コンパニオンプランツとは
マリーゴールドはセンチュウに効果があることで有名
野菜やハーブといった食用植物にはできるだけ農薬を使いたくない…、そんな思いから自然農薬とともに古くから試みられている方法です。
これらは長い年月にわたり経験と観察を積み重ねて伝えられてきたもので、いわば民間療法のようなものです。
市販の農薬のように「効果テキメン!」とはいきませんが、少しでも農薬を減らしたいと考えているのなら、コンパニオン・プランツを試してみてはいかがでしょう?
それでは次項から、一般的に効果があるとされている植物や組み合わせについてご紹介しましょう。 ※それぞれのコンパニオン・プランツの効果は、保証されたものではありません。
植物の成長や病害虫の発生は、植え場所や気候などあらゆる条件によって左右されるものであることをご理解の上、ご活用ください。
害虫を寄せつけない!
ミントなど多くのハーブがその独特の芳香で害虫を忌避すると言われている
有用植物に害虫を寄せつけない働きをするコンパニオン・プランツには、ハーブなど独特の香り成分で害虫を忌避する植物や、マリーゴールドのように殺虫成分を含む植物、また自らが‘おとり’となって他の植物を守る「トラップ植物」と呼ばれるものなどがあります。
【害虫を忌避する働きのある植物】
- セージ
モンシロチョウなど有害な飛翔昆虫を忌避する - タイム
モンシロチョウを忌避する - チャイブ
アブラムシを忌避する - ナスタチウム
アブラムシやアリ、コナジラミを忌避する - ニンニク
アブラムシを忌避する - バジル
アブラムシやコナジラミを忌避する - マリーゴールド
コナジラミを忌避する
また、根内に殺センチュウ成分を含む - ミント
アブラムシやアオムシを忌避する - ラベンダー
多くの害虫を忌避する - ローズマリー
モンシロチョウを忌避する - ワイルドストロベリー
モンシロチョウやヨトウムシを忌避する
トラップ植物
ナスタチウム自体が花も葉も食べられる植物だが、ナメクジなどのトラップにもなる
【おとりとなる植物】
- カモミール
アブラムシを引き寄せる - ナスタチウム
ナメクジやカタツムリを引き寄せる - 白クローバー
アブラムシ、ヨトウムシの天敵を引き寄せる - ゼラニウム
コガネムシに効果がある - パセリ
コガネムシに効果がある
ナナホシテントウはアブラムシなどを食べてくれる益虫
トラップにおびき寄せられアブラムシがびっしりついた植物を見ると、農薬を使って一気に駆除したくなりますが、 農薬はこの天敵も殺してしまいかねません。
また、餌となる害虫が死滅した状態の庭には、天敵である益虫も来なくなってしまいます。
小さな庭でも自然界の食物連鎖が存在するのですから、できる限り農薬の使用は控えたいところです。
相性の悪い組み合わせ
『植物のお医者さん』の異名を持つカモミールのように、不思議と周囲の植物を元気にする作用を持つ植物があります。ニンニクやタマネギ、ラッキョウなどは、黒点病やうどん粉病に効果があるとされています。
またレモンバームやボリジ、コリアンダーはミツバチを引寄せ、その近くにある有用作物の受粉を助けます。
この他にも組み合わせによって、丈夫に生育する、風味が増すといった効果をもたらすものもあります。
トマトとバジルは畑でも相性抜群!
- カモミール×キャベツ・タマネギ
生育を助け、味を良くする - チャイブ×人参
アブラムシを防ぎ、ニンジンの生育を助ける - ナスタチウム×きゅうり・ピーマン
お互いよく育つ - ニンニク×きゅうり
つる割れ病を防ぐ - ニンニク×ナス・トマト
青枯れ病を防ぐ - パセリ×トマト・ニンジン
生育を助け、風味を良くする - バジル×トマト
トマトの生育を助け、味を良くする - ペチュニア×マメ類
マメ科植物の生育を助ける - ボリジ×ベリー類
生育を助け、味を良くする - ローズマリー×マメ・人参
生育を助け、味を良くする
相性の悪い組み合わせ
ヒマワリとナス、トマトとトウモロコシでは私も失敗の経験が…
例えば…
- ボリジ×キャベツ
- ローズマリー×ジャガイモ
- ピーマン×つるインゲン
- ヒマワリ×ナス
- ワイルドストロベリー×ローズマリー
- トマト×トウモロコシ
- トマト×ジャガイモ
- マメ類×ネギ類
菜園の植栽計画を立てるときの参考にしたいですね。
全てのコンパニオン・プランツに言えることですが、「この植物を植えたからもう大丈夫」というようなものではありません。
病害虫対策には日々の観察が一番ですが、このように植物にも相性があることを知っておくと、よりいっそう庭が健全に保たれることと思います。
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