Vol.7植物の健康管理について考えよう】です。次回も、お楽しみに!