植物の殖やし方は、種まきだけに限りません。長い進化の過程を経て、いろいろな方法で子孫を殖やす知恵を身につけた植物たち。今回は、植物を殖やすための様々な方法を試してみましょう!
※記事中にわからない用語が出てきたときは【ガーデニング用語辞典】へどうぞ

栄養繁殖という不思議

鉢植え
体の一部から、新しい個体が生まれるなんて?!
ビギナーズレッスン【Vol.3植物栽培の基本、種まきに挑戦!】では、種まきで苗を作りました。この「種」は、植物が自らの子孫を残すために作り出した、いわば命のカプセルみたいなものです。このレッスンではじめて種をまいて、双葉が出たときの喜びと感動はまだ記憶に新しいことだと思います。この種による繁殖法を園芸用語で「有性繁殖」と呼びます。
そしてこの有性繁殖に勝るとも劣らない感動をもたらしてくれるのが、今回学ぶ「栄養繁殖」という繁殖方法なのです。

栄養繁殖(無性繁殖とも)とは、植物の一部分を分割することによって繁殖させる方法です。体の一部を切り取って、そこから新しい個体が誕生するなんて!これを人間の体で考えたら……、とんでもないホラー作品ができあがりそうですね。
ちょうど梅雨時は、挿し木や挿し芽といった栄養繁殖に適したシーズンになります。植物の不思議を体験できる、絶好のチャンスです!殖やしたい植物や気に入っていて予備を作っておきたい植物などで、いろいろと挑戦してみましょう!

挿し穂の水揚げ
挿し木(挿し芽)は、最もポピュラーな栄養繁殖

栄養繁殖の種類

栄養繁殖の方法は、おおまかに次のように分類されます。
  1. 挿し木(挿し芽)
    ア)枝挿し(芽挿し)─ 適当な長さに切った枝(茎)を挿す
    イ)葉挿し ─ 一枚の葉、あるいは葉の一部を挿す
    ウ)根挿し(根伏せ)─ 適当な長さに切った根を挿す
  2. 株分け
  3. 取り木
    ア)高取り木─ 枝の高い位置で発根させる
    イ)圧条─ 枝の途中を土に埋めて発根させる
  4. 接ぎ木
    ア)枝接ぎ─ 枝と枝を接ぐ
    イ)芽接ぎ─ 枝に芽を接ぐ
  5. 組織培養
このほか球根類の分球や、イチゴに見られるランナーによる繁殖もこの栄養繁殖にあたります。
ビギナーでも気軽にチャレンジできる栄養繁殖としては、1.の挿し木(挿し芽)や、2.の株分け、3.イ)の圧条が挙げられるでしょう。
それでは次ページから、この三つの繁殖方法について詳しくみてみましょう。

次ページでは、挿し木、株分け、取り木についてお話します>>次ページへ