防犯/防犯小説

【連載第1回】良好な夫婦関係の陰で、夫に魔が差す… テレクラの甘い罠~夫の言い訳(3ページ目)

表面的には問題のない夫婦関係の陰で、夫には不満があった。妻が不在の夜、ふと目に入った“テレクラ”のネオン。ちょっとした火遊びのつもりが危険を招く。

佐伯 幸子

執筆者:佐伯 幸子

防犯ガイド

寄り道


携帯電話のメールによる“出会い系サイト”も、少しやったことがあるが文章を打つのが面倒くさい。それに相手の声も聞けず、男がアルバイトでやっている場合もあると聞いたことがあるのでバカらしいと思っている。“架空請求”のメールが来ることもあるので、もうずっと手を出してはいない。

“テレクラ”は、相手が見知らぬ女性でも声が聞けて、会話ができるところがいい。“サクラ”がやっているときがあることも了解している。それでも、誰かと話ができるだけでも気分が変わるという点に料金の意味があると思っている。電話がかからなければのんびりと時間をつぶすだけでもいいのだ。

店はそこそこ混んでいた。月末だからかもしれない。ときおり電話が鳴るが、みなが競うように受話器を取るので、長く鳴り続けることはない。昔、自分も一生懸命、早取りをしたことを思い出して苦笑した。(変わってないなー。まぁ、久しぶりだし、ちょっと酔い覚ましだ)と、狭い個室に入っていった。

ちょっと時間を過ごして帰宅すればいいと思った。(もし、誰かと会えるなら会ってもいいな。いきなりホテルに行くことはないだろうけど、できれば行ったっていい。どうせ妻はいないし。気分転換ってことでたまにはこんな寄り道も悪くない。知らない女性と話ぐらいしたってかまわないさ)そう思いながら、結婚指輪をはずして財布に入れた。指輪をはずしたところで結婚している事実が消えるわけではないが、妻へのささやかな言い訳だった。

だが、その夜入ったテレクラで受けた一本の電話がとんでもない結果をもたらすことになるとは、K介の頭の片隅にも微塵もなかった。


【連載第2回】テレクラの甘い罠~女からの誘いに続く


【連載第1回】テレクラの甘い罠~夫の言い訳
【連載第2回】テレクラの甘い罠~女からの誘い
【連載第3回】テレクラの甘い罠~シティホテル
【連載第4回】テレクラの甘い罠~インザルーム
【連載第5回】テレクラの甘い罠~深夜の訪問者
【連載第6回】テレクラの甘い罠~夜明けの苦悩
【連載第7回】テレクラの甘い罠~妻の覚悟
【連載第8回】テレクラの甘い罠~ヤツらの最後




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